操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

操体の講習。第一分析は第一分析でも。

今年の春のフォーラムでは、実行委員がそれぞれ班をつくり、班長を置いて、
ひかがみの触診、膝の左右傾倒、足関節の背屈などの実技指導を行った。
これは「第一分析」である。(対になった二つの動きを比較対照し、辛い方から楽なほうに動かし、動きをたわめ、
瞬間急速脱力に導く)

これらの中には、身体運動の法則に基づいた「作法」が折り込まれている。
作法にのっとるとどうなるか。
運動効率があがり、つかれにくく、フォームが美しくなり、心が平静になる。

面白いことに、見た目が美しいと、結果もちゃんと出ているものなのだ。
操体をはたでみていて「ああ、フォームがきれいだな」と思ったら、それはまず
決まっていると思っていいだろう。
一人で自力自動の操体をやる場合でも、鏡を見て
「あ、キレイなフォームだし、なんとなくワタシって各好いい」
と思えば、それは決まっているのだ。

さて、第一分析を目の敵にしているわけではない。三浦先生も私も、第一分析から入った。それから第二、第三と進んでいったのだ。
実際に臨床で第一分析を使うことがある。

ところで、第一分析も、作法を守り、丁寧にやると、限りなく第二分析に近づくことはご存じだろうか? 

ふわりと、軽やかに、それも可能だ。

うつ伏せに寝て、膝を伸ばす動診がある。私は昔から「力を抜かせて、膝を床に落とすのって、被験者に申し訳ないなあ」と思っていたので、床に落とすことはしなかった。

膝の左右傾倒(膝たおし)も、脱力の際、操者が膝を支えている手を急に外すと、
被験者に申し訳ないなあ」と思ったので、脱力した膝は支えるようにしていた。
★支えている膝をいきなり放すデモンストレーションをすると、笑う人がいるが、これを結構やっている場合が多い。もしやっていたら、被験者のからだに負担がかかるので、やめて下さい。

のちのち、三浦先生に聞いてみたら、先生も膝を床に落としたら、患者さんが気の毒だと思い、落としていなかったそうだ。

こういう創意工夫と、いかに被験者(患者様)に、負担をかけないかということを
考えると、おのずといいものになっていく。
第一分析でも、十分な結果は出せるのだ。

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あんまり関係ありませんが、気仙沼
伏見男山蒼天伝。