操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

講習記録(首の前屈、後屈、左右捻転、後屈)

特講も来月で修了だが、今回参加しているメンバーは引き続き5月からの新しいタームにも参加されるそうだ。

月二回神戸から参加されているKさんは「最初、操法をやっているビデオなどを見て『簡単だ』と思ったんですが、実際やってみるとなかなかです」と言われていた。確かにそれは言えている。



今日は前回の宿題、「仰臥膝二分の一屈曲位、両上肢は方水平位」にて、何故親指側を押し込んでも、引き込んでも膝は腕と反対側に倒れ、何故小指側を押し込んでも、引き込んでも膝は腕と同方向に倒れるのか、という検証を少しやった。受講生もこの二週間家で研究したらしく、色々な意見が出た。私は二週間前に、先生に自分で書いたメモを見せたが「結構いいセン行ってる」とのことなので、もう少し自分のからだを使って検証してみようと思う。



さて、今日は正座位での首の前屈、左右捻転、首の後屈、体幹の後屈をやった。



多分、「からだの設計にミスはない」の16ページの写真で、橋本敬三先生がされているのが後屈(多分)だと思う。



実際、師匠が口頭で指導しながら受講生が試してみたが、なかなかアクロバティックで、動きが大胆である。また、この状態は大変きもちいい(何か特殊な問題がなければ)のだが、これを「きもちよさが消えるか落ち着くまで・・」とやっていると、操者が疲れてしまう。この場合は「お腹から力を抜くように・・」などと指導すると良いそうだ。(最後に脱力した被験者と操者はラッコの親子みたいである)



この時、気をつけなければいけないのが、被験者に早く動きをとらせないこと。これを力任せにやられたら、操者のほうが怪我をする。また、私のような体格だったら、自分より体重が倍あるとか、そういう方には避けた方が良さそうである。それは状況によりけりということか。

何でも、現役時代の橋本先生も患者に蹴られて肋骨にヒビが入ったらしい。

ちなみに、三浦先生が温古堂に入門した時は、橋本先生はまだ70歳で現役バリバリだったので、ダイナミックな操法を色々試されていたそうだ。



たまに操体っていうのは「つま先を挙げる」「膝を倒す」「うつ伏せでカエルみたいに動く」というのがセットになっていると思っている人がたまにいるが、この3つがセットになっているのは、ある程度のお年になられて、される操法も限られてきているわけだ。つまり、年を重ねた達人の操法になっているのだろう。なので、操体というのは決して三点セットなわけではないのだ。





首の左右捻転、左右側屈においても、操者の介助の仕方、からだの使い方がいかに(重心移動と安定、ポジショニング)大切か本当によくわかる。

また、操者の姿と被験者の姿が「きまって」(うつくしく)いると、実際の動診・操法もきまっているというのは武芸とかスポーツとか、書道とかでも言えるのだろうが、なんとも不思議だ。



首の後屈に戻るが、操者が被験者の正面から介助をかけるやり方がある。これは、知らない人がみると、奇妙なポーズに見えるかもしれない。しかしこれは気持ちいい。

(写真を撮ろうと思ったが、自分が受けていたので撮れず)