操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

動きの癖

先日、某所で、操体法、というプログラムがあることを知り、同門とクラスを見学させていただいた。

勿論ガラス越しで、参加したわけではない。



ある時に、全然操体に関する知識のない、エアロビクスのインストラクターに、上肢の外旋をしてもらったことがある。そうすると、本来立位で上肢外旋を行うと(例えば右)右肩が下がり、体重は左足に移ってくる。が、彼女が取った動作は、上肢の外旋&伸展だった。

つまり、捻転してしまったわけだ。

彼女に、聞いてみたところ、「上肢を外旋させると側屈する」という概念はなく、癖というか習慣(ダンス)でそうなってしまうらしい。



また、操体でいうところの「重心安定の法則」(手は小指側側を、運動作用点、運動力点にしなさい、という法則がある。この場合

足は腰幅、つま先と踵は平行に、背筋を軽く伸ばして、目線はまっすぐ、膝のちからをほっと抜いて、親指の付け根あたり(辺り)に体重をかけるという操体に於ける自然体で、ボディーに歪みがひどい歪みや癖がなければ、上肢を前方水平位におき、外旋させると、側屈の動きが出てくる。試しに親指側を運動作用点として、背中を丸めていたり、逆に反らせた場合、捻転になる場合が多いように

思う。



話は戻るが、そこでの30分というセッションの間、インストラクターが、側屈を指導していた。



側屈の場合、まず、腰か、足の体重が移動してから側屈するのだが

インストラクターは、踵をあげてから腰を横に移動させた。



つまり、操体の最大の基本である「重心移動の法則」を理解して

いなかったわけだ。これはそのインストラクターが悪いのではな

く、日々の癖が出たのだと思う。



とにかく、どう見てもあれは操体的な動きではなかった。

ストレッチ的だった。そういうのは見逃せない。



逆に、真面目に重心安定の法則と重心移動の法則に取り組んで

いらっしゃるインストラクターもいらっしゃることは伝えておきたい。