操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

読書日記@8月前半

久々に最近読んだ本をご紹介しようかと。

先日、ついにAmazonの読み放題サービスに入りました。
Amazonの全部の本が読み放題なわけではありません(当然ですが)が、雑誌やマンガなどはかなり読めます。

 

先日、ヘイズ中村先生にお会いしたので「ムー」(ヘイズ先生、執筆していらっしゃったというお話を伺って)とか読んじゃったりしました。

「ムー」ですよ(笑)。相変わらず「UMA」とか「宇宙人」とか「超古代文明」とか、怖い話とかをエンジョイしました。

 

ある友人は、毎週「週プロ」を買っていたそうですが、読み放題で読めるので、500円×4週間=2,000円 が、月1,000円で読める、と言ってました。私のように乱読する人間にとっては愉しいサービスです。

 

折り紙祈願法―運勢転換秘法

折り紙祈願法―運勢転換秘法

 

これは、私の断易の先生、東海林秀樹先生が監修なさっている本です。

先日、東海林先生に護身用の陰陽道系の「折り紙」を教えていただきましたが、こちらは、古神道系のようです。元々折り紙というのは、呪法(呪いではありません)に通じるようです。折り紙を折る前に唱える祓詞(はらえことば)と大祓詞(おおはらえことば)が紹介されており、携帯用のカードもついています。

神社の参拝法や、お札の祀り方なども書いてあります。

 

そして、最近まとめて読んでいるのが、水島広子さん(精神科医)の本です。

水島先生は、対人関係療法という療法が専門です。

 

自分でできる対人関係療法

自分でできる対人関係療法

 

 自己肯定力が低いヒトが多いな、と思うこともありますし、ほめられすぎて育って「ほめられる自分に価値がある」(つまり、ほめられないと価値がない、というか自己顕示欲が強すぎ)というケースもあったりするよね、などと考えている時に出会った本です。

 

確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術

確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術

 

 そして、これです。

親がほめすぎて、子ども(男の子が多いですね)が「条件つきのホメがないとダメ」に育ってしまう、というのとは違います。

 

これは親子間の話ではなく、男女の話。

 

今日、講習で「ハイヒールを履いた足のキレイな女性を見るのは好きか」という話になり(私は好きですよ)、「なんとも思いません」と言った受講生(60代半ば)がいました。

 

まあ、奥さん以外の女子の足に興味を持ちたくないと言う姿勢があるのかもしれませんが、彼のクライアントは、年配の女性ばかりだというのです。

彼は「お婆ちゃんばかり」と言いますが、女性はいくつになっても女性です。

 

「なんとも思いません」というのは、そもそも失礼なのです。

それでは、女性クライアントの人気を得ることはできません。

 

橋本敬三先生も、女性の患者さんに人気があったそうですが、女性のことはよくほめていらっしゃったそうです。毎日来る女性の患者さんとかもいらっしゃったそうで。

 

女性をホメることは、モテ、つまりクライアントのリピートにも繋がります。

 

そして、ホメというのはセクハラになってはいけません。

 

また、この本は、男性と女性の思考の差についての記述もしっかりあり、

オトコはオンナの外見と内面はほぼイコールだと見る、つまり清楚でぶりっこな格好をしている女子は、内面も清楚であると思う。

ところが、オンナは外見と内面の違いを読み取るのが上手い。

 

オトコに人気のある女子が、オンナには不評な場合、それは、その女子の外見と内面の差を敏感にキャッチしているから云々。

ここでは、男性が学ぶべき「ホメロジー」と、女子が学ぶべき男性の思考、つまり「性」という視点で女子を評価し、外見と内面が同じだと勘違いする「ちんころじー」(笑)の説明にもページを割いています。

 

面白いのは、往年のJリーガーが、若手の女子タレントにテレビ番組でアタックし、玉砕するという実例です。

 

女子も普段から、会社などでは「つまんね〜」と思っても「すごいですね〜」とか、「ホントですか〜」などとにっこり笑って、殿方を陰ながらホメているわけですから。

 

モテと非モテの境界線 AV監督と女社長の恋愛相談

モテと非モテの境界線 AV監督と女社長の恋愛相談

 

 これは、女子に理想を求めすぎてカノジョができないとか、メンヘラ女子ばかり引き寄せてしまうとか、いろんなヒトが出てきます。

 

40代男性で、20代の女子と結婚したいという人が出てきます。二村さんと川崎さんは「キモイ」と一刀両断しています。

 

すべてはモテるためである (文庫ぎんが堂)

すべてはモテるためである (文庫ぎんが堂)

 

え〜、こちらをどうぞ。二村さんという方はAVの監督さんですが、この本で「アナタがモテないのはキモイからである」と喝破しています。 

 

ちなみに、私の昔の知りあいに、50代半ばで、20代くらいの女子と付き合いたいと言っていた方がいました。

トイレ共同、風呂無しのアパート住まいでしたが「彼女欲しいなら、トイレと風呂付きのところにしろ」「20代希望というのがそもそも間違っている」と、のれんに腕押しの説教をこいた記憶がありますが、聞き耳持たずでした。

 

7月から8月にかけて、何冊くらい読んだか記録していますが、おおよそ40冊くらい読んでいます(マンガ含む)。

 

自力自動の操体の可能性が広がりました。

例えば、操体を自分でやる場合。

 

仰臥膝二分の一での膝の左右傾倒を、一人で、第一分析でやった場合、瞬間急速脱力しても、ストッパーがないので、腰などが悪い人にとっては危険ですし、きもちよさとはほど遠いものになります。

 

ある方は、倒す方にクッションをかませるといい、と某教室で習ったと言っていました。

 

膝の左右傾倒を一人でやっても(それも瞬間急速脱力で)面白くないのは、本来アレは、操者のヘルプがあってこそだからです。

 

かといって、一人でできる(しかもきもちよさがききわけられる)動診と操法もあるのです。

 

これは、ご紹介すると「知らなかった」「こんなにきもちいいとは」という感想をいただきます。

 

 

ところが、操体が最近リニューアルし、「第五分析(仮)」に進化しました。

それに伴って、自力自療の操体の可能性も増えました。

 

シンプルになったのに、可能性が増えた、ということです。

 

私も、今までは「自力自療の操体」ということでは、般若身経を指導し、自宅でやるものも伝授してきました。

 

ところが、シンプルになったのに可能性が増えた、という言葉通り、自力自療の操体、の可能性がものすごく広がったのです。

 

最近は、クライアントの皆さんに「宿題」と称し、「これ、やってみてね」と、手順を指導し、自宅でやっていただいています。

 

これが、結構いいセン行ってるんです。

特にそけい部、膝などにトラブルのある方にはいいみたいです。

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豊川稲荷のおきつね様。凛々しいおきつね様です。

操体法の言葉(続き)

先日から「操体法の言葉」について考えています。

 

ある先生は「きもちいい」というのは「なんとなくアレだから、自分は『ここちよい』という言葉をつかっている」とおっしゃっていました。

 

アレだからというのは、もちろん、性的なニュアンスを感じるからでしょう。

 

っていうか、考えすぎというか、そっちのほうが「ス○ベ」なんじゃないでしょうか。

 

1990年代に「脳内革命」が出る前とかは「快」という言葉や「女の子が人前でキモチイイとか言っちゃはしたない」という風潮はありましたが、もはやそれも過去のこと。

 

先日後輩に聞いてみたら「えええ~っ?そんな感じだったんですか?」と、驚かれました。

 

薬師丸ひろ子が、セーラー服姿で機関銃をぶっ放し

「カ・・カイカン・・」と言葉を発した際、「快」という言葉は堂々を市民権を得たのです(半分くらいは本当です)。

 

★私の時代は薬師丸ひろ子だったんです。最近何度かリメイクされてますよね。

 

しかし「きもちいい」と「ここちいい」では、「快」の質が違うのではないでしょうか?

 

第二分析では「快」は「快」でも、何となくキモチイイとか、ちょっとキモチイイ程度の快では、臨床、つまり操法にはもっていきません。

 

「からだ」が「味わってみたい」という「要求」を満たしているものを、操法、つまり動診として通すのです。

 

なので「ちょっときもちいい」「ここちいい感じ」、つまり「からだ」に味わってみたい要求がない場合は、通すことはありませんし、効果はないとは言いませんが、あまり期待できません。

 

「味わってみたい要求を満たしている」「快」を味わうのが、操体の第二分析です。

 

そして、何度も言いますが、第一分析(楽か辛いかの比較対照)では、「きもちよさ、ここちよさ」は問いかけません。

 

楽か辛いかは、比較対照の相対値ですが、快というのは比較できない絶対値だからです。

 

相対と絶対の違いを明確にすることが、大切です。

 

 

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聖沢庄之助さん。

大妖怪展。

東京に住んでいて、やっぱりいいな、と思うのは、美術館や博物館が近いということです。

 

事前にチケットを買っておけば大抵は並ばずに入れますし、どこか行くついで?に、寄ったりもできます。

 

先日も、年間パスポートを持っている、太田記念美術館で開催中の「怖い浮世絵」を観てきました。

www.ukiyoe-ota-muse.jp

 

そして、昨日は東京江戸博物館でやっている「大妖怪展」に、フォーラム実行委員のTさんと行ってきました。

 

yo-kai2016.com

 

重要文化財や国宝も数多く展示されていましたが、浮世絵は私の好きな国芳の作品が結構多く飾られており、太田記念とダブっているのもありましたが(それはそれでよいのです)、観たことがないものとかもありました。また、河鍋暁斎の描く「地獄太夫」が何枚かあったり、滝夜叉姫(平将門の娘で、ガマの妖術を使うダークヒロイン)があったり、この手の話には欠かせない、四谷怪談のお岩さん、累(かさね)、番町皿屋敷のお菊さんなどが勢揃いしていました。

 

妖怪と言っても、妖怪コーナーと幽霊コーナー、地獄コーナー、土偶コーナー(土偶って妖怪か?と思いましたが、あの形は確かに怪しいです)、妖怪ウォッチコーナーなどがありました。

 

そして、以前キューハク(九州国立博物館)で観た、戦国時代に鍼医者が書いた「腹の虫」の本の展示もあったりしました。

これは、人間の色々な病気や性癖は、ハラの中の虫のせいだ、ということで、色々な虫(勿論想像)で書かれているものです。

 

地獄絵図も沢山あり、六道(りくどう)を描いたものなどがありました。

閻魔様と十王の絵などを見ると「閻魔様の隣にいるのが鬼灯様か???」

 と、ニヤニヤしたり(笑) 

 

なかなか見応えのある展示でした。秋には大阪でもやるそうです。

鬼灯の冷徹(22) (モーニング KC)

鬼灯の冷徹(22) (モーニング KC)

 

 

そして、ここの常設展も愉しいのです。

特に土曜は夏休みなので、9時までやっており、8時を過ぎるともう子ども連れはいません。いつもは子どもが群がっている「駕籠」に乗ってみたり、人力車に座ってみたり、いつもできないことをやってみました。

 

www.edo-tokyo-museum.or.jp

 

また、常設展では山岡鉄舟展と、「伊藤晴雨 幽霊画展」をやっていました。伊藤晴雨は「責め絵」と「幽霊画」で有名です。特に責め絵は、妊婦を逆さづりにして描いたものとかありますね。

今回は責め絵ではなく、幽霊画の展示です。

「幽霊が美しい」とあるように、はかなげで美しい幽霊画(女性がほとんど)が展示されていました。

これらは、五代目柳家小さん師匠のコレクションで、谷中の全生庵に寄贈されたものだそうです。隣では、全生庵に縁が深い山岡鉄舟の展示があります。

 

先も書きましたが、今年は妖怪展とか「怖いもの」「異界のもの」が流行っているようです。こんな時は、世の中がちょっとおかしくなっている、という時でもあるようです。

 

 

楽と快(操体の言葉)

この言葉の違いを明確にしないと、操体臨床そのものが上手く行きません。

 

「楽な方にきもちよく」という指導は、体操教室やサークルなどに参加しているような、比較的元気で動ける人ならば「体操やストレッチとして」やるなら何の問題もありません。

 

しかし、症状疾患をかかえた方には通用しません。

 

そもそも、どこか辛いので「きもちよく動け」と言われても動きようがないのです。

 

八方塞がりで動けない人に「きもちよく動け」というほうが酷ですよね。

 

なので「楽な方にきもちよく」というような言葉かけで、やっていけるならば、それは「症状疾患をかかえたからだ」の方ではなく、「比較的元気で動ける人」なのではという推測が成り立ちます。

 

つまり、コンディションがいい人、元気で動ける人に対してやっているということです。また、身体能力の高い、スポーツ選手のコンディショニングならば、何とかなるかもしれません(が、操体としては成り立ちません)。

 

操体の臨床は、「診断・分析(動診)」があって、「治療・操法」があるからです。

最初から「きもちよく動け」という言い方自体が、診断分析と治療・操法の順番をごっちゃにしているのです。

 

「きもちよく動け」というのではなく、「ある動きを試す(動診・診断)」「その動きの中に快適感覚の有無をききわけ、快適感覚があればそれを味わう(操法・治療)」

 

というのが「快適感覚をききわけさせる」操体です。

 

そもそも、ここを間違えるので

「どちらがきもちいいですか」←迷走分析(第一分析と第二分析の混同)

「わかりません」

「それでは、きもちよさを探して(色々動いて)」

被験者色々動いてみる

「これ、きもちいいでしょ」←一番よくない問いかけ方

「わかりません。きもちよくないし、操体ってわかんない」

 

という、黄金の?パターンが繰り返されるわけです。

 

とにかく「楽(な動き)」と「快(適感覚)」の違いを明確にし、この二つ、つまり第一分析と第二分析の違いを明確にしなければ、皮膚(第三分析)、第四分析、第五分析への理解は進まないのです。

 

被験者が「楽」と「快」の違いが分からなくても、それを導くのが操体の操者の役目です。

「楽か辛いか」という第一分析だけで行くなら、別に違いがわからなくてもいいのですが、第一分析をやっているのに、第二分析の「きもちよさ」という言葉を使うから、臨床がヘンになるのです。これを、迷走分析、と言います。

 

なので、操体以外に、色々な手技療法を取り入れてみたりすることになるのです。

20160814東京操体フォーラム実行委員勉強会。

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★涼むシモン君。

 

第二日曜の朝8時から12時は、東京操体フォーラム実行委員勉強会です。

これは、クローズドな勉強会で、最新の情報交換と、実行委員の臨床の質の向上を目的としています。

 

実際に操体臨床に携わっているメンバーが学びを深めるためでもあります。

 

今日も、皆が言葉を失うくらいのすごい変化を目にしました。

 

連動の理論にも変化が訪れました。

 

これはすごいことです。

 

操体の概念が変わるんです。