操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

いい姿勢・悪い姿勢(操体編)

そういえば、以前CA(客室乗務員)の試験を受けるので、姿勢を良くしたい!という女性が来たことがあった。彼女は目出度く合格し、それからCAになりたい、あるいはCAが結構いらしたことがある。

私が「腰痛多いな〜」と思うのは、CA、僧侶、歯科医である。お坊さんは長時間のお勤めで、持病は腰痛という人は結構多いようだ。歯医者さんもあの姿勢を考えるとなんとなく分かる。CAがハードワークなのは当然だが、やはり腰痛持ちが多いと聞いた。
CAの方に聞いてみると「姿勢のチェック」もされるらしい(今はどうなんだろう?)。つまり、歪みがあるからだで仕事をすると、腰痛や故障を起こしやすいかららしい。

ダンスをやっている男性は、歪みがひどいのでダンスの練習をする時に相手をしてもらえない、と言っていた。確かに相手のからだがひどく歪んでいたら、ペアを組むのはためらわれるかもしれない。ダンスにとって、歪んでいるというのは相当なダメージらしい。

ダンスと言えば、私の受講生にバレエの先生がいる。子供にバレエを教えているのだが、子供の歪みが著しいらしい。バレエも基本は姿勢なので、歪みのない状態でやるのが一番いいのだろうが、お母さん方は「バレエをやれば姿勢が良くなる」と思っているらしい。歪んだからだで練習しても上達しないのは当然だろう。なので彼女は子供達を少しづつ調整しながら、バレエを教えているそうだ。

橋本先生の本を読んでみると、赤ちゃんや子供の歪みやすさについて警告している。母乳育ちで左右両方から均等に授乳された赤ちゃんと、ほ乳瓶で、いつも片方側から授乳されている赤ちゃんとでは、後者は顔が歪んでくるので、母乳かミルクか分かるよ、と言っているのである。また、お父ちゃんが右でお母ちゃんが左、子供はいつも真ん中で寝かせても歪むよ、と言っている。赤ちゃんや子供の歪みは環境の関与が大きいようだ。

ところで、私が三浦先生に初めてか二度目にお会いした時、一番驚いたのは、足を堂々と組んで、椅子に寄りかかっておられたことだ。普通私達は「足を組むのは歪みのもとだから組まないように」という指導をする。
これは、「身体運動の法則」が身に付いていれば、少しくらい足を組んでも大丈夫なのである。

もうひとつ。三浦先生は私の前で床に落ちたものを拾われたことがある。その時、私が「えっ?」と思ったのは、先生は足をほぼ平行にしたままだったのである。普通であれば「右利きだったら左足を半歩前に出して拾う」と指導するはずだ。
その後すぐ気がついたのだが、先生は左足を半歩出していなかったが、左足に体重をかけていたのだ
そういう対処の仕方もあるんだな、と感心したのを覚えている。

姿勢と言えば、今朝道を歩いていたら、前を会社員風の女性が歩いていた。やけに足音が大きかったので気づいたのだ。彼女はピンヒールの8センチ位のパンプスを履いていたが、ヒールがすり減って安定が悪い状態で歩いていた。体重は明らかに小指にかかっている。自分もヒールの高い靴は嫌いではないが、履いたら足とヒールの手入れはしたほうがいい。

小指側に体重がかかるのは、O脚の原因にもなる。