操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

操体で捻挫と肩甲骨の痛みが解消するとは?

操体の秋。

今週末から来週にかけては秋の連休。操体のイベントが続いています。



19日〜22日午前中は施術も受け付けております。



2009年9月21日、22日、9月の連休 操体法集中講座開催開催



9月23日 臨床家による操体セミナー(行徳ゴールドジム



『操体法連動集中講座』





先週、朝起きたら胸椎が変になっていた。私は元々胸椎に歪みがあり、触れると棘突起の変位が非常に分かりやすいのだ。その棘突起が胸椎2番から6番辺りまで何故か平らになっていた。首は左右捻転は可能だが、前傾と後傾がやりにくい。胸椎3番付近を押さえると前傾はとれるのだが、手を放すとできない。

また、手を伸ばして肩甲間部に触れても何だか自分の背中ではないみたいである。私は結構身体が柔らかいので、両手を背中に回すことができるのだが、いつもと脊柱の手触りが全く違うのである。

また、背中が緩んでいるときは脊柱を捻って

「ぽきぽき」と音を出し、それですっきりすることもあるのだが、今回はからだを捻っても動きがブロックされてしまう。

酷い痛みではないのだが、何だかつまっているようだ。その後用事があり、師匠(三浦寛先生)に電話をした際、背中の症状を伝え、診ていただくことになった。こういう事を書くと「操体は自力で治せるんじゃないですか」と言われることもあるが、「間に合っていない」場合は、人に委ねるのも手のうちである。ましてや信頼できる先生に診て頂けるなら尚更のことだ。



師匠は電話口で、私のからだのある部分が変だ、と言った。ある部分というのは背中とは全く別の場所なのだが、そこに触れて見ると確かに変なのである。

こういうところを瞬時に見抜く。

「触れる前に、聞く前に分かっている、またはわかっていて、触診、動診をすべきである」

我々東京操体フォーラム実行委員はこんな指導を受けている。



え?と思うかもしれないが、原始感覚である。名医とか名治療家と呼ばれる人達はこの能力に長けているのだ。



さて、その後治療を受けてどうなったかと言えば、まず両足底が熱くなった。それから首が左に傾いてきたりして無意識の動きが起こり、様々な内部感覚が続いた。終わった後は確かに軽くなっていた。その後、2時間位してふと気がつくと瞬間的に「?」という感じがして、背中がもとに戻っていた。



軽くなったというか、不調の元が肩甲間部のどこにあるのか分からなかったのだが、それが胸椎3番4番の左側にあることがわかってきた。あとは、筋肉痛の痕跡に似た感覚が残った。



それから二日後、東京操体フォーラム実行委員の定例勉強会があり、出席した。背中は痛みこそないものの、筋肉痛様の感覚は

残っている。更に左足の捻挫跡が何故か痛み、右足の拇趾がつる。そこでモデルとして立候補した。



私の主訴:数日前に上部胸椎に異常を感じ、操体治療後快方に向かっているが、背中に治りかけの筋肉痛のような感覚あり。

左足の古い捻挫が痛むと共に、右足拇趾がつる。



師匠の診立て:左肩甲骨内側と肩甲骨に何かあり。



実行委員の山野氏が指名され私の左肩甲骨を触診する。内側に三箇所、天宗(肩甲骨の真ん中あたり)のあたりに、押すと思わず逃避反応が起こる位の圧痛部位がある。



ここからいくつかのごくごくシンプルな動診を行った。シンプルと言っても、第1分析を予備動診に用い、第2分析で快適感覚をききわけ、第3分析でトドメ?のような動診(分析)である。



途中、左肩甲骨には触れていないのに、突然「バリバリッ」という音がして、肩甲骨周辺に何かが起きた。勿論自分では『ああ、からだが勝手に治しをつけているんだな』と分かっているのだが、やはり面白い。からだは本当に『治し方を知っている』のだ。



感覚が変化する度に、肩甲骨周辺の圧痛硬結がおさまっていった。立ってみると明らかに左足の捻挫跡の感覚が変わっていた。



こんな感じでからだが変化する。