操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

東京国際仏教塾 専門課程 曹洞宗 2017年12月2日

12月になり、二回目の修行がやってきました。

今回は「絶対寒いだろう」と、ヒー○テック極暖とかヒート○ックの靴下とか、全身ヒー○テックでフル装備の上、裏フリースの作務衣で参上することに。

 

私事ですが、ねこの真魚(まお)ちゃんが11月25日に去勢手術をしまして、術後の抗生物質でお腹を壊し、胃炎になって、修行の二日前から吐くわご飯は食べないわ元気はないわ、極めつけは赤いモノが混じった液体を吐くわで驚愕し、修行の前日、病院へ連れて行きました。点滴を打って抗生物質と胃酸を押さえる薬を入れたりしました。

 

★お陰様で元気になって、「弾丸小僧」「キングオブ面倒くさい」となり、体重も元にもどりつつあります

 

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★京成線車中からみる我が母校。私のいた頃は高層ビルじゃなかったんですが、今は高層ビルになっています。

 

 

なお、我々が今回修行の場としている「勝胤寺」は、千葉勝胤(戦国武将)が立てたお寺です。亨禄5年(天文元年、1532年)の建立です。

http://www.geocities.jp/sakura_hiking/1_spot/shoin_ji/spot.html

 

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「勝っタネ!くん」のモデルだそうです。

『勝っタネ!くん』の紹介 | 酒々井町ホームページ

 

古い時代の勝胤寺の写真と勝胤について

 

わたくし、知りあいで「千葉一族の末裔」(世が世なら殿様)という人を知っていますが(勿論千葉にお住まい)。。

 

さて、私は早めに着いたのですが、熱心な同門の皆さんは、既に木魚を叩きながら般若心経の練習をしています。

★単に読むのと、木魚と鏧子(けいす)を同時に操るのは、いわば、ドラムを叩きながら歌うようなものだと思って下さい。

 

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鏧子(けいす)ってこれです。

 

午前中の最初はお経を読みます。だんだん慣れてきます。

消災妙吉祥陀羅尼などは前回に比べるとスピードが早くなっています。

 

次は、前回に続いて「修証義」の勉強です。まずは二章三章を皆で読み、

細かく読み解いていきます。

 

お昼は自分で買ってもいいのですが、私自身は「出されたものを食べる」というのが
なんだか修行っぽいので、セブンの「和風幕の内」を頼んでいます。

午後は再び「修証義」。

最後は坐禅です。

先生のお話によると、駒沢大の学生で「坐禅をしたその日は、人の話が良く聞こえました」という人がいたそうです。

なるほど。

 

さて、ざっくりですが、この日の夕方は、先生を囲んで、成田駅前で忘年会がありました。

 

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雰囲気のいい居酒屋での忘年会でした。

 

「そもそもなんで『仏教塾』に入ったのか」

「私なんか、仏教塾のパンフレットが届いた時、母親から『あんた、なんか変な宗教に入ったんじゃないでしょうね』って言われました」

「あるある~」などなど。

 

皆さん、ありがとうございました。

 

私は明日早いので、ワイン一杯とビール一杯にしておきまして、
帰路についたのでありました。

死生学入門(2)

2017年11月24日、秋季東京操体フォーラムの翌日は、鶴見大学生涯学習センター設立20周年記念セミナーである「死生学入門」の二回目です。

 

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二回目の講師は、鶴見大の元学長、木村清孝先生です。「華厳思想」「東アジア仏教」が専門で、天草の出身だそうです。有名な先生ですね。よく響くお声での講義でした。

 

タイトルは「無常のいのちとそれを支えるもの」。

 

今回は、PPTではなく、シンプルな1枚のプリントの資料です。

 

はじめに

  1. いのちの無常
  2. いのちの実相
  3. 何がいのちを支えるのか

おわりに

 

無常、はすなわち「死」をあらわします。

木村先生は、有名な「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」(平家物語)を引用なさいました。

 

そして「確かにそうだな」と思ったのは、現在におけるペットの存在の話です。

家庭で死を迎える人は、少しずつ増えているそうですが、例えば最近の子どもや少年少女にとって、「死」というのは「遠い」存在です。

 

昔は、家で最後を迎える祖父母など、「死」は身近な存在でしたし、葬儀も家でやるのが普通でした。

 

今、それに変わっているのがペットの死なのだそうです。

 

確かにそうかもしれません。育てて、可愛がって、一緒に大きくなって、見送る。

(子どもの場合、世話をするのは結局お母さんになるみたいですが)

 

さて、木村先生の講義の中で、私がメモしたことを書き出してみます。私の個人的なリマインドです。

 

無常=死

ペットの死→身近な死。肉親の死が遠くなり、ペットの死が近くなっている。

「苦」。仏教でいう苦は、自分の思い通りにならないことを言う

 

無常を自己の問題としてみる

縁起的存在としての自己 → 自分のひとかけら。他者としてあらわれた自分

「一中十、十中一。一即十、十即一」(華厳五教章 抄出)★意味は「個と全体は一体的である」「根本的なつながり」「すべてのものの中に私のはたらきがある」

 

煩悩。消すのではなく、コントロールする

有為 つくられたもの(有為、には「役に立つ」などという意味もある)

花。今は花と言えば桜だが、昔は花と言えば梅だった。

 

 

 

 

操体法東京研究会定例講習(途中参加について)

最近「操体法東京研究会の定例講習に参加したいが、来年まで待たないとならないのか」というお問い合わせを受けることがあります。

 

操体法講座開講のご案内 | 操体 三浦寛 人体構造運動力学研究所

 

最近の指導ですが、最初に座学に集中するというよりも、最初から先輩方の動きや作法を間近にみて、受けて、やってみるという実践的な方法に移行してきたように思えます。

 

そして、習得期間が15年前に比べると、ここ二年くらいは「第五分析」の登場で、「ぐぐっと」短縮されたような感じがします。

 

操体法東京研究会の定例講習は、ご希望があれば途中の参加も可能です。

また、視診触診など、手技療法の基礎に自信が無い方は、第三日曜の午前中、畠山による視診触診講座もありますので、ご相談下さい。

 

なお、操体法をはじめ、手技療法というのは「職人技」と同じです。

「早く始めれば、始めるほど、よい」のです。

 

特に、仕事、生業としたいのならば、さらに、です。

 

また、ある程度の年齢を越えたら、習得には時間がかかると思って下さい。職人と同じです。かといって、あきらめないで下さい。慌てて手っ取り早くやろうとせずに、じっくり学んで操体臨床に臨んでいるover60の方もいらっしゃいます。

 

基本的に、年齢を重ねた方で、国家資格を持っていない場合(手技療法は全くのアマチュア)の場合は、

 

  • 操体の講習
  • 視診触診問診法、コミュニケーション
  • (特に男性の場合)触れ方の基礎とマナー(これは非常に大事ですが、男性の方で、アマチュアの方は、全く気がついていません)
  • 足趾の操法

 

これくらいは押さえておけば、スキルは身につきます。

 

「習えば一人前になれる」というわけではなく、「人に触れる仕事の基礎」「コミュニケーション」「保険やリスク管理」「資格」「営業形態」など、色々な問題があります。

 

操体法東京研究会のバックには、一般社団法人日本操体指導者協会があり、操体実践者の地位向上やスキルアップのサポートをしています。困った時、アドバイスが必要な場合などのヘルプもあります。

 

今からでも遅くありません。

 

操体は一生のスキルです。

めんどくさい、と易占。

昨日無事に東京操体フォーラムが終わりました。

朝9時半から夜9時までという長丁場でしたが、内容の濃いフォーラムでした。詳細は追ってお知らせいたします。

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ちなみに、わたくし先週から「めんどくさい」というのをやめるようにしています。

というのは、

あまりに「めんどくさいこと」「めんどくさいヤツ」「めんどくさい作業」が多く、

 

ついつい

 

「あ~。めんどくさ」と言ってしまうのです。

 

修行が足りませんな。

 

「うわ、この忙しい時になに言ってるんだろ。めんどくせ~ヤツ!」

(これに「てやんでぇバーロー、チクショー!」とか加わることもある)

はい、わたくし江戸っ子仕様なもので。。

 

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おそ松さん、第二シーズン始まりましたね。

 

とりわけめんどくさい(笑)のが、猫の真魚(まお)君です。

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今はもっと大きくなって4キロもあります。

可愛いんですが、とにかく「キング・オブ・めんどくさい」としか言いようがありません。しかし、可愛いからいいとします。

 

 

 

さて、ある筋から「業務上嫌がらせ&妨害を受けている」というご相談がありました。

 

嫌がらせではなく、すでに犯罪の域です。

 

まあ、犯人は分かっているそうです。手も打っているそうです。

 

そこで「見当はついてるんだけど、今、そやつはどうなの?どんな感じなの?」

というご相談を頂きました。

 

易占

 

いやがらせをしてくる人について

 

出たのは「沢水困(たくすいこん)初爻」

 

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うわ。沢水困初爻って「ドツボにはまって三年は出られない」という「四大難卦」の一つではないですか。人に嫌がらせとかしてる場合じゃないのでは。。。

 

 

望むところが実力に見合わない
状況が常に変わっていて、その度に悪化
やっていることは早く断念せよ

困難の極みにいる
困難窮乏の極みにおり、心身共に不安定
何とかしようと動きまわると、余計に穴に落ち込む。
商売(開業に関しては破産する)
どんな輩かというと、「どうしようもなく困っている人」
旅行凶。勝負はやめたほうがいい

 

そして初爻なので之卦が兌為沢(だいたく)になります。

 

これは「あんまり深く考えないで行動を起こしています。
之卦なので色々考慮しても「思慮が浅い」「知恵を絞って色々考えているようでも実は頭が働いていない」「色々な意味で自粛したほうがよい」

 

補足です。易の先生方にも鑑ていただきましたが、之卦の「兌為沢」には、「ぽっきり折れる」とか、重荷から解放されて楽になる、などの意味があるようです。罪状がばれて、捕まるのかもしれない、という話もありました。

 

また、四柱推命九星気学の先生がいたので、そちらにも聞いてみましたが、

「なるほど~」という感じでした。

 

 

 

まあ、嫌がらせとかそういうことはやめたほうがいいよ、っていうことですよね。

で、こういうヤツを

 

「めんどくせ~やつ」というのですな(ははは)

頸椎の調整 (視診触診講座)

今日の視診触診は、操体のテクニックで言えば、最高峰??とも言える「頸椎の調整」をやりました(コレ、大好きなんですけどね)

 

これは、初心者や、好奇心旺盛で迂闊に人に試しそうな人(手技療法の恐さを知らない人)がいる場合は「絶対」やりません。

 

中には「見るだけで、試しちゃダメ。ちゃんとできる時になったら、教えるから」と言っても、やる人がいるからです。

 

今日の参加者はベテラン揃い(面白いのですが、ベテランほどしっかり勉強に来ます)だったのと「首が回りません」というメンバーがいたからというのもあります。

 

★限られた人以外には「封印」しています。

 

これは、上手くいくと「スコーン」という感じです。

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「万病を治せる妙療法」より。

 

橋本敬三先生がNHKの番組の中で、患者さんの首の調整を「めちゃくちゃ簡単そう」にやっています。

 

また「万病」の173〜4ページに「寝違え」として、こちらもさも簡単そうに書いていますが、実際は簡単ではありません。ポイントは、頸部にかける介助の「場所」と「方向性」です。

この辺りを理解せずに、素人がやると危険です。操体は危険なものではありませんが、
操者の無知や無理解は危険です

 

(「万病」をよく読むと『素人はやらないほうがいい』と、何箇所か出てきます。実際、やらないほうがいいものもあります)

 

「牽引し」と書いてありますが「瞬間脱力」した後に、牽引してはいけません。
とっても危険です。

 

「万病」に書いてある操法は全て検証していますが、第一分析でも第二分析でもイケます(私達は、第一分析を否定しているワケではないのです)。

 

しかし「万病」はあまりに「ザックリ」なので、実際の臨床に用いるには、補足が必要です。橋本敬三先生は、人体の運動や構造には詳しい上に、ドクターです。基礎の基礎や触れ方、注意などの「プロなら知ってて当然」のことは書いていないのです。

 

>「牽引し」と書いてありますが「瞬間脱力」した後に、牽引してはいけません。

こういう細かいことを、守ってやっていればいいのですが。

 

というわけで「視診触診講座」では、こういうことを含めて色々やっています。

 

視診触診と言っても、畠山の「ミドルコース」(プロ向け講習)とほぼ同じなんですけどね。

 

 

死生学入門(第1回)

今年の4月から、東京国際仏教塾で仏教の勉強をしています。

www.tibs.jp

(11月頃から来年の募集要項が出るハズ)。

 

前半は基礎講座ですが、後半は専門課程に入ります。

お伝えしているとおり、私は曹洞宗にしました。

 

shogai.tsurumi-u.ac.jp

 

今回、曹洞宗でお世話になっている、中野東禅先生のご縁で、鶴見大学生涯学習センターの開設20周年記念企画である「死生学入門」を聴講することにしました。

 

鶴見大学は、鶴見にあります。

鶴見にあるのは、曹洞宗の両大本山の一つ、總持寺です。
そうなんです。鶴見大学というのは、曹洞宗系の大学なのです。

 

全3回で、三回目は中野先生の講義です。良寛さんの本や、座禅関係の本を多く書いていらっしゃいます。 

NHK「100分de名著」ブックス 良寛詩歌集―「どん底目線」で生きる

NHK「100分de名著」ブックス 良寛詩歌集―「どん底目線」で生きる

 

死生学と言えば、我々操体を学ぶ者は、橋本敬三先生の死生観も学びます。

というわけで、道元さんが結構好きで、死生学に興味があるということで、三浦先生をお誘いしました。

 

鶴見えk

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鶴見大の生涯学習センターは、バスターミナルの近くにあります。
非常に立派な建物です。

 

第一回目は、鈴木岩弓先生の講義でした。
東北大学の先生です。私自身、東京生まれではありますが、宮城県人のDNAを受け継いでおり、そういえば、三浦先生も宮城の生まれでした。
先の震災は、鈴木先生の定年後(現在65歳だそうですが、60歳からの五年間)をがらっと変えてしまう出来事だったそうです。

「死者と生者の接点」というのが、今回のテーマです。

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実際に私の家などは、自宅近所のお寺に父が入っていますが、出戻り子どもなしで再度ヨメに行くつもりはない私で、墓を守る人がいなくなってしまいます。永代供養にしてもらってもいいし、私自身は散骨でもしてもらえばいいので、墓はいらない派です。

 

先日、千葉のお寺で、最新式の納骨堂システムを見学しました。

味気ないと思うでしょ?ところが、綺麗だし明るい感じだし、水が流れているし、お花はいつも綺麗に飾られていて、すごくいいんですよ。

一緒に見学していた東京国際仏教塾の塾生の皆さんも「こりゃいいな〜」と言っていました。

 

などと、自分のことを考えたりして。

 

「何故、お墓に行くのか?」というのは

「そこに、死者(霊)がいるから、会いに行く」のです。

仙台の葛岡霊園に、橋本敬三先生(というか橋本家)のお墓があります。
お墓参りに行くと、三浦先生は「先生(橋本敬三先生のことです)、また来たよ」と、語りかけ、橋本敬三先生がお好きだったタバコを供えます。

墓に語りかけ、タバコを供える。

死者と生者との交流です。

 

鈴木先生の講義ですが、東北の先生らしく、先の震災の話とか、河北新報とか、宮城県内の話題とか、身近なものが多く、大分感情移入して聞いていました。

 

最後の質疑応答では「霊に憑かれたことはありますか」という質問が出ましたが、

震災後、石巻の海岸付近(真っ暗)を車で走っていて、ナビをつけていたにもかかわらず、高速の入り口を過ぎて、海岸沿いに出た時は「誰かに呼ばれてるのかも」と思った、という話は、石巻近辺で、タクシーの運転手にリサーチをした、東北大の学生さんのレポートを思い出しました。

 

そして、最後に鈴木先生が「みんな行っても、誰も帰ってこないってことは、いいとこなんでしょうね」と仰いました。

 

それそれ。

それって、橋本敬三先生がおっしゃっていたことです。

「みんな行くんだから、きもちいいところにちがいない」

 

次回の講義もたのしみです。

 

会場では、東京国際仏教塾で,曹洞宗を一緒に勉強しているAさんと会いました。
Aさんと、会場にいらしていた中野東禅先生にご挨拶しました。