操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

操体臨床家は、自分のケアができる。

操体の臨床をやっていると、
操者(治療者)も元気になってくる。
それが操体の特徴の一つでもある。

他に「治療者も元気になってくる」
なんていうモノはあるだろうか?

これは、治療者(操者)も、被験者と一緒に
「快」を味わい、共有するからである。

 

なので「楽な方に動かして、瞬間休息脱力」では
快の共有はできないし、
「どちらがきもちいいですか」
「きもちよさを探して(動いて)」というような
いわゆる「※迷走分析」では、被験者が「快を味わう」
というケースは殆どない

 

※迷走分析 
第一分析と第二分析を混同、つまり「楽」な動きに対する診断分析と、「快適感覚」に対する診断分析を混同していること。
特徴としては「どちらがきもちいいですか」という問いかけや、最初から「きもちよく動いて」という指示をしたり、きもちのよさを押しつけ、「楽」の問いかけをしているのに「きもちよさ」を強要し、被験者に「自分はきもちよさがよくわからない」という不安を与えてしまうことが多い。

 

また「自力自療」の操体もあるので、
日々のメンテナンスも可能である。

「連動」をマスターしており、
「快の回路」が通っていれば、
からだを動かさなくとも、また、
指一本動かしただけでも、快的感覚を味わうことができし

 

 

先日、柳生心眼流の島津兼治先生のお誘いで、
師匠と一緒に先生の勉強会に参加してきた。

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★手首の筋を操作する島津先生の図

前半の部では、人生50年近く腰痛に悩まされ、
それが腱引き(筋整流法)に出会ってから、
腰痛の悩みから解放されたというドクターの講義があった。

ドクター曰く、
「治療家(臨床家)は、やはり自分の健康維持管理が大切」
とのことで、なるほど、と思ったものである。

 

ちなみに、いわゆる治療家の先生方は、
結構短命が多い。

私の知っている先生も何人か
操体以外の先生方、例えば整体などである)
50代半ばや60代前半で急逝なさったりしている。
「健康」を指導している先生方が、である。
残念なことである。

これは、自分自身の健康を削ってまで、他者に貢献している
ということなのかもしれない。

 

操体に関しては、橋本敬三先生からして96歳という
長寿を全うされた。

これは「快」のお陰ではないかと思う。

橋本敬三先生は、85歳を越してから、
「きもちよさで良くなる」というように、操体の定義を
シフトチェンジなさった。

80歳までは、操体以外にも様々な治療法を
何でも試してみたそうだが、80歳にして
「自分のやっていることは間違っていなかった」と思うに
至ったという。それが「きもちのよさで良くなる」ということだ。

★これは「きもちよく動く」という事とは、ベツモノである。
★動いてみないと「快か不快か」はわからない。
★きもちよく動く、というのはその後だ。
★動いてみて、きもちよさを味わうことによって、良くなるのだ。

 

施術をしながら操者も元気になる秘法(笑)

続き。

島津先生の勉強会で、関西からいらした
「腰痛歴50年のドクター」の講義を聞いた。

「治療家の、自分自身の健康維持増進」
「全ての不調の原因の原因は足である」

という話になった。

それを回避する対処法は、

  1. 靴を履かないこと(かかと着地になりやすい)
  2. 骨間筋の活性化(足踏とか)
  3. 足底筋膜、アキレス腱の強化

ということだった。ドクターは、なるべく靴を
履かずに、ワラジや鼻緒のついた履物で対応しているそうである。

 

先程の

  1. 靴を履かないこと(かかと着地になりやすい)
  2. 骨間筋の活性化(足踏とか)
  3. 足底筋膜、アキレス腱の強化(その場ジャンプとか、つま先屈伸とか)

の、2と3は、足趾の操法®で解決できる。

 

何せ、操体は、臨床終了後、
足踏、屈伸、全身を動かしてからだをチェック、ということをやる。

また指骨間筋を揉むのは、足趾の操法が一番得意なところなのだ。

さらにそこには「快」というものすごいごほうびが待っている。

へー、被験者はきもちいいけど、操者はどうなの?

足趾の操法って自分ではできないでしょ??という質問もある。

ところが、

きもちいいのは被験者だけではなく
操者も「快」の波動を受けて調子がよくなってしまうのである。
これは私自身何度も体験しているし、
「快という波動の共有」の場にいたならば、
驚きの体感を得ることができるだろう。

被験者に「痛み」を与えるということは、
それだけ「苦痛」を与え、操者と被験者が共有すること。

痛いことを共有するのだから、
操者もそういう波動をもらってしまうのかもしれない。

 

別に痛みのある施術をしてもいいのだ。
その後に、最高のきもちよさを、被験者に味わっていただき
そのきもちよさをシェアするならば
操者のからだも同時にケアできる。

そういう意味でも「足趾の操法」は、様々な臨床家に
習得していただけたらいいのになぁ、と思う。

 足趾の操法集中講座。参加者募集中