操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

操体でできること。

私が「大阪の兄ぃ」と呼んでいるお方が書いていた。

原発から80キロ圏内を戒厳令下にして、立ち入り禁止にして、
津波の被害を受けたところをすべて封鎖する、そして警察官・自衛隊・政府の役人しか、入れないようにする。
そして津波の被害を受けたところは詳細に記録をとって、町を再現する。

仕事がない人に給料を出し、建設業界に復興の仕事を回す。

それくらい、国がお金を出してもいいんじゃないか。

被災された方は、現在空いている「かんぽの宿」などで、暫くゆっくりしていただく。ボランティアはそちらに行く。そういうところに集まってもらえれば、私達も「操体」を届けに行ける。

特に「足趾の操法」は、こういう時非常に効果的だ

操法の合間にちょこちょこやるものではなく、その名の通り「操法」として用いることができる。操体の数ある引き出しの中で、自分ではなかなか動かしにくい足趾に対し、唯一他力である。
これだけでも充分臨床が成り立つ。


臨床が成り立つと同時に、深いリラクゼーションも期待できる。途中で爆睡する人は多い。からだが眠りを要求しているのに、神経が高ぶって眠れないことがあるが、これにも対応できる。

しかし、昨年のマドリッドのフォーラムでも痛感したが、きもちよさがこれほどストレートに伝わるものはない。寝たきりの方、小さな子、赤ちゃんにだって大丈夫だ。病院にお見舞いに行ってやることもある。猫にも試したことがあるけれど、まんざらでもなさそうだった。つまり、動けないとか、言葉が通じなくても大丈夫なのである。

地震の後診せていただいたクライアントの方々は、ストレスと疲れのせいか、足の指が固くなっていて、痛みを覚えるケースが多かったようだ。
固くなると足が冷える。足趾の操法を進めるに従って、足が温まり、柔らかくなってくる。

先週末診せて頂いたのは、中学1年女子Aさん。初診でお母さんと一緒。猫背が気になるとのこと。足趾が冷えて固くなっている。学校と色々なお稽古事で忙しいらしい。地震後のストレスだろうか、少し元気がない表情だ。
私はAさんの猫背(というよりは、両手前腕が過度に内旋しており、両肩が上がっている状態)の原因がすぐ分かった(これは今は書かないことにする)。
それから足趾の操法をじっくり行った。最中に両手を頭上に無意識のうちに投げ出している。これもからだが要求する動きだ。
その後幾つかの動診と操法を行った。頭部に座し、気になるのでこめかみの辺りに軽く触れていると、突然無意識の動きが起こった。側で見ていたお母さんも目を見張っている。

落ち着いてから「ゆっくり起きて下さい」と、声をかけると、にっこりしながら起き上がってきた。

立って、足踏み、膝の屈伸、部屋の中を歩いてもらってから再度立位をとってもらうと、背筋がしゃん、と伸びている。お母さんも驚いている。

足趾の操法で、きもちよさを充分味わっていただいたからだろう。