操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

野次馬

「イサキ」という小冊子がある。仙台の温古堂事務局から出ているもので、奇数月に発行されている。私も定期的に購読しているが、最後のページの「温古堂便り」というのをちょっと引用させていただきたいと思う。



「人間は一人一人違う心と体を持っています。そのことを分かっているつもりでも、操体法を指導させていただくうちに、知らず知らずに自分の持っている基準や思想を押しつけようとしていることがあるようです。自分の発したひとつの言葉や動作に対して、受講している皆さんのそれぞれの反応をよく見、聞くことでそれに気がつくことがあります。長く続けていると、自分流ができてきますが、色々な可能性を秘めている操体法を狭きものにするようなことが無いように意識を持つ必要があると感じています。野次馬根性とバランス感覚(ママ)大切にしなければと思います」



野次馬根性というのは大切だと思う。

また、色々な可能性を秘めている(皮膚や感覚のききわけなども含む)操体に対して「楽な方に動いて瞬間脱力する」(口頭では「きもちよく」と言っているのだが、実は楽なほう、いたくないほうに動かしていることが多い)という操体法をやっているのは極めてもったいないと思う。



また、「無意識」というのは橋本敬三先生の本の中にも出てくるが、無意識と快の接点を勉強するのも面白い。特に皮膚を介した無意識へのアプローチは、クライアントの変化に操者自身が驚くこともあるくらいなのだ。



あと、「やじうま」というのは何でもかんでもまぜこぜにして取り入れる複合技なのではなく、色々見てものすごくいいところだけピンポイントで会得する「ズルい野次馬になれ」ということなのだと思う。