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操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

腰痛と操体。操体とストレス。

 昨日、たまたま普段は絶対見ない「ためしてガッテン」を見ていたら、腰痛の原因は「椎間板ではない」というのをやっていた。私は昔から「椎間板だけなわけないじゃん」とか「手術しても5年後は同じ」ということは10年以上前から知っていた。本当の腰痛の原因って「原因不明」が殆どだよな、もしくはストレスだよな、と思っていたらやはり腰痛の85%は原因不明で、椎間板が原因なのは5%らしい。以前「腰痛は怒りが原因」という本があったが、なぜストレスで痛みがひどくなるか。もともと脳には、痛みを抑える物質を分泌させる機能を司るところがある。ところがストレスによって、その機能が低下する。低下すると痛みを抑える物質が出なくなり、脳に直接「痛てぇ!」という信号が伝わるため、のたうち回るような痛みになるらしい。
これを聞いて、なるほど、橋本敬三先生(大師匠)は40年前『自分がやっていることは60年先を行ってるから、今理解されなくても仕方ない』と言われていたそうだが、橋本先生の言われたことが、科学的に解明されてきている。
操体が何故症状疾患の改善を促すのか。それは「快」というストレス解消には最高の「くすり」の分泌を助けるからである。
きもちのよさでよくなる、ということがやっと一般にも広まってきたのだ。私達は昔から知っていたが、「エビデンス」とか「何でやねん」とか、体験もせずに「理解できん」とかいう人々は納得していなかったのだ。

というわけで、操体の出番じゃないか。

操体には今のところ幾つかの診断法がある。
第1分析 例えば、首を左右に回して、左に回しにくかったら、楽な動き、右に回して暫くキープし、瞬間脱力させる。対なる二つの動きを比較対照して、楽な方、可動域の大きい方、スムースな方をに動かして脱力させる。日本いや世界で操体をやっている人達の98%はこれが操体だと思っている。
運動分析、相対的な診断法である。

第2分析 橋本敬三先生が現役を退いたのは85歳の時。楽よりも「快(きもちよさ)」だと知ってはいたのだが「儂(ワシ)にはもう時間がない」と言われ、「きもちよさでよくなるんだよ」と、愛弟子に「楽」という運動分析から、「快」という感覚分析へのシフトチェンジを託した。
託されたのが、わが師匠である。
師匠も相当たまげたらしい。今まで『楽な方に動かして』と14年やってきたのに、いきなり「きもちよさでよくなる」と言われたのだから。
そこで、対なる動きを比較するのではなく首を回すのだったら「首を右に回した動きに快適感覚がききわけられるのか」と、ひとつひとつの動きに快適感覚の有無をききわけさせる診断法を体系づけた。第2分析ではこの、ききわけられたきもちよさを、からだの要求に従って味わうのが「操法」すなわち治療となる。

第3分析
操体には盲点がある。それは「動けない人はどうすればいいのか」ということである。またからだ自身が強度のストレスによって、「きもちよさをキャッチする」という感覚を遮断している場合がある。そのような時に産まれたのが「皮膚へのアプローチ」、第3分析である。
橋本先生の本に「運動系とは横紋筋系運動器官のことで、骨格を王とする硬組織と、筋肉から皮膚までを含めた軟部組織とを総称する」という一節がある(からだの設計にミスはない 152ページ)。師匠はこれを読んで「皮膚」に気がついたそうである。からだの動きは8つあるが、皮膚も運動系としてみれば8つの動きである。
そこから皮膚へのアプローチが生まれた。
師匠以外にも皮膚に対してアプローチをしている先生方もおられるが、一番の違いは「刺激か刺激でないか」というところだ。
捻るとか引っ張るとか押すとかというのは刺激である。私達がやっているのは「刺激にならない皮膚への接触」でこれを「渦状波」(カジョウハ)という。これは商標登録もされている。

★諸般の事情で「渦状波」という言葉が使えない方は「皮膚の歪みをとる方法」とか、そんな言い方もしている。

★見よう見まねでやっている人を見たが、全く違うことをやっていた。「渦状波」ができるのは、操体法東京研究会で学んだ先生方なので、その辺りはご注意願いたい。というのは「渦状波」は他では教えていないからである。

刺激にならない皮膚への接触は、無意識にダイレクトに繋がってゆく。意識飛びや、突然深い瞬間的な眠りに落ちるのは無意識とつながるからである。笑ってしまう、涙が出る、からだが勝手に動いてしまうというのは無意識とコンタクトしているからだ。
また、無意識とのコンタクトによる「快」は、肉体的な快を越えるのだ。また、ストレスの度合いが大きければ大きいほどその快感度は大きいようにも思える。
皮膚は「快の器」なのだ。

腰痛の原因が、腰痛にかぎらず

なお、第3分析以上の「第4分析」「第5分析」なども存在する。ますます操体の出番である。