操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

感覚を磨く方法

 操体だけではない。最近「感覚を磨く」という言葉をよく見かける。

「感覚鈍磨」が、近年の疾病の主な原因ではないかと思うくらいだ。例えば「からだの声」に気づかないから、病気になる。辛いことが多すぎて感覚を遮断してしまう場合もある。

または、情報過多で、アタマを使いすぎている場合がある。
実際、考えすぎでアタマがぐるぐるしてしまい、それで混乱している場合もある。受講生から聞いたところ、不妊の原因も、頭を使いすぎて女性の生殖本能のバランスが崩れていることから来る場合が多いらしい。これは、知能指数云々えではなく、どうやら「アタマの使いすぎ」にあるようだ。
アタマを使いすぎても感覚は鈍磨するのだろうと思う。

「感覚」とは何だろう。
多分それは「原始感覚」である。「快か不快かききわけちから」、それが原始感覚だ。
最近は「決めることを他者に委ねる」ということが多い。占いも「天気予報」のように使えばいいと思うが、何でも占い師に頼るということは、「自分で決める」ことを放棄することでもある。「他者委譲」と言っていたが、何かやって失敗したら、占い師のせいにすればいいので、自己責任を逃れることができる。

企業もコンサルタントを雇っていろいろやってみるが、失敗すればコンサルティング会社の責任にすればいい。

操体を受けると「どんな感じか」か、と聞かれる。今まで「何でもセンセイのいう通り」だった人は少し驚く。
「自分のからだなんだから、自分しかわからないでしょう」「私には貴方の感覚がわからない。せめて貴方が感じた感覚を教えて下さい。そうすれば上手く導きます」ということなのだ。

操体はつきつめれば「自己責任」である。息食動想の最小限必須責任生活を「間に合う程度」にやっていないからだ。
師匠から「こんなに悪くしたのは『生き方が間違っているからだ』」という言葉を聞くことがある。「生き方が間違っている」とは厳しく聞こえる言葉だが、「息食動想」という最小限必須責任生活(他者にかわってもらえない営み)を「間に合っている」ようにしていないことを指す。

どうすれば感覚(原始感覚)を磨けるのか。いくつか考えてみた。
当たり前のようだが

・早寝早起き(おでこ朝日を当て「概日リズム」を整える
・般若身経(操体)、太極拳、立禅など、内部感覚に耳を傾けることをやる
ゆっくり動くこと、自分の動きとからだの動きは違うということに注意を払う
・情報に惑わされずに、食事を摂る。最近は「お腹がぐ〜っとなってから一時間位経つと、若返りホルモンが分泌される」と言われている。
・適度な運動
・瞑想
・レベルの高い人とお付き合いする
・旅をする。特に外国など、文化の違うところに行き、刺激を受ける
・本を読む
・日記をつける
・お洒落をする
・鏡を見る時間を作る

などが浮かぶ。

何だか「息食動想」っぽくなってきたが(笑)思いつくのはこんなところだろうか。