最近は「呼吸法」の本をよく見かける。
「食養」の本もよく見かける。何を食べればいいのか、情報が氾濫している。
「動」。身体運動に関する関心が高いのか、古武道や身体論に続いて、ヨガやピラティスが流行している。
「想」。うつ病にかかる人の数が増え、「こころ」について、精神のありかたについての本が多く出ている。
神道、仏教などに関する本も多く、スピリチュアルという言葉は、普通に使われるようになった。
大抵、呼吸の専門家は呼吸の話、食の専門家は食物の話、動きの専門家は動きの話、精神活動に関わる専門家はこころの話。自分の専門の話に集中しがち。
この4つは、最小限責任生活といって、人が他人には代わってもらえない営みを言う。また、自律可能である(自分でコントロールできる)ことでもある。
操体では、この4つを「同時相関相補連動性」という。お互いに関係していて、補い合っているということだ。
この4つの営みは、自然法則に反すると働きが悪くなって、からだに歪みが生じる。
この4つを別々に考えないで、まとめて考えているところに操体の面白さというか深さがある。
よく「歪み」という言葉を聞くが、何故歪むのか?と、聞かれても、大抵は「偏った使い方をするから」「姿勢が悪いから」など、明確な答えが出せない。しかし、この「息食動想」で考えると、何故からだが歪むのかということが見えてくるのだ。