操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

手のかけ方、操者のポジションを学ぶ。

操体関係の本で一番売れているといえば、

 

万病を治せる妙療法―操体法 (健康双書ワイド版)

万病を治せる妙療法―操体法 (健康双書ワイド版)

 

 だと思います。しかし、この本の残念なところと言えば、イラストで細かいところがよく分からないということです。つまり、明確に描いていないので、実際どのように手をかけるのか、ということは、読者の推測によってしまうということです。

 

実際、イラストを見ると「これは違うぞ」というものがいくつかあります。

 

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これは、操体操法の中では有名な?「膝の左右傾倒」です。

イラストでは女性がミニスカをはいているというのは置いといて、操者の手です。

あまりにも大雑把なので、これを見て操法をやってみる場合、見た人のスキルというか、眼力というか、その辺りに頼るしかありません。

 

と言うわけで、今回の「GWプレミアムベーシック講習」では、足関節の背屈(巷では「つま先上げ」という方もいます)、膝の左右傾倒、伏臥膝関節腋窩挙上(世の中には「カエル足」という方もいます)、下肢の押し込みと引き込み(世の中には、かかと突き出しいう場合もありますが、厳密に言うと、踵の突き出しと、下肢の押し込みは、連動が違います)など、第一分析ではありますが、どこに触れてどこに介助を与え、操者はどこに位置するか、などのポイントを、新たな(第五分析)のエッセンスも入れてッ指導する予定です。

 

 

もっと言えば、いわゆる「基本」(上記最初の3つの操法)を練りあげて、これだけでも顕著な変化を得られるようなことをお伝えする予定です。

指一本のかけ方によって結果が違ってきます(信じられないけれど、本当です)

 

2018GW操体プレミアム・ベーシック講習のお知らせ - 操体法大辞典

 

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操者(施術者)が、からだを壊さない秘訣。

いかなる手技療法にも応用できる「からだの使い方、動かし方」。

施術者がからだを壊さない方法。

それは、テクニック云々以前の問題です。いくら腕が良くても、自分のからだが壊れてしまっては元も子もありません。

 

GWの操体プレミアム・ベーシック講習でその「コツ」学んでみませんか。

末永く元気で現役で活躍するには「からだの使い方、動かし方」が必須です。

 

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以前鍼灸師の方から聞いた話です。

 

鍼灸の学校を出て、治療院に就職したのですが、指圧やマッサージをすると、とても疲れるのだそうです。先輩からは「手を一回壊して一人前」と言われ「慣れてくれば疲れなくなるよ」と言われたのだそうです。

 

指圧師の方にも「親指を一度壊して治ったら一人前」と、聞いたこともあります。

 

これは逆ですが、ある手技療法関係者から(勿論操体ではない)「大声は言えないけれど、患者(お客)を一度壊すくらいのことをしないと一人前になれない」という話を聞いたことがあります。

 

また、私も色々な整体や手技療法関係者に話を聞いたことがありますが、「施術者のテクニック」には腕を磨いているけれど、施術者自身の「からだの使い方、動かし方」について、習ったという話は聞いたことがありません。

 

多分、経験を積むうちに、からだの上手い使い方を自然に体得するのでしょう。

 


他の他力的手技療法と操体の違いの一つは、

操体法は、操者自身もからだの使い方、動かし方をマスターしているため、
からだを壊さない」

ということが挙げられます。

 

例えば、足趾の操法®ですが、最初は30分やってへとへとになりますが、からだの使い方、動かし方(その他秘伝あり)を体得すれば、4時間通しでやっても大丈夫です。

 

これは、からだの使い方、動かし方が法則(ルール)に則っていれば、
「運動効率がよく、疲れにくく、フォームが美しく、心身が安定(平静)」になる、ということです。

 

操体を学ぶには、まず、今までのからだの使い方のクセをリセットする必要があります。それまでの人生で、少なからず何らかのクセを抱えていることがあるからです。

 

昨年6月、東京国際仏教塾の修行で、鹿野山禅研修センターに行った時のことです。

 

坐禅堂に移動する時、長い渡り廊下を渡ってゆきます。

その際ですが、集団で歩く時、ドスドス・・・と凄い音がします。

 

私は夜、誰もいない時に、渡り廊下を「操体の作法」に従って歩いてみました。

音はしませんでした。

 

ku-kai-movie.jp

先月、この映画を観ました。空海役の染谷将太さんが「空海の歩き方を工夫した。フワフワ歩いているような感じ」のような事を言っていました。

もしかすると、この歩き方かもしれません。

 

また、私の禅の先生である、曹洞宗中野東禅先生に聞いたのですが、色々な宗派のお坊さんが集まって合宿をした際、日蓮宗のお坊さんから「曹洞宗の坊さんは、どうして歩く時にからだが揺れないのか」と、聞かれたことがあるそうです。

これは「作法」が身についているからでしょう。

つま先から指先、頭のてっぺんまで、気を遣って意識を置く。

 

歩く時ドスドス音がしない。フワフワっと歩く、からだが揺れない。

 

これらは、全て操体の「からだの使い方、動かし方」で対応できます。

 

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連動を「GW操体プレミアムべーシック講習」で学ぶ

 早いもので、連動を説明したこの本が出てから10年以上経ちました。

私は三浦先生がこの本を執筆している最中からお手伝いをしていたのですが、

橋本敬三先生の本にも「全身形態は連動する」と書いてあるくらいでした。

 

そして、橋本敬三先生は、三浦先生に「実は腰からではなく、末端から動く」というヒントを下さったのだそうです。

 

そしてそして「からだの動きは8つっきゃない」という橋本敬三先生の言葉に従って、

関節の動きを8つ、解き明かしたのがこの本です。

 

末端関節からの全身形態の連動(自然な連動)を解き明かしたのは、すごいことなのです。

 

この本、韓国で韓国語の海賊版が出たりしたんですよね。

 

私達操体臨床家は、この連動が頭に入っているので

 

どの動診(操法)を選べばいいのか、瞬時にわかります。

 

「どの操法を選べばいいのか」というのは、なかなか重要な問題です。

 

 

※「基本操体」とか言って、最初に足関節の背屈、次に膝の左右傾倒、次に伏臥膝関節腋窩挙上などをパターンとしてやるのとは、違います。

(パターン化すると、例えばうつ伏せになれない人はどうするの?という話になってきますよね)

 

なお、操体関係者は最初「患者の動きはみんな違う」と言っていました。

ところが、しばらくすると、例えば「仰臥膝二分の一屈曲位で、膝を左右どちらかに傾倒すると(ボディにゆがみが無い限り)首は膝と反対側に倒れる」というセオリーを、操体関係者(コンサバティブな方々)も取り入れはじめました。

 

また、最近は操体関係者(コンサバティブな方々)も、「目線」の効用を認識してきたようです。

操体法入門 足関節からのアプローチ

操体法入門 足関節からのアプローチ

 
操体法入門―からだの連動のしくみがわかる 手関節からのアプローチ

操体法入門―からだの連動のしくみがわかる 手関節からのアプローチ

 

さて、最初に

操体関係者は最初「患者の動きはみんな違う」と言っていました、と書きました。

それは何故かというと、ボディにゆがみがあると、自然な連動にならないので「動きはみんな違う」ということになるのです。

または、ヨガとかボディワーク系をやっている人だと、くねくねとか妙な動きをしたりします。これは連動というよりも「無意識の動き」というべきでしょう。

 

さて、この「全身形態の連動」ですが、第五分析の誕生と共に、進化を遂げました。

(まだ書籍にもなっていませんし、公にも発表されていません)

 

もう「第五分析」というのは、驚きとしか言いようがありません。

 

操法の数が減り、よりシンプルになったのに、変化が早い」のです。

 

さて

 ちなみに、フォーラム実行委員のT本君がコンビニで見つけたといって、この本を紹介してくれました。

完全版 寝たまま肩甲骨はがし

完全版 寝たまま肩甲骨はがし

 

 コンビニ、600円、「たった10秒で効く」。

600円なら買うかもしれません。主婦がコンビニで見かけて買う。そういうパターンですね。

さて、この本ですが「自力整体」をやっている方です。

自力整体の創始者の矢上さんって、その昔(私の記憶では2000年の仙台での全国大会には参加していた)、全国操体バランス運動研究会にも出席していた記憶があります。

 

操体は「自力自療」がコンセプトの一つでもあります。

また「(お金をかけずに)自分でできる」というのはやはり人気があります。

 

それはさておき、最近「肩甲骨はがし」って結構流行っています。

 

そしてこの本なのですが、面白いことに、殆どが「膝二分の一屈曲位での膝の左右傾倒」のバリエーションです。

 

なんだか三浦先生の本で見たことがあるポーズを、分断してやっているという感じです。

この表紙のお姉さんも、首が左に向いて、上腕が内旋(つまり左肩が上がり、肩甲骨は下がる)ので、「ベリベリはがす」となっているわけです。

 

あきらかにこれは、操体における全身形態の連動を参考にしていると思われます。

(自力整体の創始者さんが、バラ研に来ていたのだから、三浦先生の本を読んでいるというのは当然と言えば当然です)

 

さて、今年のGW、例によって「GWプレミアム・ベーシック講習」を開催致します。

 

2018GW操体プレミアム・ベーシック講習のお知らせ - 操体法大辞典

 

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昨年の秋に開講した三浦先生の受講生は、昨年のGWの講習の受講生が殆どでした。それくらい面白かったのだと思います。

 

プレミアム・ベーシック講習では、この「全身形態の連動」についても時間を割いて説明する予定です。

 

「全身形態の連動」をまず体現できるようになる必要がありますが、本を読んだり動画(YouTubeなどはあまり役に立たないと思います。わかってやっているのではないから)を見たりでは、分かりにくいのが現状です。

是非、生で実際に目でみて動かしてみて、目からウロコな気分を味わっていただきたいと思います。

 

 

 

 

 

膝を曲げる、と膝をゆるめる、の違い

橋本敬三先生は「膝の裏筋をゆるめる」とおっしゃっています。

 

操体の実践者であれば「膝を曲げる」と「膝をゆるめる」の違いを理解する必要があります。

 

全く違うからです。

 

「膝を曲げるもゆるめるも同じじゃん」というのは、プロの認識ではありません。

 

その違いを臨床に活かすのが、プロってもんです。

 

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スポーツ障害と操体。捻挫編。

2018年4月30日(月)祝日。

東京操体フォーラム開催です。

今回のテーマは「スポーツ障害と操体」です。

 

2018年春季フォーラム(速報) « 東京操体フォーラム

 

日時:2018年4月30日(月)休日(昭和の日振替)
時間:9時45分開場 10時00分〜18時00分
会場:ルーテル市ヶ谷センター会議室 
東京都新宿区市谷砂土原町1-1  

参加費用 1万円(事前申込み)
お申込フォーム
申込み締め切り 2018年4月24日(火)
4月24日以降、または当日ご参加の場合は1万1千円

 

操体で「スポーツ障害」(だけではありませんが)のうち、得意なものと言えば、膝の痛み、捻挫などがあります。

 

操体を勉強した方ならばご存知かもしれませんが、例えば左足首を捻挫した場合、我々は「左足首」には触りません。
痛いところ、痛めたところに触れずに、他の場所からアプローチするのが我々の方法です。

 

これは、例えば骨折後のケア(勿論患部には触らない)も可能です。

 

操体は二年前の二月に、楽から快に変わった以上の大きな転換期がありました。


丁度、第四分析から第五分析に変わったということです。

第四分析は「目に見えない世界・あるいは呼吸」がメインだったので、中にはついていけない人もいました(私は目に見えない世界も、呼吸も納得していますし、私自身「外気功」を指導することもあります)が、

 

転換後の操体は、非常に理論的なものになりました。

 

よりシンプルに、よりパワフルに。
操法の数は絞られました。
今まで「どの操法を選んでいいかわからない」という問題は解決されましたし、

第三分析、皮膚へのアプローチ(渦状波®)神経伝達回路などに関しても、一気に変化が起こりました。

 

勉強している我々も「へ〜」と驚いているくらいです。

 

というわけで、4月30日、お待ちしています。

 

畠山裕美拝

 

 

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師匠の名前を書けない理由。

操体を受けるのであれば、まず、その操体指導者が「誰に習ったのか」と、書いてあるかどうか確認してください。

 

よくあるのが「接骨院でセンパイに習った」(大抵は足関節の背屈)というケースです。これは第一分析か「迷走分析」(第一分析と第二分析を混同している)です。

 

そして、もう一つ。

橋本敬三先生に習った、というのは結構マユツバが多いのです。
中には電話で話しただけで習ったとか、ある方などは「橋本敬三操体を習う」とプロフに書いていましたが、三浦先生に会った時「温古堂に見学に三回温行っただけです」と、ゲロ、いや言っていました。

 

ある方はどう考えても逆算すると、当時赤ん坊だったと思うのですが「操体の手ほどきを受けた」なんて言ってます。赤子じゃなくても幼児なのでは。まあ「受けた」という自慢はしてもいいかもしれません。

橋本敬三先生が祖神の里に帰られたからと言って、結構いろんな事を言ってる人もいるのです。

 

そして「操体法創始者内弟子に習った」と書いてある場合。

まあ、創始者内弟子で現在指導をしているという人は一人しかいません。

弟子はいますが、お給料を貰っていた従業員だったり、押しかけて三ヶ月くらい温古堂に出入りしていた「自称弟子」、厳密な意味での「内弟子」ではありません。

 

これは何故習った人の名前を書けないか。

理由があるのです。

「破門された」「出奔した」「途中でバックれた」云々ということで、操体を習った人の名前が書けないのですよ。

 

きちんと師弟関係が続いているのであれば「三浦寛先生に師事」と書けるわけです。

 

また、以前「本を読んだだけで操体の講習をしている」というすごい人もいましたが、こういう人も誰に習ったか書けません。

 

ところで、

 

 久々ではありますが、この本を出したのって、11年前なんですね。
この本が出てから、操体も変わりました。変わったというのは、1999年に皮膚へのアプローチが公になり(全国操体バランス運動研究会)、「脳と神経系」が皮膚と重要な関係を持ち、皮膚というキーワードを三浦先生が出した際、多くの操体関係者は

「はあ?」という感じでした。

私は「そのうち、操体関係者は『操体ってやっぱり皮膚よね』と言い出す、と予言しましたが、その通りになりました。

 

また、最近は「目線」という話も操体関係者の間ではポピュラーになってきたようです。やっとだな。

 

「目線」「皮膚」が、やっと操体のメインストリームになりつつあるのです。

 

操体法 生かされし救いの生命観

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