操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

足趾の操法®と、指もみはどう違うのか?

後輩のH君に

「週末を利用して操体関係の動画を見ていまして『三浦寛 指もみ』と
いうキーワードで探したら、ある人が出てきたんですが、ご存じですか?」
と聞かれた。

たまたまノートブックを持っていたので、調べて見ると知っている人だった。
20年前以上、いやもっと前に三浦先生の講習に参加していた受講生の方。
先輩と言えば先輩にあたり、ごくたまにフォーラムにもいらっしゃったり。

その筋によるとその方は「橋本敬三先生時代の操体に戻ろう」という
主張をされているそうな。
まあ、それは構わないと思うが、果たして人々のからだと21世紀という時代、
800年サイクルの陰の時代に入って70年経ち、本格的な陰の時代に
入っている2013年を考えると、40年前あるいは50年前の操体が、
現在の人間のからだにとって「間に合うものなのか」と思うこともある。
「からだの設計にミスはない」の巻末で紹介されている
「社会進捗曲線」には時代の流れが記載されている。
時代は変わっているのだ。

からだの設計にミスはない―操体の原理

からだの設計にミスはない―操体の原理

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そういえば、殺虫剤が効かない「スーパー南京虫」とか
駆除しにくい「ネズミ」とか、の出現が問題というか話題になっているが、
人体に発生する症状疾患もより強力になっているのではないか?と
思ったりする。 

いずれにせよ、最近は『楽(な動き)』では、からだもこころも
治りにくくなっている。『快(適感覚)』でないと治りにくいのが現状だ。

 

足趾の操法®と、指もみはどう違うのか?
一言で言うと、被験者が味わうことができる快感度の違いだ。 
特に「おさめ」の存在で、快感度が格別に進化している。 

「指もみ」は、ゆらす、おとす、もむの3通りから成っている。
橋本敬三先生が70歳から72歳まで実際に臨床で行ったおられた。
その後何らかの理由でお止めになったらしいが、それは年月を経て、
様々な先生方に広まっている。
その「指もみ」に、5つのバリエーションを加え、更に快感度の質を
飛躍的に上げる「納め」を三浦先生が考案された。

更に、そこに畠山が20年近い年月をかけて研究している「趾廻し」を加えたもの、それが「足趾の操法®」である。

「®」のマークがついているが、これは一般社団法人日本操体指導者協会の
商標登録となっており、ライセンス認定制になっている。
(規定の操体の講習に加え、集団レッスンなら60時間、個人レッスンなら45時間) 

これだけでも十分臨床に用いることができるし、深いリラックスと
身心の安定をはかることができる。ボディの歪みも解消できる。
自分が「足趾の操法」を主に指導しているというからではないが、
これこそ「万病を治せる妙療法」ではないかと思う事もあるし「きもちのよさで良くなる」という事実を体験しやすいものでもあるからだ。

実際に、操体臨床で用いてよい、という認定
「足趾の操法アドバイザー」もある。

さて「指もみ」と「足趾の操法®」はどう違うのか。
まず、操法の数が違う。「指もみ」は3つ。足趾は9つ。
ポジション。
指もみは被験者のポジションは仰臥位(仰向け)だが「足趾」は
伏臥位など、バリエーションに飛んでいる。

「おさめ」。
「指もみ」には「おさめ(納め)」というものがない。
何故なら、よりよい快適感覚、からだが納得する快適感覚のために、
三浦先生が考案したものだから。
「趾廻し」。
これは「指もみ」には含まれていない。
畠山が長年かけて練っている手法であるからだ。
また、これらは指尖(しせん)を用いる、指腹を使う、
拇指の第一関節のハラを使うなどの微細なやり方が
入っているのもポイントだ。