操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

鍼灸の学校でこのように操体が教えられているとは(平直行さんの話)

先日、東京操体フォーラム実行委員と、操体法東京研究会の合同忘年会があった。

私は丁度相談役の平直行氏の前に座っていたのだが、平氏からこんな話を聞いた。



「今まで、みんな(実行委員のメンバー)が何で『ありゃひどい』と言っていたかわかりましたよ」



「へえ、どうしたんですか?」



何でも、平氏はご自身の道場で柔術を教えているが、その中に鍼灸学校に通っている生徒がおり、その生徒が「操体法」と称して、寝ている他の生徒(膝二分の一屈曲位にとらせ)の、両方の足先をがっちりと押さえつけて『きもちよさをさがして〜』と言っていたそうなのである。



平氏は今まで私を含め、他の実行委員が『きもちよさをさがして、と言ってるのは、よくない』と、言っていたのがよく分かったという。



これでは快適感覚の聞き分けどころではないし、屈強な男子が両足をがっしり押さえていたら、動くに動けない。



もちろん、平氏は後でその生徒をそっと呼んで、陰で話をして『操体ってこういうものだよ』と、教え、その生徒も驚いたらしい。



私達は日頃から『操体とは、自然法則の応用貢献』『快適感覚をききわけ、味わう』と言っている。

しかし、なかなかそれが広まらない一つの理由に、操体をよく知らない方が、鍼灸の学校や(整体の学校という場合も聞く)、様々なところで教えているという理由もあるのだろう。





最近の東京操体フォーラム実行委員ブログに、仙台の今先生が記事を書いておられるが、「操体とは、大皿のようなもので、何でも乗っかる」。この場合、大皿とは『原始感覚』を指す。しかし原始感覚というのは大きな定義なので、最初の最初はリンゴで説明する。最初はリンゴを切って、三回か四回噛んでからゴクリと飲み込むといいよ、と教える。もちろんこの後に、もっと繊細に、本人の感覚をききわけさせながら、リンゴを美味しくいただく方法もあるのだが、中にはリンゴの食べ方はこれ一つだ、と思い込んでしまう場合もあるという話だ。



まさに「三回から四回噛んで、ゴクリと飲み込む」というのが第一分析のような感じで、「その人が美味しく食べやすいように、人それぞれの好みにあわせてアレンジして、十分美味しさを味わっていただく」というのが第二分析なのかな、と思ったりもする。