操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

視診触診講座(3月の巻)

臨床は例外と想定外が殆どである。

若い人には、机上の理論勉強(つまり、講習会も大事だが、
講習で操体を受け慣れた人だけを相手にして、これでいいと思うこと)
だけではなく、操体は全く初めてで、
感覚のききわけなどがどれくらいできるか全く分からない人を
相手(初対面だとなおいい)にやってみなさいと進めている。

慣れているし感覚のききわけに慣れている
受講生同士のみでしか、というのはなかなか上達しない。

また、お金をいただかないということを理由に
「ヘタでも結果が出なくても仕方ない」というのは言い訳だ。

 

視診触診講座、

前回からは、私の「ミドル講座」の内容も含めて
進めることにした。
今ミドル講座は休講しているので、現受講生はとってもお得である(本当です)。

師匠(三浦寛先生)にも伝えてあるが、
師匠の講習ではやらない、
例えば「時間が1分しかない!」とか、
試合前の選手を短時間で調整したいぞ!とか、
緊急時や、ここで施術者の度量を見せる!という時に
使える、言い方は悪いが「瞬間芸」的なものをセレクトしている。

勿論、これらは快適感覚を問いかける、第二分析に移行可能である。

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★写真はイメージ写真ですが(笑)こんな感じ。

今日は、そけい部の触診、

それに続き、なかなか解消が難しいそけい部の痛みを取るという
掟破りのピンポイント、「裏」とでも言うべきものをやった。

痛みを瞬時にとる、というのは、
臨床家にとってはいい経験である。
この成功体験は必要なのだ。

かといって痛み取りに固執すると
「痛み取り屋」になってしまい、これは非常につまらない。

 

さて、そけい部だが、
ある動きならばそけい部周辺、
そこから連動を誘発すれば、深層筋を操作することができる。

このやり方は第一分析もできるし、第二分析にも展開できる。

 

来月は深層筋の予定。

嬉しいのは、皆触診がめきめき上手くなってきていることだ。

 

 

本楼夜学。東京プリズンと赤坂真理さんの巻

 

東京プリズン

東京プリズン

 

 本楼夜学とは、世田谷区赤堤、駅で言うなら豪徳寺か山下、
編集工学研究所の大広間「本楼」で開催されている
ISIS編集学校のイベントである。

3月12日、

この日は作家の赤坂真理さんのワークショップがあった。

今年の一月二日、NHKEテレ(今は教育とは言わないらしい・・)
で「100分 de 日本人」という特番をやった。
収録したのは勿論「本楼」である。この番組で
赤坂さんは折口信夫の「死者の書」を選書した。

私が折口信夫を知ったのは、井沢元彦氏の
「猿丸幻視行」である。
井沢氏は、TBSに勤めていた父の同僚だった。
出版した際に井沢さんが父に下さったのである。

日本史好きだったもので、この本は夢中になって読んだ。
主人公の青年が折口の頭脳(乗り移り?)を使って
歴史の謎を解く、という歴史ミステリーである。


そして、ある友人が
「東京プリズンはすごい」「これは一体なんだ」と言っていたこともあり、
年明けに読んでみたのだった。

確かに「一体これって何だ」というのが最初の印象だった。
時間が前後し、時空が前後し、16歳の少女が
アメリカで擬似的に「東京裁判」を体験する。

日本人が隠していたもの、
隠している、隠されているとは知らずにいたもの。
それが一枚一枚剥がされるような感覚を覚えた。

久しぶりに「なんじゃこれは〜っ!!!」と
興奮した作品だった。

 

また、映画化された「ヴァイブレータ」は、
何だか記憶があると思ったら、
以前三茶の名画座で「花と蛇」を観た時、
二本立てだったので見たのを思い出したのである。


そして、個人的には、自分の「景色」と割とシンクロしている
ところが妙に気になった。

東京操体フォーラムは、2002年から昨年11月まで、
東京千駄ヶ谷の津田ホールでフォーラムを開催してきた。

この本の中には、名前は出て来ないが、
千駄ヶ谷駅前のホール(津田塾関係のホールなので
津田ホールしかない)が出てくるのである。

ここはオリンピック開催のためか、今月一杯でクローズしてしまう。

「そういえば津田ホール、クローズするんだよなぁ」と
考えていた時に、この本を読んだのである。

頭の中に千駄ヶ谷の駅前の様子が浮かんだ。

 

そして、文中には主人公(マリ)が、に住んでいるところが
 新浦安なのである。
新浦安はうちの近所でもある。

何だか面白いシンクロだなあ、と思った。


本楼夜学の前日、宿題が出された。

 「鉱脈探しのための、書くことと編集術」の夜学

最初は「生まれてから今までで、個人的に印象に残っている風景や出来事を800字以内で文章にしてください。劇的なことである必要はありません。

なぜそれが心に残っているかわからなくてもかまいません。

その後、800文字から200文字に変更になった。

●お題:

 “あの記憶には何かがあるように感じる、あなたの中の記憶を200字以内で。
意味は今はわからなくてかまいません。何があるのか探す旅に出ようというの

がこの講座です。”

 ------------
下記から1つ選んで回答をお願いいたします。

1)なぜか印象に残っている記憶の風景などを200字以内。

2)あの記憶には何かがあるように感じる、そんな記憶を200字以内。3)個人的に大事な記憶や風景を200字以内。

 

というわけで、私が書いた800文字のお題の概略を掲載する。

 

私は品川区戸越で生まれた。
戸越公園と戸越銀座の中間辺りらしい。

未だに戸籍も戸越だがその住所は区画整理でもう存在しない。
私は生まれてから二歳半まで両親と戸越のアパートに住んでいた。
共に宮城県生まれの両親が、
上京して結婚して最初に住んだところが戸越だった。
この頃の写真が白黒のせいなのか、記憶の中の父も母も私も、
隣に住んでいた男の子も、みんな白黒だ。
その中で唯一、カラーの記憶がある。
よく父親に肩車されて、戸越の神社の縁日に行った。

夕方だったと思う。
狭い道は人でごった返していたが、
高いところからはいろいろなものが見えた。

映画館か何かの看板があり、笑っている男性の顔が大きく描かれていた。
看板の縁や背景が緑色だったような気がする。
顔だけが巨大化して笑っているように見えた。
私が父に「あれなあに?」と聞いたのかどうかは定かではないが、
その看板の中で笑っている男性が「ウエキヒトシ」ということはわかった。
その看板だけが、幼い頃の記憶の中では鮮やかに残っている。 

まあ、こんな感じである。

 

さて、実際のワークショップであるが、

この私の宿題が
ちょっと取り上げられた。

あとでマツオカ校長が

「ああいう記憶があるんだねぇ」と(笑)

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あ、松岡校長もこの夜学にはご出席でした。

★写真はゲバラ風にベレーを被った校長の提灯。欲しい・・

 

そして
赤坂さんは最初編集者として出発したらしい。
それが何とスカウトされたとのこと。

「ロッキンオン」とか何だか懐かしい単語が。

岡崎京子さんか原稿を、という話では

あ、世田谷文学館
岡崎京子 戦場のガールズ・ライフ」を見に行かなくちゃ」と
思い出したりして。
 

実は私も「気功のセンセイ」に飲み屋でスカウトされ
外気功を習う羽目になった(私の場合は
この業界に入ってからのことだ)。

そして、一番のツボは

赤坂さんは牡牛座ということであった。私も牡牛座である。

牡牛座(笑)

本楼にはいつもデジイチを持っていくのだが
今回は写真を撮るのを忘れていた。

 

また、本楼へ行く際はいつも
山下商店街の「東肥軒」でみたらし団子を買うのだが、
この日に限って売り切れだった。

でも、本楼夜学でのおやつの時間に
東肥軒のみたらし団子が出たのであ〜る。

そっか、売り切れだったのは、これだったわけだ。

これも不思議なシンクロ。

 

 

花粉症と足趾の操法。

続きです。

たまに、
「あ、ちょっと今日は花粉症っぽいな」と思う日があります。

 

お風呂に入るとき、足の指の間を洗います。
私は元々手の指が足の趾(ゆび)の根本に簡単に入るくらい
柔らかいのです(結構痛い人とかできない人多し)。
普段は痛みも何もありませんが、

花粉症っぽい時は、大抵足趾(そくし)の間に手指を
いれると、何だかひっかかりとか痛みとかしこりを感じます。

とっても顕著です。

「お、やっぱり??」
(カラダって正直だね)

みたいな感じ。

春先は足趾の操法を受けて
「いつもより痛いかも」という人も多いような気がします。

これは、からだからのサインなのかもしれません。
逆に言うと、足趾(あしゆび、そくし)の圧痛硬結が
解消すると、ボディの歪みが整うので、
調子が良くなるのではないでしょうか。

ボディの歪みが整う→免疫力、自然治癒力がアップする

という図式です。

★ボディの歪みを整えるのは、どんな方法でもいいのですが、
操体では
「きもちよさをききわけ(これが診断)、味わう(これが治療)」
という方法をとります。

ホントは痛くても何でも歪みが整えばいいんですが、
からだは「きもちよく治りたい」という意識をもっています。

そうなんです。本人(アタマ)は、
「痛いほうが治るかも」とか
「我慢すれば治るかも」と思っているのですが、

★思い込み、ってヤツですね。

カラダは「きもちよく治りたい」のです。

 

きもちよく治りたいなら
ご用命は


TEI-ZAN操体医科学研究所までどうぞ。

所長の畠山(私)は足趾の操法集中講座の講師も
つとめております。

 

ちなみに私の周囲では「秋から魚卵とかそういうものを食べない」
という方もいますが、

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★白子。菊の花に似ているので「たら菊」とも。

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★フグの白子焼き

とか、あんきも(写真なし)は平気で食べていますが、
(魚卵ではないか)べつに平気な気がします。

 

 

 

花粉症の季節と操体。

花粉症には操体がいいんです。
鼻が詰まったりしている場合、大抵は
首(頸椎の横突起近辺)に、ゴロリとした
圧痛のある硬結があります。

膝のうら、ひかがみにもあります。

これは、ボディの歪みが現れているんです。

その、圧痛硬結がある場所が悪いのではなく
ボディが歪んだ結果が現れています。

 

★ここで注意したいのは
「歪みが悪い!」と、歪みを悪者にしないこと。

息食動想のバランスを保つルールにちょっと背反した
ため、からだに歪みがあらわれているのです。

からだは健気にも、ちょっと歪んでも立っていてくれますし、
普通通りに働いてくれます。

 

今年も「花粉症」の季節がやってきました。

私はそんなにひどくもなく、
たまにクシャミ連発とか、外出後目がかゆいとか、
夜にコンタクトレンズをはずして、その汚れっぷりに
驚愕!とか、その程度です。

花粉症にはペパーミントティが効くといいますが、
私の場合、ペパーミントティを飲むとクシャミが出ます。

まあ、フリスクとかミントを食べるとよく
クシャミがでるので、体質かもしれません。
この辺りは人によって違います。

ちなみに、かかりつけのクリニックで、
漢方と目薬は貰っています。

 

まあ「小青龍湯」って、鼻炎はじめ風邪とか
わりと守備範囲が広い漢方薬ですね。

あとは、補中益気湯とかを飲んでいます。
これは、胃腸の調子を整えるのと、免疫力アップのため。

大抵これで済みます。

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さて、薬飲んでるヤツが「操体は花粉症にいい」と言ってるな、
と、お思いでしょうが、

首の横付近に、ゴロリとした圧痛硬結。
圧痛、のとおり、触診してみると痛みがあります。
人によっては骨のように感じることもあります。

こんなのが首にあったら、花粉が飛んでいなくても
辛いですよね。

毎年のことですが、
「首がすっきりするとハナがとおります!」という方多し。

ご用命は TEI-ZAN操体医科学研究所までどうぞ。

http://www.teizan.com/

 

最高のものが欲しいんだろ?

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You Wanted the Best!? You Got the Best! The Hottest Band in the World, KISS!!

最高のものが欲しいんだろ?
最高のものをくれてやる!
世界で最もホットなバンド、KISS!!(意訳畠山)

You Wanted the Best!? You Got the Best!

The Hottest manual medecine in the World, SOTAI!!!!!

最高の結果が欲しいんだろ?
ほら、最高の結果だろ!
世界で最もホットな手技療法、操体!!(笑)

と、ココロの中で叫ぶ。。

 

3月3日火曜日、私は東京操体フォーラム実行委員の寺本君と
待ち合わせのため、師匠同伴で水道橋駅に向かった。

2013年秋に続き、私が四捨五入して40年(笑)の間
飽きもせずファンであるKISSのコンサートに行くためである。

師匠は一昨年、60歳を越したオヤジがどんなロックをやるのか
見てみたいというので、合計2回コンサートに同行した。

寺本君は今回が初めてである。
私は彼に「KISSはカブキであるから、予習するように」と
伝え、サイレンが回ったらジーン・シモンズが火を吹くとか
ステージが暗くなってグリーンのライトがついて、ベースが
べべ〜ん、となったらジーン・シモンズが血を吐いて空を
飛ぶとか、ポール・スタンレイが「これからお前のほうへ行くぜ」と
行ったら空を飛ぶとか、ポイントが決まっているのである。

どこでどうなるか分かっているのだが、
それが面白い。落語を何度聞いても面白いとか
歌舞伎の同じ演目を何度見ても面白いのと同じである。

私はウドー(ウドーさんには長い間お世話になっております。。)
の会員で、先行予約アーティストにKISSを登録してある。
今回も先行予約で祈念したお陰か、アリーナのAブロックだった。

というわけで会場入りしたが、後で聞いたところ3万5千人の
観客が入っていたそうである。
年齢層は高い。
内容についてはここでは書かないが、
プロらしく、ファンがどうしたら喜ぶか、
それがよく分かっている。

そして、どうやったらファンを乗せることができるか
良く知っている。
今回の東京ドームは最終日で、最後から二曲目に
小さい女の子達(KISSのメンバーがデカいので
とても小さく見える)がぴょんぴょん跳ねていて
不思議な感じだった。

翌日3月4日はよく晴れたいい朝だったが、

私はオカマ声だった(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冬の花。

昨日は「三味三昧」という素敵な会に参加してきました。

松岡正剛先生と、本條秀太郎先生が
三味線を軸に、日本を遊ぶ、というものです。

今回は二回目です。
テーマは「男伊達」。

江戸時代、戦のない時代、
戦う機会がなくなったサムライ達は、
何に走ったか?

お洒落です。

粋とか、イナセとか。みんな「い」がつくけど、
実は「伊達」も本来は「いだて」と読みます。

「い」とオトコの美学についてはまた語るとして、

本條先生は、茨城の潮来の出身です。

私は千葉の市川と松戸の間にある、国府台
万葉集に出てくる真間の手児奈姫の伝説が残っている)
というところで、中学から大学まで過ごしたのですが、
中学の遠足で鹿島神宮潮来は行った記憶があります。

本條先生は「茨城大使」なんだそうです。

そして同じく潮来出身、リストランテ ダ フィオーレの
オーナーシェフ、眞中秀幸さんが腕によりをかけて作った
おつまみ(というのか??)が出ました。

本條先生と松岡さんの「三味線」とお話はまたの機会に譲ることに
して、今日はこの眞中さんがご紹介して下さった不思議な野菜を
紹介したいと思います。

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↑ 着物姿も素敵な松岡先生

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↑ 本條秀太郎先生。

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↑ 左が眞中シェフ。右は衣装の見立のプロ中のプロ
江木良彦さん。松竹衣装にいらっしゃり、歌舞伎の
衣装などに造詣深し。

眞中シェフの前掛け、
「何だかかわいい・・・」と思ったら(前掛けですよ)
江木さん曰く、「オー○フリー」のCMで使った着物の
リサイクルなのだそうです。

そうです。このウズマキは、
バカボンのほっぺたのウズマキなのです。

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霞ヶ浦のワカサギ。

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これです。これが「冬の花」と言われている
イタリア産の野菜。
ラディッキオ・ディ・トレヴィーゾ・タルディーヴォというそうです。
茶筅みたいな形」と、眞中さんが説明して下さいましたが、
ほんと、茶筅みたいです。

イタリアでも高価な野菜なんだそうです。
グリルしたものをいただきましたが、何だかコクのある茄子
みたいでした。

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作るのに手間がかかるんだそうで、
栽培法はずっと秘密だったとか。

そして、この他にも
潮来の酒造の酒粕につけたチーズ、イタリアでは
酔っぱらいのチーズ、というそうですが、
こんな美味しいものを食べたら、

ワインか日本酒ですよね。

というわけで、ワインと日本酒をいただきました。
あ、ビールも行きましたすんません。

粋な三味の音、
粋なお話、
素敵なお料理と、
非常に優雅でオトナの時間を過ごしました。

食い気で終わってしまいましたが(笑)

素晴らしい「男伊達」の時間でした。