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操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

触診の極意。生殺しと秒殺。

11月に仙台で開催される、全国操体バランス運動研究会の要旨集向け原稿をやっと書き上げ、師匠に目を通していただいてから送った。
初日の午前中、私は少しばかり時間をいただいて、バレンシアでのフォーラム及び、現在のヨーロッパでの状況と、先日仕入れたアメリカの操体事情について発表する予定なのである。

もともと全国大会(通称「バラ研」)は、もともと橋本敬三先生を囲んで、臨床的な研究をしようという場所だったのだが、1999年の東京大会以後(当時の実行委員長は師匠であった)、「生活に活かす操体」に、テーマ変更している。

さて、先週「視診触診の集中講座」というのをやった。参加者は全て現在操体法東京研究会で受講中の受講生。皆、鍼灸師や柔道整復師の免許は持っておらず、20代後半になってから、操体の臨床家を目指している。よって、視診触診の経験はない。

 

ひかがみ(膝裏)の触診はじめ、橋本敬三先生は「診断しているのだから、遠慮せず診ろ」とおっしゃったそうである。
また「ぴたりと当てろ」と。

 

私はその講習で、ひかがみを触られすぎ、脛骨のキワを押されすぎてしばらく足がおかしかった。まあ、私も色々な人のからだを借りて勉強した。自分のからだを後輩に貸すのも役目の一つだと思っている。


触診の練習台になることは多いが、上手いヒトはぴたっと当て、痛いのはほんの一瞬であり、その後には妙な痛みは残らない。私は「秒殺」と呼んでいる。三浦先生は、「プロならひかがみは10秒で当てろ」とおっしゃる。
ところが、初心者は慣れていないので、圧痛硬結に当たっているのだが、何だか生殺しのような状態で、妙な痛みが後まで残ったりする。

注射をするにも「あれれ?一瞬ちくっとしたけど、もう終わったの?」ということもあれば、何だかヘンな痛みが残ったりすることもある。それと似ているのかもしれない。

私は、これは操者の「呼吸の読み方」にも関係があると思っている。三浦先生は「指先ではなく、目で診ろ」ともおっしゃる。また「探してはいけない」とも。

いずれにせよ、視診触診は誰かのからだを借りて、様々なからだを診せていただき、数をこなすのが一番のようだ。

日本の武術で「居つく」という言葉がある。「居ついてはいけない」のだ。
その辺りにもヒントがありそうな気がする。