操体法大辞典

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操体法 ミドル講習復活と第一分析の操体法(1)

10年程前、プロ向けに「操体ミドル講習」というのをやっていました。
いわゆる「狙い撃ち」というもので、狙いを決めた場所の痛みを瞬時に除去するというものです。痛いからどうにかして欲しいとか、短時間での施術には向いており、相当な数の方々が学んでいかれました。
いわゆる、進化形第一分析です。

しかし、それを教えるのを止めてしまったんです。
というのは「痛み取り屋さん」になったような気がするのと、
「二方向に動かしてみて、快方向を選ぶ」と習ったのですが、「快方向は二者択一では選べない」ことを知ったのと「結局快じゃなくて楽を選択してたんだ」ということに気がついてしまったからなんです。

当時三浦先生に入門したこともありますが、三浦先生の講習では、第一分析(楽か辛いかの二者択一)は教えず、第二分析(快適感覚のききわけ)から指導していらっしゃったので、私も「進化形第一分析」は捨て、指導内容も変えたのです。

 

ところが、捨てたと言ってもちゃんと修めたものですから、その後勉強を続けていくうちに「快適感覚をききわける進化形第一分析」のようになってきました。
そうすると、第二分析のいいところと、第一分析のいいところが活かされて、非常にいい結果がでることがわかってきたのです。

 

そして、操体法東京研究会の講習にサブ講師で出ていて感じたのは
「自分は第一分析を勉強しておいてよかった」ということでした。
第一分析が分かっているから、第二分析の素晴らしさが一層強く感じられるわけです。

その後フォーラムなどでも、初学者に操体を指導するには、まず「第一分析と第二分析の違い」を見せることだと思い、実行してきました。

三浦先生は最初はあまり乗り気ではなかったようです。

しかし、先生も「やはり第一分析を見せたほうがいい」と感じられたということがありました。

それは、スペインでのフォーラムです。スペインでは、まず「きちんとした」第一分析を指導する必要がありました。
また、第二分析は、介助補助法、言葉の誘導、連動学など、高度な分析法を用いるため、日本語が分かる日本人でさえ習得に時間がかかるのに(でも効果はすごい)、一年に二日程度で指導ができるわけがないのです。

というわけで、二回目、三回目のスペインのフォーラムでは「第一分析」D1を徹底的にやりました。

まあ、何を隠そう三浦先生も14年、私も7年程D1をやっていたので、D1は得意なのです(笑)。

まず、D1をちゃんと覚えてから。
そして、D1を限りなく「上等」にやると、限りなくD1(第二分析)に近くなってくるということも分かりました。

最近の三浦先生の講習では「D1とD2の違い」を学ぶ機会が増えています。というのは、臨床家になるのだったらD1を知っていたほうが、D2との違いがわかっていたほうが有利だからです。

まあ、逆に「こんなに違うんか!」と、受講生は驚いているようですが(笑)

 

(2)に続きます