操体法大辞典

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きもちよさをさがして動くのではない。

2010年操体法東京研究会夏期集中講座(日曜午前中)のお知らせ



2010年東京操体法研究会定例講習のご案内



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私が「きもちよさを探す」という言い方、指導の仕方はおかしい、と思った事件があった。丁度私が自分のやっていた『痛み取り屋』的操体に疑問を抱きはじめた頃だ。

クライアントの中には、いきなりからだの無意識の動きが発動する方もいるし、中には無意識ではなく『自分の意識で』動いている方もおられることが確信できたからである。

こういう方は意外と「操体慣れ」しているとか何らかの身体活動や運動をしている場合が多かったように思う。



★私の古い受講生で、今はあまりお付き合いのない方もおられるが、「TEI-ZAN」で習ったと書いてあり、「きもちよさを探す」とか「きもちよさを探して動く」と書いてあるところがあったら、それは今現在お付き合いがないところなので、ご了承願いたい。この方達に「きもちよさを探すとか探るじゃないよ」と言っても、私の講習を終えてから『気持ちよさを探す』という言い方をするところで勉強されているので、いわば『洗脳』されてしまっているのである。何度言っても分からないので私も最近は直接本人には言わないが(当然ご縁も薄くなるが)



TEI-ZANで学んだとか講習を受けたと書いてあって『きもちよさを探して動く』とか『きもちよさを探る』という表現をしているところは私も責任を持てない。あるいは私の講習を終えてからどこか別のところで操体を習ったかである。もしも『TEI-ZANで講習を受けた』と書いてあるのに、『きもちよさを探して』とか『きもちよさを探って動く』とHP等に書いてあったらご一報下さい



ある時、よくいらっしゃる方がぎっくり腰で来られた。勿論動くことが出来ず、仰臥も辛いので側臥位を取っていただいていた。

仰向けに寝かせることができれば、足関節の背屈(腰痛の特効操法?)ができるし、仙腸関節へのアプローチもできる。しかし本人は仰臥はとれないという状況だ。私は「これは皮膚を使うしかないか」と思った。その頃、『面の渦状波』で少しづつ結果を出していたからである。私はそのクライアントの背中に触れていたが、暫くすると本人が顔をしかめながら体をもぞもぞ動かしはじめたのである。私は『どうしたんですか?』と聞いてみると『きもちいいところを探しているんです』とその人は答えたのである。その時はアタマをぶん殴られた位驚いた。『きもちいいところをさがして、色々動いてみる』という言い方、結構みんな気軽に使っているような気もするけど、逃避反応(痛みから逃げる)と、「きもちよさを探して色々動く」って、全く違うことじゃないか、と。『痛いんだから、きもちいいところを探す、じゃなくて、辛くない、つまり安楽なポジションをとるべきだよね』ということが、より明確にアタマの中に入ってきたのだ。