操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

操体臨床見学の巻。

夏期講座二日目。

私自身も、師匠である三浦先生の臨床を見学することはあまりないのですが、今日は、講習の際に、臨床を見学することになりました。

 

受講生にとってもいい勉強になりますし、

 

★こんなチャンスは滅多にありません(定例講習の受講生もそんなチャンスはありません。今回参加なさった方々はラッキーというか、この患者様に御礼、ですね)

 

また、最近、私のところにはPT(理学療法士)の方が講習や施術を受けに結構いらっしゃるのですが、三浦先生の患者様は(今日が二日目)奇遇にもPTの方でした。

仕事中、脳性麻痺の患者さんを支え損ねて、肩を痛めてしまったのだそうです。

 

治療の最中に、激しい無意識の動きが起こったり(本人もあとで驚いていました)、手が肩まであがったり・・・。

 

いい勉強になりました。

ありがとうございます。

 

 

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ひかがみの触診

今日の午後のラストは『視診触診』。

 

三浦先生にも登場頂いて、ひかがみの触診。

ひかがみの触診」にも、「作法」があります。

形が美しいということは、ちゃんと出来ている(からだの使い方、動かし方ができている)ということ。

 

ひかがみの触診」で、その人の『操体のレベル』がわかります。

 

 

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「操体です。整体じゃない」

私達が名刺を出したり、何をやってるかお話すると

 

殆どの確率で、

 

操体?整体じゃないんですか」と、聞かれます。

 

私の講習の受講生で「操体、っていってもわからないから、「整体」で、広告を出せば」と、言われた人もいます。

 

操体は、いいところを動かす。整体は、悪いところを動かす」と言ってもいいのですが、「整体は、他力的」「操体は自力的」、あるいは「整体はセンセイ主導、操体はからだが主導」と言ってもいいでしょう。

 

とにかく「人様のからだに触れる」というのは同じですが、操体と整体は全く違うのです。

 

まあ、受けてみればわかります。

 

また、もう一つ。何度も出していますが、消費者庁ニュースリリースにもあるように、カイロ、整体、リラクゼーションサロンでは、事故が起きています。

 

http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_170526_0002.pdf

 

私は、操体を学んで、またはやってきて25年になりますが、周囲を見ても、事故などは起きていません。

 

★刺激にならない皮膚への接触や、快感を伴う足趾の操法ですから。

 

そして、整体は、施術者の数だけセオリーがあります。

(整体、と言う言葉を作ったのは、野口晴哉師だと言われていますが、現在の「整体」は、国家資格を持っていない人が、骨格矯正をやる場合の総称になっており、野口師の系列は「野口整体」と言っています。現在出回っている「整体」は、野口先生の整体ではないのです)

 

現在市中に出回っている整体≠野口整体 と思って下さい。

 

★昭和の時代は、整体協会(野口整体系)から、橋本敬三先生に、難症の患者さんを紹介とかしていたようです。

 

また、整体は「○○にはどこそこを治療」というのが整体(野口整体もそんな感じ)ですが、

 

操体には「○○に効く操法」というのはありません。

 

★本などを売る場合には、商業出版ですから「腰に効く」とか書かざるを得ない場合も、勿論あります。

 

しかし、基本的には、ありません。

 

操体は、どれ(どの操法)をやったらいいかわからない」と言われますが、それを勉強するのが、操体の勉強です。

診断・分析の勉強です。

 

 

操体は、橋本敬三という、明確な創始者がいます。

我々は、橋本敬三医師の、哲学や生命観を学びます。

 

この辺りはあとで一覧表にしたいと思います。

 

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★講習中の三浦寛師匠。

 

また、整体院をやっていて、操体を習い、その後、屋号から「整体」を外す人も数多くいます。何故かというと、整体と操体の違いがわかると「整体」と名乗るのがイヤになるから。

 

 

 

今日の講習(足趾と定例)8月6日

被験者(患者様、受け手)に、痛みや不快感を与えることなく、さらには「きもちよさをききわけ、味わう」というプロセスを踏んで良くなるのが、「操体の快」のメリットと言えます。

 

また、被験者が「強烈な快適感覚」を味わっていると、それは操者にも伝播します。
操者もきもちよさを味わい、一緒に調子が良くなってしまう、というのは、操体ならではと言えましょう。

ミラーニューロンで考えると、被験者に痛みや不快感、恐怖感を与えると、それは、治療者、施術者にも伝播するのは当然と言えます。

 

 

今日の午前中は「足趾の操法®集中講座」。

今日は数日前からギックリ腰寸前で色々アリの、東京操体フォーラム相談役のK師匠を被験者に迎え、足趾の操法で、どれだけ変わるか、ということを試しました。

K師匠、ご協力ありがとうございます。

 

最初に、いつから、どんな具合なのか、話を聞きます。

それから、触診に入りますが、ひかがみ(膝窩)は当然として、頸部触診や手の擦診(さっしん)を行います。下肢の腓腹筋、全てに圧痛硬結があります。

 

操者役のT君は「足趾が気になる」と言うので、その辺りもチェックします。

この「気になる」というのが大切です。

操体で大切なのは「直感と応用力」です。

 

よく、最初につま先上げをやって、次に膝倒しをやって、次にカエル足をやる」のように、パターン化している場合があります。

パターン化は、確かに覚えやすいし、教えやすいのですが、例外には弱いのです。

例えば、うつ伏せになれない場合、躓いたりします。

基礎が分かっていれば、大胆なアレンジも可能ですが、基礎ができていないのに、適当に色々行き当たりばったりでやるのとでは、全く違うのです。

 

★足趾の操法®と渦状波®で、痛みのある腰に触れずに、遠隔的にバランスを整えます。

 

★足趾の操法のみでも、相当の改善がみられました。

勿論、快適感覚を伴っています。

 

結果。「とても軽い」とのことでした。また、瞬間的に深い眠りに入るので、睡眠不足の解消にもよかったようです。

 

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午後は「定例講習」。介助法補助法のチェック。

介助補助は、ミリ単位の接触になります。

ほんの数ミリずれても、上手く決まらないこともあります。

 

これが、正確にできるようになると、介助補助がバッチリ決まります。

 

 

「女の機嫌の直し方」「なぜ与太郎は頭のいい人よりうまくいくのか」

読書です。

 

 これ、女性と接する機会(会社とかもですよ)が多い男性、また、男性の気持ちがわからない、という女性に読んで頂きたい。

東京操体フォーラム実行委員、半蔵さんのイチオシです。

 

 

 

 こちらは立川談慶さんの本。談慶さんの本は結構読んでいます。

帯に「電通ではなく便通」とあり、そこから爆笑です。

 

 これは面白かったので、お薦めです。

21世紀の操体を学ぶ。

2017年操体プレミアム・ベーシック夏期講座は8月11日、12日の二日間開の開催です。

 

「ここを押さえておけば、操体臨床を理解できる」というキモの部分、
操体を勉強していると、ここでつまづく箇所がわかります。

 

blog.teizan.com

操体ベーシック講習」を初めて結構長いのですが、

その昔は「操体ベーシック講習を受ければ、操体ができるようになって、メシが食えるんですか」(一日の講習です・・)という人がいました。

私も「ええっ」と驚きました。

できるわけないじゃん。

★さすがに最近はいませんけどね

 

そして「操体法治療室」の今先生のパートを読んで

操体って簡単そうだから」と言って、受けに来た人もいました。
(確かに簡単そうに書いてあるような気もしないではないですが、そんなものではありません)

その人は「そんな簡単っぽいことに、何万もお金をかけるのは勿体ない」みたいなことを言って、二度と来ませんでした(汗)。

★「健康体操」的にやってる人の本音はこんなところかも。

 

なお、人間の身体は1995年くらいから、変わってきています。それまで「実」だったのが「虚」になってきたのです。陰陽の時代で、陽の時代から陰の時代に入ったこともあります。

バキバキ、ボキボキ、強圧のところは減り、優しくソフトな施術が増えていることからも、わかります。

 

橋本敬三先生の時代(万病を治せる妙療法)は、楽な方に動かして、瞬間急速脱力、でもよかったのですが、今はそれでは対処できません。

症状疾患が、メンタルの問題も含めて、複雑化しているからです。

 

と言っても、今、一般の方が操体に興味を持つと「万病を治せる妙療法」「操体法の実際」というような、農文協から出ている本を読むことになります。

 

これらは、操体が「楽か辛いか」という第一分析時代に書かれた本で、その後の「快適感覚を聞き分け、味わう」という第二分析はカバーしていません。

 

しかし、読者は「操体って快だよね」という期待を持って読むのですが、

いかんせん「楽」(楽、は、どっちが楽ですか、つらいですか、と二方向に動かして、一つ選びます。二者択一です)を書いてある本です。

 

操体で快をききわける場合は「どっちがキモチイイか」とは、聞きません。

もしも「どちらがきもちいいですか」と聞いている人がいたら、それは、言葉だけ「きもちいい」を使っているケースです(多いです)。

 

そして、私は農文協の人に「操体って、きもちよさだって納得できますか」と聞いてみましたが

 

「わかりません」と言っていました。

 

当然です。「万病」では「快適感覚を、聞き分け、味わう」ということは書いていないからです。

 

そして、多くの操体実践者が「快」と言いながら、実は「楽」を通していたり、「快」と言いながら、本人が「快」を味わったことがないというケースが多いのも、事実です。

 

私はこの辺りをしっかり伝えたいのです。

自分も、楽と快の違いがわからなくて、苦労しました。
違いが分かった、体得した時は、驚いたものです。

 

なので、操体を学んでいく上で、ぶつかる壁、ひっかかりどころがよく分かるのです。

 

また、私のところには「操体の短期講習を受けた」という人が数多くいらっしゃいます。

話を聞くと、残念ながら、その指導者ご自身が「楽(な動き)と快(適感覚)」の違いがわかっていなかったり、セオリー的にとんちんかんなことを教えていたり、

または「般若身経」(操体やってて、これを知らなかったらモグリです)をすっとばしているとか。

 

これは、操体を長らく勉強している身にとっては、とても残念なことなんです。

 

というわけで、操体臨床家への登竜門。9月開講です。

 

2017年操体法講座開講のご案内 | 操体 三浦寛 人体構造運動力学研究所