操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

日曜日。操体の定例講習。

先日書店で面白い本を見つけた。

 

「めんどくさい」がなくなる本

「めんどくさい」がなくなる本

 

 めんどくさい、というのは
新しいカテゴリの感情だという。
著者はもともとめんどくさがりや
だったそうだが、英会話学校にも行かず
海外留学もせずに、TOEICの得点を300点代から
700点代にアップさせたという。

 そのやり方というのが、
1500円の教材を買って
聞き続けるというもの。


大抵の人は100時間位で飽きてしまい、
もっといい教材はないかと探しだす。

この本の著者は、数100時間過ぎたころ
得点が急にアップしたのだそうだ。

 

なぜ「めんどくさく」なるのか。
それは「効率良くやろう」と考えるから。

 

操体の勉強だが、最初はみな
定例講習を1クールくらい受ければ
できるようになるだろうと思う。
勿論できるようになるのだが、
その間その後の継続が一番大切だ。

 

 

毎週日曜は、午前午後と操体法東京研究会の定例講習がある。

第一、第四が足趾の操法®、第三は視診触診。第二は
東京操体フォーラム実行委員の勉強会である。

 

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午前中は足趾の操法®の講習。

午後は、新しいタームの第4回。

第一分析と第二分析の違いをしっかり学ぶ。

三浦寛先生は、実際に
橋本敬三先生が臨床(治療)をなさっている
姿(それも現役の時)をしっかり
体験しており、

「橋本先生はこういうふうにやっていた」
と、再現してくれる。

非常に勉強になる。

★実際、現役時代(操体の人気が出たのは
橋本敬三先生80歳を越してからだし、
85歳で現役引退していらっしゃる)の
治療・臨床を見ていたという方は
そんなにいない。

多くは、80歳越して、操体がブレイク
してから仙台に行ったという方が
多いのだ。

 

三浦先生が弟子入りしたのは
橋本敬三先生が70歳、
現役バリバリで

「よくあんなアクロバットみたいなことが
できるな」と思うようなことも
やっておられたようだ。

 

その後に、第二分析、
快適感覚の有無を問いかける
動診と操法のデモンストレーションに
入るので、その違いがよく分かる。

 

この違いがしっかり掴めれば、
操体の理論を理解しやすい。

 

逆に言えば、この違いが分かっていないので、

×「どちらがきもちいいですか」
×「きもちよさを探して動いて」
★ ×がついていますがどちらもペケ。
操体をやる方は、なぜ、ペケなのか
理解している必要がある。

★これが分かっていない人は、
もっと勉強してください。

 

えっと、

自分達はプロじゃなくて
愛好家だから、そんなことわからなくても
いいという話も聞くが、

そういう姿勢は、操体自体の評価の低下に
繋がる。

 

操体を生活に活かすのは当然だが、
活かすまで健康の度合いが間に合っていない
方々に対しては、やはり専門家の
経験と知恵が必要なのだ。

 

 

というわけで、毎週日曜は
終日操体の勉強。

くり返しくり返し。

何年か前の、私の足趾の操法®の講習での話です。

 

ある受講生にアシスタントをお願いしており、
その日は操体の基礎の話でした。

 

彼はそれを何度か聞いています。

 

そして彼は、私が講義している間
話を聞かずにヒマそうにしていました。

 

私が「何で聞かないの?」と聞いたら

「一度講習で聞いているから」と言う答えが
帰ってきました。

 

私は勿論説教し、
それならもうアシスタントには来なくていいぞと
言いました。

 

私が三浦先生の講習に参加して、
それからアシスタントを務めるようになってから
15年以上経ちます。
その間、毎回タームが始まるたびに、
操体概論の座学には参加しています。

 

この、何度も何度も聞く、この
体験があったお陰で、私も講義が上達したような
ものです。

また、私が近くで先生の実技や
デモンストレーションを何度も何度も
見ているというのもとても役に立っているのです。


講習に参加しているときよりも
その後の「見る」「聞く」「空気をつかむ」
ということのほうが勉強になるのです。

 

試しに、今日の朝
操体操体法の違い」を新人に説明せよと
準指導者に頼みましたが、
「あと10回くらい三浦先生の座学を聞いた方がいい」
みたいな感じでした。
かれは勿論理解しているし、
勉強もしているのですが、
どうやって伝えるか、どうやって
理解してもらうかという勉強はまだまだなのです。

 

彼だって7年近く勉強しているのですが、
聞いてわかるのと、理解するのと、
人に説明できるくらい消化するのとは
違うんです。

 

そうすると、
地味なシャドー介助補助や
からだの使い方動かし方の練習が
(最初は「なんでこんなことをやるんだろう?」
と思うのは当然です)

あ、こうやって役に立つわけだ!と
アタマとカラダの中で繋がった時の
キモチヨサといったらありません。

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