操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

NAYヨガスクール

私が初めて人体に興味を持ったのは、幼稚園の時らしい。

子供大百科の「人体」の巻に興味を示して、魚類図鑑と一緒に愛読していたのを覚えている。

丁度小学校6年の時、ある本に出会った。



「こんにちは私のヨガ」内藤景代先生の本である。

女性向けに書かれた、生活の中に活かせるヨガのヒントが沢山詰まっている。本の組み立てとしても面白い本だ。

最後に索引がついているとか、インターネットのハイパーリンク

原型のような作りになっている。本を読んだ後、巻末のキーワードで

何ページに書いてあるか、調べられるのだ。



ちなみに、この本の操体版(女性向け)を書きたいと思い、

今アイディアを練っている。



というわけで、昨日ついにNAYヨガスクールの集中レッスンに参加してきた。



前々から行こう行こうと思っていたのだが(って相当長い間)

チャンスを逃していたところ、K嬢が行くというので一緒に行くことにした。



第四日曜の操体の講習は師匠にお願いして休みをいただいた。



その昔、誰かが橋本先生に『先生と同じことを言っている本がある』と持ってきた本が、内藤先生のヨガの師匠でもある、沖正弘先生の『ヨガの楽園』だったそうだ。

また、師匠三浦先生は、内藤先生にお会いしたこともあるそうで、これも不思議なご縁である。



本は読んでいるものの、実行していたのは結構昔のことで、実際先生に指導を受けるのは初めてになる。

(景代先生の著書は殆ど持っているのだ)



しかし、いくら私が長年の愛読者であっても、ここでは全くの初心者である。



こういう時、はじめて何かやる場合、一番大事なのは「そこに馴染む」ということだと思う。

操体の講習でも、「白紙の状態で吸収せよ」と言われる。

何かを学ぶ時は、一度真っ白になればいいのだ。



新宿の教室に入ると、既に生徒さんが何人か待っていた。

見たことがあるヤントラや、綺麗な絵が沢山かかっている。





ヨガと操体の違いを一言で言えば

鍛錬と治療(もしくは調整)ということである。



もう一つの大きな違いは、ヨガは二方向行った場合、やりにくい方、やりづらい方を余計にやる。

操体の場合(最近では二者択一ではなく、その動きに快適感覚があるかないかをからだに聞き分けるのだが)やりにくい方はやらない。

対なる動きを比較対照した場合、やりやすい方を余計にやる。



操体では、自然呼吸としている。橋本先生の本には、腹式深呼吸を寝る前にやるといい、と本に書かれているが、あれは寝る前『ハラが座った男になるために』という鍛錬であって、

ぎっくり腰で担ぎ込まれた患者に腹式深呼吸を強制するわけはない。また、橋本先生ご自身も、85歳を越されてからは、『自然呼吸でいい』『呼吸に集中すると、感覚のききわけをしにくくなる』と言われていた。また、健康の度合いが良くない場合、カラダは深い呼吸ではなく、浅くて早い呼吸をつけてくる場合もある。いずれにせよ、呼吸と身体運動の間には深い相関関係がある。



ヨガでは吐く息、吸う息によって、同じポーズでも効果が変わってくる。例えば片鼻から吸うとか吐くとか刺激される場所が変わってくる。呼吸と動きを組み合わせてからだを鍛える。呼吸は激しいのもあれば

静かなものもある。



操体にせよ、ヨガにせよ、ボディの歪みを整えることによって、治癒力を高めるということには変わりない。



まず、先生と面談。

初めてなのだが、初めてではないような。

小柄でキュートなお方です。



合掌でご挨拶してから開始。

初めての参加者は前のほうに座る。どうしても慣れた人が前に出がちだが、こういうところにも気配りが感じられる。

また、肩書きや背負っているものをこの空間では手放すために、名字ではなく、名前で呼ぶ。



これは私も昔から参考にさせていただいている。

クライアントがご夫婦でいらして、名前がわかる場合には名前で呼ぶ。



内容はポーズと呼吸法とイメージ。

ポーズの指導法も2種類ある。

みんなで一緒にやる場合と、先生の模範演技を見て、イメージを頭に刻み込んでからトライする場合。



人間、イメージできないことは体現できない。



それにしても普段使わない筋肉を使う。



『猫系』のポーズをいくつか。

私は素人でも分かる程、胸椎1番の曲棘突起が右側に変位している。

これは生まれつきだと思うが、胸郭にはアンバランスがあり、咳が出やすい。喘息の気も多少ある。



正座した状態から、両手を前に滑らせるようにして、猫が背中を伸ばしているような格好にるのだが、胸が床になかなか着かない。胸をつけると膝から下が床から浮く(笑)何かなさけない格好だ。



回ってきた先生がポーズを直して下さるが、肩胛骨の間を床に向かって押していただいた。何だかすごくきもちいい。



開脚で上体前屈においては、昔180度に開いて、上体が床にぴたりとつき、背中で合掌ができたのは遠いまぼろしである。毎日やれば戻るか??



途中で「しかばねのポーズ」。

先生がゆっくりとした声で体中の緊張と弛緩を誘導する。

隣の男性はぐうぐういびきをかいていた。私も思わず爆睡するが、

渦状波(カジョウハ)でたゆたっているのとはまた違った気持ちよさだ。



その他



・亀のポーズ

・山のポーズ



ダイレクトにカラダに効いたと思ったのは、今までやったことがない

・ねじりのポーズ



など。



あっという間の4時間だった。



終わってから景代先生と少しお話をする。



うちにもヨガの先生が操体を勉強にくるのだが、やはりネックは

「なぜ、やりにくいほうをやらないのか」ということにつきるようだ。



どうして、それぞれ違う、ということがわからないんでしょうね、と

意見が一致する。



ヨガと操体を単にエクササイズ、体操の一つとして捉えるので悩むのだと思う。

また、ヨガはヨガ、操体操体であり、それぞれ「作法」がある。



ヨガの時はヨガの作法に従い、

操体の時は操体の作法に従えばいい。



要は知っていて、分かっていてこだわらなければいいのだ。



次の日、そりゃあ、筋肉痛です(笑)



普段使っていないところを思い切り使ったものだから。



しかし、やはり先生について指導を受けるのは全く違う。

操体と同じで、体験してから、教材、イメージングの手段として本やDVDを見るのが一番早道なのかもしれない。



最近はインストラクターが量産されているが、ちゃんと「想」や

「哲学」が語れる先生がどれだけいるだろうか。

多分あまりいないと思う。



それにしても、いい刺激になった。