操体法大辞典

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意身伝神。

私はこのブログを書くために「田中泯」という単語を単語登録した。

「意身伝心」

 

意身伝心: コトバとカラダのお作法

意身伝心: コトバとカラダのお作法

 

 ではなく、「意身伝神」。

2013年10月25日に豪徳寺の編集工学研究所 本楼で開催されたイベントである。

http://www.isis.ne.jp/seigowchannel/archives/2013/09/newsisis.html

田中泯松岡正剛『意身伝心』出版記念

井上鑑プロデュース「連歌・鳥の歌」プロジェクト共催

パブロ・カザルス40回忌

*祝・土方巽生誕85年

*石原淋授名記念

(詳細は上記サイト参照)

受付を済ませ、GISISの本楼に入る。巨大なテーブルの一番前が空いていたので、
席をとる。

少し遅れて東京操体フォーラム実行委員の若手三人も到着した。

 

音楽のように、女性が話す英語が流れている。耳を澄ますと"Matsuoka" "Min Tanaka"という名前が聞こえる。松岡校長(私にとってはISIS編集学校の校長なのだ)が登場し、雑談のように話を始める。校長とご縁があった同時通訳の方が、松岡&田中泯対談を聞きながら同時通訳したいということで、同時通訳しているのだそうである。

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いよいよ開演。

坂田明氏のサックス(と、クラリネット?)がもの悲しく鳴り響く。
気がつくと、田中泯氏が石原淋氏を背負って立っている。
淋さんは黒い紋付きを羽織り、赤い着物を着て、帯を前で締め、黒い細いパンツ姿。
泯さんは黒いロングコートに、長靴(ブーツ)姿である。
淋さんをテーブルに下ろし、舞が始まる。

どうやら今日のテーマの一つでもある「鳥の歌」に関係あるようだ。

 

その後、井上鑑氏、坂田明氏、バカボン鈴木氏による演奏をバックに
泯さんと淋さんが舞う。最近は「舞踏」ではなく「場踊り」らしい。

松岡校長の「語り」も音楽と踊りに溶け込んでいる。凄い空間だ。

 淋さんが踊っている時、最初に目についたのは、真っ赤なペディキュアに彩られた
足だった。足趾が床をしっかりつかんでいる。地面をしっかり掴んでいるのだ。

その次に、師匠である泯さんの足を見た。やはり地面をしっかり掴んでいた。

その足から暫く目が離せなくなってしまった。
隣に座っている師匠(三浦寛先生)を見ると、やはり私同様泯さんの足に釘付けになっているようだった。あのように地面をしっかり掴む足趾(あしゆび)を私は久しぶりに見たような気がした。

近くで見ると踊り手の呼吸が伝わってくる。また、背筋が伸びていて、細いけれど鍛え抜かれた筋肉と、表現豊かな肩胛骨がピンクのシャツの上からでもわかった。

「身体運動研究家&操体臨床家」のはしくれとしては、やはり目が行ってしまうのである(笑)。


その後は泯さんの作った野菜を使ったご馳走が並んだ。

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左 田中泯氏。 右 石原淋氏 

 

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田中泯さんが作った「みんじゃが」。アメリカのネイティブが作っている

じゃがいもらしい。塩をつけたら美味しかった。

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並んだご馳走。音楽がお腹に響くと「ハラがへる」のだ。

その後ゲストによるトーク。

昨年「未詳倶楽部」でお目にかかった三味線奏者の本條秀太郎師匠が一声歌い、
坂田明氏が「貝殻節」を歌えば、松岡さんが合いの手を入れ、さすが芸達者が多いと
楽しいねぇ、と思う。
ちなみに井上鑑氏は、師匠と長いことご縁のある音楽プロデューサーの方ともご縁がある。坂田明氏は、12月、東京操体フォーラムの相談役である巻上公一率いるヒカシューのクリスマスコンサートに出演する。

何だか巡り巡って色々なご縁が見えてきた。

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京都の三浦さん(未詳倶楽部でご一緒しました)制作という巨大なテーブル、
本日使い初め。舞台にもなるし、テーブルにもなる。

それにしても何という贅沢な空間だったのだろう。

数万冊の本が並ぶ天井の高い「本楼」で、プロ中のプロ達の生演奏を聞きながら、「場踊り」を体験し、美味しいものをいただく。

本当に贅沢ではないか。

 

ちらっと聞くところによると、また企画しているとか。

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泯さんの足。