操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

介助の工夫

人間、基礎構造は同じだが、ウワモノは人によって違う。年齢、性別もあるし、先天的、後天的なものもある。



手技療法家にとって、手が小さいというのはあまり喜ばしいことではない。男性と比べると、指の関節一つ分位違うこともある。



不利と考えれば不利だが、こういう時に「手は小指、足は拇指」という重心安定の法則や、重心移動の法則、皮膚へのアプローチ法(関節をきめるのではなく、皮膚をきめる)が身についていれば、不利ではない。柔道や合気道のように、身体の小さい選手が大きな選手を投げることができるように。



自分は不利だとは思っていない。



また、自分より体重が倍近くあるガタイのいい人に操法を行う場合や、明らかにこの人の腿は私のウエストと同じかも、というスポーツ選手に操法を行うこともある。



こういう時は手だけでは足りないので足や肩などを総動員する。



一昨年、地下鉄から押し出されて、片足が電車とホームの隙間に挟まり、全治八週間という怪我をしたが、その時は勿論正座はできないので、片足は伸ばしたままでバランスをとるように座って仕事をした。何とかなるものだ。



写真は先日の講習にて。

伏臥位での足関節の外転(右)

あらかじめ、被験者の左足を伸展させておいて、操者は自分の左足で上から軽く押さえる。

次に右手で被験者の右足関節を内転位にきめて、左手で被験者の大腿外側に掌を当て、踵に

腕をひっかける。

この状態から、右足関節の外転を促すと、予めポジションができあがっているので、被験者は動きを表現しやすい。



この時も、足関節からの動きで感覚をききわけるのか、腰の動きから感覚をききわけるのとでは、感覚が違うのがわかると思う。足関節の外転で快適感覚のききわけをしにくい、という場合は試してみるといいだろう。

但し、足関節を片手でしっかり決めることができることが条件である。







20061018-20061014152815[1].jpg