操体法大辞典

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「自然体」の復習(1)

足は腰幅、つま先と踵は平行に。

背筋を軽く正して目線は水平の一点に据える。

膝の力をほっ、と抜く

(この時、親指の付け根あたりに体重がのるようにする)

(手は軽く外旋位にとるとよい)



何故、足は腰幅なのかというと、足を肩幅、あるいはそれ以上にとると、膝の力をほっ、と緩めた時体重が拇趾の付け根にかからないからだ。ここに体重が乗らないと不安定になる。



また、この姿勢がとれない場合もある。

どういう時かというと、身体に故障があるか、あるいは歪みがあるから。または足に極端に筋肉がついていたり、強度の外股の場合がある。



以前、この話をしたところ『O脚の人はどうするのか』と質問を受けた。

O脚の人を立たせてみると、まず、足の小趾側に体重がかかっている。どうするのか、というのは不快でなければそのままとおす。

にわとりが先か卵が先かみたいだが、歪みが取れてくればO脚も改善されるし、足の拇趾の付け根あたりに体重がかかるように

なってくる。逆に言えば、アンバランスな立ち方をしていたので歪みが生じ、体重が足底の小趾側にかかり、足の外側に筋肉がつきO脚を進行させるのだという見方もありではないか。

「股関節が悪いから」という考えもあるかもしれないが、それでは何で股関節が悪くなったのか?そこまでのプロセスには

「天然自然の法則に反する」→「歪みが起こる」→微症状、不定愁訴→機能異常→気質異常という「悪くなる順序」があったはずだ(急速暴力他力的でなければ)



また、手は軽く外旋位にとるとよいのは、「手は小指、足は拇趾」の重心安定の法則にのっとってである。



☆膝のちからを軽く抜く、という記述が最初に出てくるのは『からだの設計にミスはない』。

その前の『万病』には記載されていない。しかし『誰にもわかる操体法の医学』(←この本、農文協の本にしては難易度が高いと

思うんですが・・・)には、『般若身経』ではなく、『中心集約運動』として紹介されている(これをAとする)。これに記載されているもののオリジナルのコピー(これをBとする)を持っているが(師匠が橋本敬三先生から渡されたものをコピーさせていただいた。我ながらマニアだ)、AとBには違いがある。



Bには、『足の中心に力を集める』と書かれているのだ。

これはおそらく、足心(そくしん)つまり足の拇趾の付け根あたりを指すのだと思われる。





で、足の中心に力を集めるには?



膝のちからをほっ、と抜くのだ。

『万病』とか他の本では「膝のちからをほっ、と抜いて拇趾の付け根あたりに体重が乗るようにする」という指摘が抜けているため、

(何故、抜けたのだろう?不思議である)

般若身経を行う場合、足のどこに体重がかかるのか、さほど重要視されてこなかった。(私もそうだったのでよくわかる)



試しに膝をぴん、と伸ばしたまま前屈すると踵に体重がかかりやすくなる。

前屈の際、「膝が曲がってもいいですよ、首の力は抜いて」という指導がされるが、これも膝の力は軽く抜く、ということを示唆している。