操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

まぼろしの大阪テレビ。

めでたい。実にめでたい。

東京操体フォーラムの相談役であり、私の15年来の友人である、川崎隆章氏が、ついに見事な本を完成させた。

 

 

まぼろしの大阪テレビ: 1000日の空中博覧会 全番組表集成

まぼろしの大阪テレビ: 1000日の空中博覧会 全番組表集成

 

 

テレビがまだ若くて、ぴちぴちしていて、無鉄砲な頃のお話だ。

 

「放送文化研究家」として、日本のテレビ放送の黎明期に、ほんの僅かの期間存在した、まぼろしのテレビ局、大阪テレビの本だ。

 

丁度少し前に「トットテレビ」が話題になった。

若手の役者達が、当時のスターを演じていたが、黎明期の面白さというか、熱気というか、本気度とドタバタに惹かれるのはよくわかった。

(これは、偶然にも私の友人であるこぐれみわぞう氏が、チンドン屋さんの役で出演している。そして、トットちゃんと言えば、うちの師匠、三浦寛が東京世田谷で最初に開業した場所というのが、黒柳徹子さんのお父さんのお家の一室を借りて、ということでもあった)

 

ちなみに、ワタシの亡父はTBSに勤めていたが、TBSの社史(従業員に配布された)を知っていたのは、川崎氏くらいである。

父が報道部で一緒だった、故料治直矢キャスターの話が通じるのも彼くらいである。

 

とにかく、放送文化には、果てしなく詳しいのだ。

 

私の周囲には博識の人がたくさんいるのだが、その中でも「なんでも知ってる度」は相当高い御仁である。松岡正剛御大にも一目置かれているのだから、ホンモノだ。

 

また、アートディレクションは、我が師匠、三浦寛先生も「大阪の荒木兄」と慕っている、荒木基次氏である。私は「大阪の兄ぃ」だが、大阪や京都にいくと、必ずお世話になる「アートディレクションとは何か」を体現なさっている方だ。

 

この2人が手を組んで本を作るというのだから、凄いことが起こるに決まっている。

 

というわけで、すごい本ができた。

 

この本が出来ていく過程をオンタイムで見ていたが、ノンフィクションの本を作るというのがいかに大変かということが分かった。

 

綿密な調査や取材を繰り返してやっと完成だ。

 

日本の放送史、テレビ部門の歴史の資料でもある。

 

伝統療法カンファレンス2016(5)

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我々の出展ブースはこんな感じ。

なお、これはあとでまた書く予定だが「あなたのオーラ写真を撮ります」というコーナーがあり、参加メンバー全員が写真を撮ってみた。

師匠は藍色、私は紫(笑)、瀧澤君は青、寺本君と寛幸君は黄色、香ちゃんは赤、松浦さんは緑であった。なお、オーラ写真屋さんの隣にいた杉本錬堂先生も写真を撮っていたが、師匠と同じ藍色だった。

結構面白いので、皆さんもチャンスがあったら試してみるといい。
いつも同じではなく、コンディションなどによっても変わってくるとか。

 

そして

 

初日の予定もそろそろ終わり、夜は「おたのしみ」の懇親会である。

その前に、一行はホテルの外にある「白樺の湯」(温泉)でひとっ風呂浴び、さっぱりしてから懇親会会場へ向かった。

 

会津は、マイタケ、味噌カツ、トマトなど、沢山の美味しい名産がある。日本酒も勿論美味しい。

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なんだかビール瓶ばかり目立つが(笑)ご馳走三昧。

 

「飲むより食う!」みたいな感じで名物のご馳走を美味しくいただき、デザートもしっかりいただいてすっかり満足した我々は、部屋に戻り、意外と早く就寝したのであった。

 

伝統療法カンファレンス2016(4)

9月3日土曜の15時から約一時間は、我らが師匠、三浦寛先生の「操体法によるセルフケア」というワークショップである。

 

さて「操体法によるワークショップ」と言えば、多くの方は「何か知らんけど、自分でできる体操みたいなヤツを教えてくれるんだろう」と思うのではないか。

 

これは、確か2002年か3年の、全国操体バランス運動研究会でのことだが、広い会場は、多くの参加者で賑わっていた。

 

そこで聞いたのが「今日は何か自分でできる体操を教えて貰えると思って来ました」という年配の女性の言葉だった。

 

そして、ワークショップの少し前、ある男性が我らスタッフのところにやって来て、三浦先生のワークショップをたのしみにしている、と言ったのだそうだ。

 

この方は、あるスポーツをしており、数年前に怪我をした。自分でも色々やっているのだが、なかなか良くならないらしい。

 

操体法によるセルフケア」には興味があるのだそうだ。

 

ワークショップが始まり、最初に我が東京操体フォーラム実行委員の寺本君が、「イギル」という民族楽器を持って登場。これは、トゥバ共和国という、中央アジアロシア連邦の一つ、位置で言えばモンゴルの近所の国の楽器だ。

 

寺本君は、東京操体フォーラム相談役の巻上公一さんと一緒にトゥバに行ったりしているし、月イチでライブをやっているミュージシャンの顔を持つ。

 

そこで一曲やってから、ホーメイをなさるという、杉本錬堂先生をお呼びして、錬堂先生と寺本君に一曲唸ってもらった。

 

それから、ワークショップが始まった。

 

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三浦先生のこういう時のワークショップというのは、決して「自分でできる体操みたいなもの」とか「自分で治すやり方」の紹介ではない。

しかし、話の中に「すごいヒント」を折り込むのである。

 

今回も

 

「おおっ、先生、その話をここでしちゃう???」という、我々弟子にとっては、驚愕のヒントをぼんぼん落としていった。

 

 

ところが「自分で治す体操みたいなもの」を期待していると、その「ぼんぼん落ちてくるヒント」を聞き逃してしまうようなのであった。

 

つまり「欲張ると、大事なことを逃す」ということなのだ。

 

実際、先の興味がある、と言っていた方、「自分で治すやり方」を期待していたようだったが、先生のワークショップの中には、すごいヒントが隠されていたことには、どうやら気がつかなかったようだ。

 

すごいヒントがあったのにね。

 

プロフェッショナル。からだの使い方動かし方

NHKでやっている「プロフェッショナル 仕事の流儀」の特番を見た。

www.nhk.or.jp

 

やはり、その道のプロフェッショナルというのは違う。

この番組が受けるのは、やはり最近の「なんちゃってプロ」や「アマチュア増加」にも繋がっているのかもしれない。

 

それはさておき、私が見ていて「なるほど」と思ったのは、「本美濃紙」をすく、鈴木豊美氏(63歳)の箇所であった。

 

元々彼女の婚家が本美濃紙をすいていた。
ところが、彼女が嫁いだ直後は本美濃紙は廃れており、彼女の夫は会社勤めをし、彼女が家業である本美濃紙の制作を受け継いだ。

 

その間に、豊美氏は「最も美しく、薄い」という、本美濃紙をすく技術を体得した。

夫は、定年退職後に本美濃紙職人となった。つまり、妻に弟子入りしたような形である。

 

そして、豊美氏のもとに、重要文化財の掛け軸の修復のため、巨大な和紙の制作の依頼が来る。

 

夫婦は二人で巨大和紙をすく。

 

二人のタイミングが合わず。和紙の端がよれたりする。

 

何故、タイミングが合わないのか。

 

それは、ダンナさんのポジショニングであった。
腰が入っていないというか、腕力のみで和紙をすく機械(名称はわかりません)を動かしているのだ。そして、機械の枠を持っている手をみると、あきらかに「拇指」に力が入っている。

 

豊美氏は、長年の間に習得したコツというか、腕力ではなく、からだ全体を操っている。見ていても、動きがスムースで無理がない。

 

「手は小指」を運動力点とする、とか、スタンディング・ポジションのコツがわかっていれば、ダンナさんももっと合わせることができたかもしれない。

 

定年近くなって、あるいは定年後に「職人系」の仕事に就きたいという人は多い。

 

私もそういうケースを良く見ているし、手技療法の世界や操体の世界でもそれは同じことだ。

 

そういう時、一番ネックになるのは「からだの使い方」なのだ。

 

何せ、60歳近くになるまで「からだの使い方、動かし方」には無縁だったりすると、「手は小指、足は拇趾」ということを一からからだに覚えさせる必要があり、また、当然と言えば当然であるが、若い人よりも時間がかかる。

 

というか、いままでの「からだの使い方のクセ」をリセットする必要があるのだ。

 

ここでもっと踏ん張ってくれればなあ、と思い当たる人は何人もいる。

 

なんて考えながら、

職人さんなどで、名人達人と言われる人は、多分「からだの使い方、動かし方」を、長年の経験や、生まれ持ったカンで体得しているんだろうな。

でも、それを次世代に伝えるには、その「からだの使い方、動かし方」というのを、具体的に、メソッドの一環として指導するのが、これからのやり方なんだろうな、と思った。

 

「師匠のワザを見て盗め」というのは21世紀の方法ではないかもしれない。

 

それを考えると、操体の勉強というのは、この「からだの使い方、動かし方」のコツを体得することにある。

 

面白いのは、スポーツが得意だからといって、それが上達や結果に直結しないことである。特に、特定のスポーツ固有のクセがついていると、まずはそれをリセットする必要がある。

 

そこでリセットできる場合は「リセット前後」の両方のスキルが手に入るが「リセット前」のクセにこだわると、結局は上手くならないし、つまらなくなって離脱することになったりする。

 

 

これは実際の話だが、定年退職後に操体をやりたいと、勉強を続けている人がいる。

 

最初は正直「大丈夫かな」と思ったのだが、踏ん張りと、粘り強い勉強と、同期のメンバーの協力で、モノになりつつある。

 

実際には、粘って続けたもの勝ちなのだろう。

 

 

 

いよいよ発売!「ご長寿猫に聞いたこと」

猫好きの畠山です。


わたくしの周囲には、猫好きが多いんですが、猫友のお友達が編集し、猫友の獣医さんの野澤延行先生が監修してくださり、易のS先生もご協力してくださり、私も愛猫ととこ(享年19歳)で、微力ながら協力した本がついに、10月3日に発売になります。

 

 

君と一緒 ご長寿猫に聞いたこと 18歳以上の猫103匹と家族の物語

君と一緒 ご長寿猫に聞いたこと 18歳以上の猫103匹と家族の物語

  • 作者: 野澤延行,ご長寿猫研究会
  • 出版社/メーカー: 株式会社 日貿出版社
  • 発売日: 2016/10/04
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
 

 

うちの猫、まだ若いから関係ない、ということはありません。
猫をはじめ、動物は人間の数倍のスピードで年をとります。

 

これは18歳以上の猫さん(存命、天寿全うを含む)のオーナーにアンケートをとってまとめたものです。

 

ご長寿のナゾが解けるかもしれません。

 

まあ、なんとなくご長寿猫さんの飼い主さんには、猫に対する姿勢に共通点があるような気がします。

 

アンケート、私も書きましたが、出会いから闘病、別れなど、思い出すと少し当時の気持ちがよみがえったりして、ちょっとナミダが出たりしましたが、飼い猫が高齢化する今後、老齢の猫とどう過ごすか、というのは大事になってきます。

 

 

キャットフードも、昔は「15歳以上」とかありませんでしたが、今は普通に売ってます。おやつのかつお節も「シニア猫用」とかあったりして。

それだけニーズがあるんですね。

 


18歳のおじいちゃん 18-year-old grandpa

 これは最近見た動画ですが、18歳のおじいちゃんというのは、実は猫なんです。

 

 

 

2016年初秋の読書日記。

9月になっても暑いですね。

会津、天気予報では「雨」とのことでしたが、私達が行っていた期間は晴れ。
暑かったです。

 

ここ数日は雨模様で、少しは涼しくなってきました。秋雨って、梅雨よりも雨量が多いそうです。

 

最近読んだ本です。

 

猫侍「玉之丞」写真集

猫侍「玉之丞」写真集

 

 南会津に9月2日(金)に着いた先発隊の我々、何をしていたかと言えば、
「猫侍 Season2」一気観と、「猫侍 南の島へ行く」を、観てました(笑)

そんなに好きなんか!と言われると「好きです」というしかありません。

ちなみに、玉之丞役の猫は3匹いるそうです。

この本には、その3匹の「見分け方」が描いてあったりして。猫好きとしては、どれが「あなご」でどれが「さくら(若)」で「さくら(大人)」か、気になるわけです。

 

実は本番中に、フィギュアというかツクリモノのの玉之丞がいるそうですが、まだどれなんだかわかりません。。

 

 

六爻扶抑断易占断法 (MyISBN - デザインエッグ社)

六爻扶抑断易占断法 (MyISBN - デザインエッグ社)

 

 そして、これは「断易」の本です。

断易と言っても、いわゆる「五行易」「鬼谷易」とは違う「断易」だそうです。
まだまだ読んでいる途中ですが、五行の勉強もできるので、なかなか興味深いところです。

 

 

家裁調査官は見た ―家族のしがらみ― (新潮新書)

家裁調査官は見た ―家族のしがらみ― (新潮新書)

 

 「家政婦は見た」ではありませんが、家裁調査官という、家庭裁判所にのみ存在する、特殊な調査官の書いた本です。オビにあるように「人生最凶の人は肉親だった」というのがよくわかります。また、「しがらみ」という言葉の意味も。

例えば、症状疾患の裏にも、家族のしがらみなどが隠れていたり、というのは十分ありえることです。

 

 

仕事もプライベートも 「思い通りにならない相手」を動かす心理術

仕事もプライベートも 「思い通りにならない相手」を動かす心理術

 

 

最近よく読んでいる、精神科医水島広子さんの本です。


これはよくある「相手を思い通りにする」ようなものではありません。大抵は「相手をコントロールする」ようなことが書いてありますが、これは「相手は基本的に変わらない」というのが前提です。

 

「人は変えられないけど、動かせる!」というコピーにもありますが、そもそも人を変える、ということはできないのです。でも、お願いするとか、敵味方にならないとか、やり方はたくさんある、というお話。対人関係療法の第一人者らしい良書です。

 

「メンタリズム」などの反対に位置するものかもしれませんが、合わせて読んでみても面白いかと。

 

ワンコイン心理術 (PHP文庫)

ワンコイン心理術 (PHP文庫)

 

 

最近の藝術部。

東京都写真美術館が9月3日にリニューアルオープンしました。

そこでやっていたのが「氷の花火~山口小夜子」。

山口小夜子さんのドキュメンタリー映画です。

yamaguchisayoko.com

 

私などは、ハハが使っていたのは「資生堂ベネフィーク」だったりして。

有名な「小夜子マネキン」も覚えています。

 

また、小夜子さんは松岡正剛校長ともご縁があり、千夜千冊の500冊目の記念イベントで、お見かけしたり。

 

小夜子さんの思い出を語る方が沢山登場しますが、東京操体フォーラム実行委員会、タスクチーム、T本君のホーメイの先生、山川冬樹さん(今年の一月、巻上公一さんの還暦ライブでもお見かけ)や、編集工学研究所のイベントでよくお見かけする、藤本晴美さんも出ていらっしゃいました。

 

最終日に、T本君や、香ちゃんは駆け込みで鑑賞したそうです。

最近、小夜子さんの現役時代を知らない高校生などに人気があるそうで、なんだか不思議な感じですが、映画を観て、ますます彼女が好きになってしまいました。

昨年の東京都現代美術館での展覧会もよかったなぁ。

 

www.bunkamura.co.jp

 

実はイギリス系の児童文学好きなわたくし。

ちょっと時代は遡りますが、パディントンとか大好きなんですよ。
アリス・イン・ワンダーランド(厳密に言えば児童文学かどうかは分かりません)も
好きだけど。

 

ピーター・ラビットは、イギリスの湖水地方出身です。

 

子どもの頃、ピーターのお父さんはマクレガーさんに捕まって、(うさぎの)パイにされちゃった、というのは、結構ショッキングな話でした。

 

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個人的には「子ねこのトム」が好きです。

この「目の焦点が合ってない」みたいな表情が何ともカワイイ(笑)。

そして、柄が小十郎君に似ている(笑)

 

なお、原画が展示してありますが、サイズが小さいので、皆さん、すごく寄って観てました。オペラグラスとかあると便利かもしれません。

 

図録はピーターの服と同じ、ブルーです。なかなか凝った作りですよ。

 

www.parco-art.com

渋谷パルコの改装に伴って、パルコミュージアムが池袋に移転しました。

今回は移転後初のイベントです。

パルコミュージアムは、先の「五月女ケイコ展」といい、割と私のツボなんですが、
モヨコさんと言えば、やはり「さくらん」でしょう。

 

江戸吉原を描いた作品は数あれど、マンガでこれだけ骨のある遊女を描いたのは、この作品しかありません。

 

蜷川実花監督の映画もよかったけどね。
ホルスタイン柄の着物の土屋アンナは格好良かったね。

 

さくらん (イブニングコミックス)

さくらん (イブニングコミックス)

 

 図録には、幻の二部も掲載されており、ファンにはヨダレものです。

勿論買いました。

 

モヨコさんは「安野百葉子」名で「オチビサン」の連載も持っていますが、

 

オチビサン 8巻

オチビサン 8巻

 

 芸風が違う書き分けにも感心です。

 

さて、瑞巌寺伊達政宗展とか、クラーナハ展とか、ダリ展とか、トーハクの仏像展とか、ますます面白そうなのが目白押しの東京です。