操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

操体・操体法的考察。「楽と快」について

 常日頃から、操体を学んでいるのだったら

1.楽と快の区別をつける
2.診断(分析・動診)と治療(操法)の区別をつける

という2つのポイントが大事ですよと言っている。かれこれ10年近く言っているのだが、なかなか広まりを見せない。

何故か?

橋本先生が「楽と快は違う」と言われる前に操体を学んだ先生方がそのままなのと、言葉の上だけで「きもちよさ」をうたう先生がおられるからだ。

そして、「どちらがきもちいいですか」と聞いてしまう。そうすると、患者さんはわからないので、いろいろもぞもぞ動いてみたりする。

なので
「きもちよさを探して〜」と言ってしまうのである。

何度でも書く
・どちらがきもちいいですか
・きもちよさを探して〜
・きもちよさが「出る」ように動いて〜

という指導をしている場合、「楽と快」の区別と、診断と治療の区別がついていないのだ。

操体に興味をお持ちの皆様、これだけは肝に銘じておいて下さいね。

さて、

操体で言うところの、楽ときもちよさの違いなんてわかりません」という人でも、「はぁ」、と納得する説明がある。

「セックスの快感は『楽』ですか?」と聞くと、「いや、アレは楽じゃないですね」と答えるのだ。
これが単純明快な「快」と「楽」の違いだ。
「いやぁ。あれは『楽』ですよ」と言うヒトはいるまい。

この話をすると「操体の快と性的な快は同じなんですか」という人もいるが、これはあくまでも事例である。違うとは言わないが、質が違うのは当然である。
「快」のカバーする範疇は広いのだ。

操体における「楽」と「快」はそれくらい違うんですよ、ということである。

未体験だとよくわからないかもしれないが、第2分析、第3分析の動診、操法を受けてみればわかるはずだ。

というわけで、8月28日(日)京都大徳寺玉林院にて、東京操体フォーラム in 京都を開催致します。
「きもちよさ」未経験の方々のために、実行委員が腕をふるいます。

また「第2分析」「第3分析」の操体臨床を受けられるところは限られています。

第2分析、第3分析を体系化した、私の師匠、三浦寛先生をはじめ、東京操体フォーラム実行委員
(その中でも、一般団法人日本操体指導者協会公認の操体プラクティショナー)です。

楽なほうに動かして「ストン」と抜かせるのを体験してもいいけれど、第2分析、第3分析を味わってしまい、質の高い「快」を味わってしまった自分としては、「質の高い快を味わってもらいたいな」と思う。