操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

またまた日経ヘルス

月初めになり、コンビニなどに行くと目につくのが日経ヘルス。



毎号操体に関する記事が載っているので読んでいる。

世の中には操体を専門にやっているプロが、多くはないものの確実にいるし、こういう記事は何も言わねど、じっと見ているはずだ。



すくなからず『脱力して、その後がきもちいいのが操体』ではない。



先月号は「楽なほうに」と言えど、操体理論的に近づいてきたと思ったら、最新号には『肩の操体法』というのが載っていた。



これは『凝っている方の肩を上げて』『呼吸をしてたわめて』『力を抜く』というものだ。



片方凝っていたらそちらをやり、両方凝っていたら両方やる、と書いてある。



ここで考えてみると、やはりW先生は操体法を『脱力法』と捉えているのではないか。何度も書いたが操体で言う気持ちよさとは、脱力後の気持ちよさだけではなく、動きの中の気持ちよさもある。



単に凝っているところとか緊張しているところに力を入れて脱力するのは操体でも何でもない。

ヨガなどでも、他の運動法でもリラックスを促す為に最初にぎゅ〜っと力をいれて抜くというのはいくらでもあるのだ。



なので、操体実践者からみると、これは操体に似ているが操体ではない。脱力法、リラックス法として見るべきであろう。



また、動診をとおすのだったら、最低ラインでも上げやすい肩を上げるという選択をすると思う。



この場合、動診を通すならば(右肩の動診を行う場合)

・椅子座位にて

・右肩をゆっくり耳の方へ引き上げる。体重は右臀部に移動して右の体側が伸び、左の体側が

縮む。全身形態が連動して、左肩が下がり、それに伴って首は左に傾倒する。

以上一連の動きの中で、気持ちよさがききわけられたらそのまま、きもちよさが消えるまで味わい、

脱力の方法、回数はからだの要求に任せる。



・右で快適感覚を聞き分けられない場合は左肩で試してみる。



介助者(操者)がいる場合

被験者はベッドに腰掛ける。操者は被験者の後ろに立ち、



・右肩を上げるのであればあらかじめ両肩に介助を与え、上げる肩をあらかじめ下に下げる。

・適度な介助抵抗を与えながら、右肩を上げさせ、右臀部に体重がかかり、右体側が伸び、左肩が下がり、それに従って首は左に傾倒する。

・その一連の動きの中をゆっくりとあやつり、快適感覚がききわけられたら、気持ちよさを十分味わい、脱力の方法、回数はからだの要求に任せる。



というようにやる。

単に肩が凝っているからと言って、そこを縮めて脱力するのが操体ではない。(勿論わるいとは言わないが)



というのは、私が昔書いた本(ふわ、くにゃ、すとん、操体法

似たような間違いをしていたので、ここで書いているわけなのだ。そういう間違いをしてハジをかいたので、HPで訂正して、今現在は筋の通った操体の普及につとめているのである。



もしもW先生が拙著『ふわ、くにゃ、すとん、操体法』を参考にしてこの記事をかいていらっしゃるのだったら(絵柄が似ているんですが)やめてください、とお願いしたい。