操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

テニスと操体。

今日は橋本敬三先生のお誕生日です(1897年:明治30年)。

 

さて、錦織選手、すごいですね。

テニスとかは普段全く観ない私ですが、今回は驚きました。
何かって、あのラケット遣いです。
ラケットが生きてるようではないですか!!!

また、何だか顔つきも前とは違って、精悍な感じになったじゃないですか。

 

さてさて、私はテニスはやりません。

というか球技が余り好きではなく、どちらかというと、格闘技とか体操とかスケートとか、モノを使わないものがすきなもので。と言っても、テニスの選手とかスポーツ選手はよく診ます。

テニスはやはり「テニスエルボー」が多いです。

簡単に言うと親指側(橈骨側)の筋肉に異常が起こるんですが、
原因は「使いすぎ」と言われます。治療法は安静とかステロイド注射とかテーピングが一般的ですが、
調べてみると「身体運動の法則」に、背反し、拇指に力を入れてプレーすると(本来は小指側(こゆびそく)側(がわ)、中指を介して小指側側を運動作用点とするのが、人体に適っている)橈骨と上腕骨がねじれ、ということは付着している筋肉に負荷がかかり、腱がずれたりするわけですね。

要は、負荷もあるのですが、からだの使い方、動かし方に問題があるようです。

上手な人、怪我をしない人はこの辺りが自然にできているのでしょう。

 

橋本先生は、歪んだボディのままでスポーツするとからだを壊すと書いていらっしゃいます。また、運動とスポーツは違うとも。

さて、私がよく感じるのは、

操体の専門家だったら、テニスは気を付けた方がいい」ということです。

もっと言うと、西洋発祥の、伸筋メインのスポーツも、です。

何故なら、操体の基本的な動きは、武術や日本の伝統芸能に通じる「屈筋メイン」のところが多いからです(ここでは、どちらが良い悪いという問題ではありません)。

うちのフォーラムには野球やサッカーイノチ!と言うメンバーもいますので(笑)

私の知ってる方でも「操体やってますしテニスが趣味です」という方が何人かいますが、操体もテニスも「趣味程度」でという方が多いので、その辺はご容赦ください。

 

何に気を付けたほうがいいかというと、

連動の法則というものがあります。
これは「身体運動の法則」にも通じるのですが、

テニスをやる方は、ある動きができません。できませんというか、
テニスのからだになっているので、橋本敬三先生が説いている「身体運動の法則」にマッチしない動きがあるのです。

これは一人二人ではありません。

操体の講習時や、操体を受けて頂いた中で、何名かテニスをやっている、習っている、教えている、セミプロなどの方をみていると、

ある動きが表現にしくいのです。


テニスには適した動きなのですが、本来の「歪みのないからだが引き起こす自然な連動」ではないんですね。

なので「あれ??もしかしてテニスやってます??」というと、大抵当たります。

師匠に聞いたら「昔から知ってた」とのことでした。

 

操体を勉強するには、特に臨床家に必要な全身形態の連動性を会得するには

(趣味とか健康体操とかでやっているのでしたら、必要ありませんので、気にしないで下さいね)

それまで自分が持っていた、からだのクセ、スポーツのクセなどを、
真っ白にして最初から構築する必要があります。

 

よく「操体の勉強をしたいのですが、全くの初心者なので本で勉強してから講習を受けたい」という人がいますが、

独学でヘンなクセをつけるくらいなら、まっさらな状態で習ったほうがいいんです。

むしろ、ヘンなクセがつくと、直すのに、どんないい先生にかかっても、3年はかかります。

私の知ってる方は、テニスのクセが10年たっても抜けませんでした(でも継続して勉強してました。その点は偉いと思います)。

それくらい強烈なからだの使い方なんですね。

 

そう言われると
中学高校と、体育はサボってばかりいたので(フォークダンスとか球技とか集団スポーツが苦手)が10段階の4だった(しかし運動会の徒競走は殆ど1位で、ヨガは13歳の頃からやっていた)私がですね、大学の体育の授業(一年で落とすと後が大変なので、これはちゃんと出た)で、始めてテニスをやった時、先生に「クセがなくていいね」(ほめたのではなく、多分まるっきりはじめてだったからだと思う)と言われたのは、今考えると良かったのかもしれません。

今まで「操体にはこれが役に立った」というのは太極拳です。

太極拳はやってもいいですね。できれば「制定拳」がいいでしょう。よくカルチャースクールとかでやっている「楊明時式」は、年配の方でもできるように、動きや負荷を簡略化しているので、からだの使い方、動かし方を勉強するのなら、二十四式の「制定拳」がお勧めです。あと、かっこいいのは「陳式」です。

 

なお、11月22日23日の東京操体フォーラムでは、ゲストの新部健太郎さんと私が
(23日予定です)、太極拳と気功について語るかもしれません・・・

 

また、操体の講習に長らく携わっていると、末端から動きを表現できないとか、何でも腰から動いちゃうとか、いろんなクセの人がいます。
それが結構いわゆる「スポーツが得意なスポーツマン」が多いんです。

そのスポーツ固有のクセが結構邪魔をしているんですね。

 

また、洋風の伸筋をメインに使うダンスをなさる方も、独特の動きが身についているので、注意が必要かもしれません。そう言う方に、連動の動きを指導すると「何だかヘン」だとおっしゃいます。

なので、スポーツパーソンの度合いと操体への親和度は必ずしも比例しないんじゃないかと思います。

 

私が「すごい」と思ったのは、平直行さんでした。

彼は元々現役時代私のところで操体を受けており、引退後に操体を勉強したいとのことで、三浦寛先生を紹介しました。

その際、それまでの「格闘技」の動きをリセットして操体的な動きを習得するスピードというか、変わり身の早さは驚きました。現在は「サムライメソッドやわらぎ」を主宰していらっしゃいますが、からだの使い方のクセをリセットできるという人はあまりいません。

 このあたりが凡人とは違うのかもしれません。

 

正座と操体。正座ができない場合は?

武術というのは、修業の途中でやめて、師匠の元を離れて
自己流でやっていると、からだを壊すようにできている。

という話を平直行さんから聞いた。

操体もそうだ。
私はよく受講生に「足趾の操法をやる場合、ちゃんと教えるから、
習わないうちはやるな」という。

見よう見まねでやって、肩とか肘を壊すのがいるからだ。

また「壊さないようなコツ」というのは、
「めんこい奴」に教える。これは私だけではないと思う。

 

えこひいきじゃん!という輩は、我らがシマジ先生の
「えこひいきされる技術」を読むといい???

えこひいきされる技術 (講談社+α新書)

えこひいきされる技術 (講談社+α新書)

 

 

大抵、途中でほっぽり投げてどこかに逃げるとかヘタレる輩はわかる。

そういうのには教えない。というか、最初に書いたように

「自己流でやっていると、からだを壊す」ようになっているのだ。

 

昨年操体の指導にスペインのバレンシアに行った時のこと。

参加した受講生の多くは指圧学校の生徒さんだった。
その中の一人の若い男性から質問を受けた。

正座が苦手なんです。何かいい参考資料とかありませんか?

 

指圧はベッドで行うこともあるが、レッスンは基本的に正座で行う。

スペイン在住が長い方に聞いてみると、
スペインの方はわりとホルモン異常で急激に太ったりするので、
正座ができなくなることがあったりするのだそうだ。

 

ちなみに操体もベッドを使うが、私は結構フロア派である。

また、定例講習では必ず正座位での練習があるし、足趾の操法に限っては
正座は必須なのである。

 

また、私達は正座する場合、踵の間にお尻がすっぽり入るように座る。
(手はそけい部に、掌を上に向けて置く)

足を重ねて正座する場合、脊柱や骨盤、下半身に歪みがあることが多い、と
橋本先生も書いていらっしゃる。(万病を治せる妙療法、の口絵参照)

 

さてさて、定例講習にも「正座ができない」という人が結構いらっしゃる。

ところが、大抵は半年も講習に参加していると、正座が可能になってくるのだ。

これは、講習に参加、歪みが正される、ということ、膝にトラブルがあった場合、
それも良くなってくるということも考えられる。

 

昨日足趾の操法に参加しているAさんを何気にみると(50代前半)
きれいな正座をしているではないか。昨年末は正座ができなかったのだ。
歪みが正されたのだ。

 

また、これは上級秘伝なので書かないが(笑)長時間正座をしても大丈夫な方法というのもある。

よく「長時間やっててよく疲れませんね」と言われるのだが、
そういう秘法があるのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

ISIS夜学 心と論理の誕生を編集する夜学 安田登氏

2014年9月2日、3時。

私は東京操体フォーラム実行委員の「香」嬢と用賀の駅に立っていた。
ボストン美術館 華麗なるジャポニズム展を観るためである。

二人でモネの「ラ・ジャポネーズ」を堪能したのであった。

その後、田園都市線で三茶まで戻り、師匠と落ちあい、三人で世田谷線に乗った。
山下(小田急豪徳寺とクロスする)で降りてしばらくすると、やはり待ち合わせしていた実行委員の「新」さんが現れた。

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豪徳寺駅の前にはやはり「招き猫」。

 

小腹が減ったので以前、A松女史や祇園の若旦那と行った蕎麦屋に行こうと思ったら、
定休日だったので、その先の中華料理屋に入った。なかなか美味しかった。

その後商店街の途中の和菓子屋で菓子を買う。

そしてGISIS到着。

席が空いていたので私と師匠は一番前に陣取る。九州の中野組長とも再会。

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師匠、松岡校長を見つけ、サンクロン(熊笹エキス)を手渡すの図。

 

安田登さんのステージは、「連塾」などで何度は拝見していた。


「月刊秘伝」とかにたまに登場しているので、
(月刊秘伝の最高顧問、島津兼治先生とは親交があるし、師匠も「月刊秘伝」で対談したことがあるし、月刊秘伝 で、東京操体フォーラムの取材をしていただいたこともある)また、ロルファーであるので

何となく業界が近い人?みたいな感じなのである。

また、知人が宝生流の弟弟子だったりして。

 

私は年初、安田さんの本を読んでいたのだった。これは面白かった。バンドマンやっていたとかね。

あわいの力 「心の時代」の次を生きる (シリーズ 22世紀を生きる)

あわいの力 「心の時代」の次を生きる (シリーズ 22世紀を生きる)

 

 

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前半は、甲骨文字を読むという話。

易の話も出て来たので、易を学んでいる者としては、この辺りもやはり押さえておくか!と考える。

 

昔は左脳と右脳が分離していたとか、
古代人には心(時間の概念)がなかったとか、非常に興味深い話が続いた

前半は安田さんのお話で、後半松岡校長が登場。

二人とも声がいいので惚れ惚れ(そこかい!)。

 

あと「能で寝るのは正解」というのにも驚き(笑)

100番観るとわかるらしいので、今度こそ??

そして、帰宅後、再度「あわいの力」を読んで復習する。

話を聞いたばかりなので、アタマにすいすい入ってくるぞ。

刺激的な夜でした。