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操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

春のフォーラムで操体の第1分析の指導をするわけ。

来春のフォーラムは「研究会」という形で実技指導をすることになった。それも指導内容は第1分析である。なぜそのような過程になったのか、少し書いておこうと思う。

私が最初に習った操体は、第1分析そのものであった。その次に習ったのは、根本良一氏(連動操体)、(故)滝津弥一郎氏(癒動操体)の流れを組む、カイロあるいは均整法に近いものだった。これはこれで十分効果があり、ある筋肉を狙い撃ちしてゆるめるとか、圧痛硬結を即時に取り去るという事に関しては即効性があった。

三浦先生に師事する以前から気がついていたのは、筋肉を操作すると骨(骨格)へのアプローチになり、皮膚を操作すると、筋肉へのアプローチになるということだった。つまり、知らず知らずのうちに、第1分析を用いながら皮膚を使っていたのである。これが今の私の介助方、補助法の原点にあたるのだと思う。

その後、それまでやっていたものを全て捨てて、三浦先生に師事したわけだが、捨ててもそれが全部パアになったわけではない。それらの第1分析は、第2分析として再利用可能ということが分かってきたのである。また、第1分析も第2分析もできるということは、クライアントによって微妙に使い分けたりすることもできる。

第1分析が悪い、とか、否定しているわけではないのだ。何が良くないかと言えば、第1分析と第2分析の区別がつかないのに、それをそのままやっているということなのだ。

操体実践者の悩みナンバーワンは「どちらがきもちいいですか、と聞いても患者さんがわからないという」ということだ。非常に比較対照しにくいことを聞いているので、答えにくいのは当然であえる。

第1分析と第2分析の区別(楽と快の違い)の啓蒙が、現在の操体における重要課題だと思われる。

第1分析の指導も必要だと思った理由はもう一つある。第1分析で有名な動診操法と言えば、膝の左右傾倒だろう。これも操体法東京研究会定例講習会で習うものである。やるのは当然ながら第2分析だ。

ある時、非常にショッキングなことがあった。二年間操体法東京研究会で勉強した臨床家が、二年目の最終日にその集大成として三浦先生の前で実技を行ったのである。彼が被験者に対して発した言葉は

「膝を右に倒すのと、左に倒すのと、どちらが心地いいですか?」だったのである。「どちらがきもちいいですか」ではないが、「ここちよさ」を比較対照しているのである。更に「抜きたくなったら抜いて下さい」第1分析の脱力法を指導しているのである。

二年間ここで勉強していてこれかい??と、私は衝撃を隠しきれなかった。しかし冷静になって考えてみると、

1.第1分析と第2分析の違いが本当にわかっていない

2.患者が快適感覚をききわけられるような、介助と言葉の誘導ができていない

3. 「きもちよさ」という言葉に照れがあり、「心地よさ」という言葉を使っている

4.三浦先生も第1分析の時は「抜きたくなったら抜いて」という誘導をされるが、この講習ではやっていない。今先生のDVDでそういう指導をされているので、多分今先生のDVDを参考にしているのだろう。

ちなみに、今先生のやり方は、高等な技を用いた、限りなく第2分析に近い第1分析と言える。「きもちよさが比較的ききわけやすく、表現しやすい動き」を知っているのと、「きもちよく動ける動き」をセッティング済みなのである。これは橋本先生も同様だ。だから「きもちよく動いてよぉ〜」と、もっていけるのである。普通の人が真似して「きもちよく動いてよぉ〜」と言っても「きもちよく動けない」のは当然なのだ。簡単にホイホイやっているように見えるかもしれないが、高度な技術と長年のカンと巧みな言葉の誘導で操法を行っているのだ。

★要するに彼は、第2分析を学び、第1分析の断片的な知識を得たために、それらをミックスした。それが先程のような膝の左右傾倒になったのだ。

この時「第1分析は第1分析でしっかり指導したほうがいいのでは」と思った。ヘンな第2分析もどきをされるのだったら、マトモな第1分析をみっちり指導したほうがいいのではと気づいたのである。

というわけで、プログラム作成中である。お楽しみに。開催は2012年4月22日(日)津田ホールにて