先輩のK先生から聞いた話(このブログを読まれているハズ)です。
少し脚色入り。
おおまかに言うと、50肩の患者さんがいらっしゃり、話を聞くと、整形で「上がらない方の腕を上げる訓練をしなさい」と言われ、律儀に真面目にやっていたのだが、改善せずにK先生のところへ。
結局、全身のバランスを診た上で
『(上がらないほうの腕を上げる訓練)やめたほうがよくなるよ』
と、アドバイスした結果、良くなったらしい。更に、その患者さんが言うには
「そういえば、昔ぎっくり腰で通院していた時、行くのをやめたら治りました」
という話。
そういえば、患者さんは病院で脅かされることが多い。
ドクターは脅かそうと思って脅かしているのではないが、患者にとっては「脅し」になるのである。
勿論、そんな先生ばかりではない。
『首の椎間板が狭くなっているから、手が痺れるんですよ』
『腰骨の椎間板が狭くなっているから、腰が痛んで足が痺れるんですよ』
『椎骨が分離しているから、腰痛なんですよ』
『年をとって、腰の骨に棘ができて、それが神経にさわって痛むんですよ』
だから、もう治りません。コルセットをして下さい。ビタミン剤をあげますから。
痛む場合は鎮痛剤を出します。
規則的に通院して、牽引しましょう。
ということになる。
しかし、それでは良くならない。ちゃんとドクターの言うことを聞いて、一生懸命上がりにくい腕を上げる練習をしたり、コルセットをつけている人のほうが良くならないのだ。
しかし、中には「ヘンだぞ?先生の言うことを聞いてもちっとも良くならない」というわけで、ヤジウマとなって操体を始め、手技療法の門を叩く人がいるわけだ。
・・・・・・これって、昭和の初めの頃の、橋本敬三先生を思い出しませんか?
橋本先生は患者さんじゃなくて、ドクターのほうだったのだが、整形外科的な患者に対して「さっぱりだめ」(著書に書いてある)。
みると患者さん達は、町の民間療法のほうに行ってしまい、またそれで良くなっていることが分かったわけだ。
・・・・・・・
そこで橋本先生は、民間療法を『漁り』、操体法の原点である「正体術」に出会ったのだ。