2013年6月~2014年5月に行われていた「足趾の操法集中講座」が終わりました。
殆どのメンバーが無事に「足趾の操法アドバイザー」の認定を受けました。
今回は補講もあり、期間が少し長くなりました。今までの9つの操法に加え、新しいものが加わったこともあります。
参加者は、全員「普通の人」(つまり、鍼灸師とか柔道整復師とか、理学療法士ではない)です。
途中、何名かが健康運動指導士、スポーツプログラマーに合格しました。
なお、受講生の中には、5月17日開催の「2014伝統療法カンファレンス」にて、実際にクライアントからお金を戴いて、プロデビューした方もいます。
★足趾の操法は一般社団法人日本操体指導者協会の登録商標です。
「指モミ」「ゆらし」との違いは「納め」があること。
また、横足根洞など、新しくより効果があり、快感度が高いものを提供しております。
伝統療法カンファレンスにて
岩吉新 東京操体フォーラム実行委員
「足趾の操法集中講座」
きもちよさをききわけることが苦手な人がいらっしゃいますが、
そんな人でもきもちよさを味わえてしまう
万病に効く「妙療法」とはまさにこの事かと思います。
からだのバランスを整えることは、まずからだの根本・根幹である末端の足から行うという教えがあります。
講座では足趾の操法を体験しつつ、丁寧でしかも普通では教われない「コツ」も教えて頂けます。
プロの臨生家として治療法として大活躍します。また病気にならないよう未病医学として家族や知人にやるもよしです。
更に通常の操体講習と絡めて身につければ、快適感覚というものがわかるかと思います。
きもちが良くて、からだが良くなるとは、なんて素晴らしい事なんでしょう。からだはよくできてますね。
是非、自分自身のからだの内部にある「勇気」をききわけて味わいつつ受講してみて下さい。
本物の足趾の操法が学べるのは世界でここだけです。
つまり世界一ということです。
お勧めいたします。
香(こう) 東京操体フォーラム実行委員
足趾の操法講習会受講レポート
1.足趾の操法を実施し、特に印象に残る2例
①女性 90代
1回目の操法
膝関節変形症により、25年〜30年屈曲できなかった膝が、屈曲可能となった。
“指のもみ”を実施し、その後“おとし”を実施している最中に、突然身体を自由に動かしだし、膝が屈曲した。
4回目の操法
足首から指先にかけての皮膚が視診上も、1回目の実施から、確実に変化している。しわがきめ細かくなり、皮膚が年齢よりも若い。今までは、血液循環が悪くなり、大腿部から末梢にかけて皮膚は、「パチン、パチンとひかり、指先においては、紫色に変色している」こともあった。しかし、今回はそのような変化は見られない。前回の足趾の操法から約1ヶ月間経過している。
今回は、足指の“もみ”と“回し”を実施。
操法後、左大腿部からの皮膚に変化がみられた。また、足首から指先の皮膚が「フワッ」としている。地面(床)に足がしっかりと着いている印象がある。操法後の視診から、今まで屈曲のできなかった左膝関節よりも、右足の変化が著名に観察できた。
5回目の操法
両膝は屈曲可能である。
患者は左膝関節よりも右膝関節の痛みの訴えが強くなる。
足首は左右への開閉、底屈、背屈、回旋ができる。
血液循環は良い。足の指先の異常なこわばりは診られなく、地面にしっかりと立っていると印象が強い。皮膚もやわらかい。
②女性 20代
精神疾患があり、けいれん様症状がある。(てんかん発作ではないと診断されている。)
右上半身にけいれん様症状が出現。(ベットに仰臥位)特に首を右捻転する動きが著名。症状が出現中に、左足内踝下あたりに“もみ”を実施する。右捻転していた(硬直しているような状態)首が、内踝に触れた際に、緩やかに左捻転をする。触れている左足は全体的に浮腫がある。2〜3分程度“もみ”を続けていると、症状は治まり、座位での姿勢保持が可能となる。(姿勢は指示ではなく本人の意思である。)座位の姿勢から5分程度すると、左側臥位になる。(姿勢は指示ではなく、本人の意思である。)左側臥位に体位が変わり、右手首がよく観察できる状態となる。尺骨茎状突起を触診する。内側に硬結がある。首は左側屈ぎみである。呼吸は深くなり、けいれん様症状は治まっている。
再度、仰臥位になったため、両足を触診すると、浮腫に変化がみられた。
2、足趾の操法を実施し、共通して観察できる変化
① 操者からすると寝ている様に観察されるが、操法実施後に患者に確認すると、いつも以上に周りの音、気配がよくわかったとの回答が多い。
② 皮膚に変化が表れる。血液循環が良好になる。やわらかい。「ふわっ」としている。異常な皮膚の張りがない。
③ 呼吸が深くなる。
④ 実施している最中に寒さを訴えることがある。
⑤ 操法の回数を重ねると、リラックス状態への移行がより短時間のうちに観察される。
⑥ 寝ているようであるが、問いかけに対して、敏速な返答が可能である。
⑦ 感謝のことばが返ってくる。
⑧ 操法実施後、からだ全体に変化がある。
⑨ 操法終了後、リラックスしているのか、そのまま「ぼーっ」としていたいというような要求を感じることがある。
⑩ 操法終了後、操法中にトイレに行くことがある。
⑪ 足先から血液循環が良くなり、あたたかさを感じる。
⑫ 操法中、時間の経過以上に、ゆっくりと(ゆったりとした)時間の流れを感じている。
⑬ 精神的にも安定する。
以上のようなことを感じることができた。
3、講習会での学び
この講習会に参加し、私自身が一番変化した事は、人のからだに触れることに対して、「こわい」「どうしよう」「大丈夫だろうか」などの否定的なとらえ方をしなくなったことである。本当にこのような学びの場をいただけたことに感謝している。わからないことを、受講者がわかるように(わかるまで)細かく、丁寧に教えていただける講習会は、とても貴重である。技術指導はもちろんであるが、受講者がわかるレベルで教えていただける学びの場をいただけたことは、「ありがとうございます」のことばに尽きる。
教えていただき、ありがとうございました。
寺本雅一 東京操体フォーラム実行委員
足趾の操法講習に参加して
操体の臨床家の方は言うに及ばず、「快適感覚」という言葉にピンときた方にはぜひとも体感していただきたい講習です。
操体法の臨床全般に言えることですが、「足趾の操法」も道具も何も必要とせず、ミニマムでは「身ひとつ」で通せる臨床であり、かつ、文句なしに「快」を味わえることが、その醍醐味です。この講習の空間は兎に角、「快」です。
そして、「イノチ」の根っこに触れることができること。足趾の操法を通して、「身体運動の法則」の一端を学ぶ事ができることも魅力だと感じています。
講習を通して、実は一生ものの「宝」を、身に納めることも出来ると思います。
あ、とはいいつつもそんなに甘い世界ではありません(笑)
しっかり身に納める為に、段階を経て、ひとつひとつ丁寧に学ぶので、少し腹を据えてとりかかる必要がある。でも、すべて色褪せることのない大切なことなので、しっかり納めていけば、本当に一生ものの財産になります。
そんな講習の空間は切磋琢磨、妥協なき「研鑽」の世界。
「からだ」を通して味わえる、底の見えない、奥深い世界が待っています。
自分自身この操法の妙味を、現在進行形で味わっている最中です。
「うまく言えないけれど私には『職人魂』のようなものがある」
「実は『職人』というものに憧れていた」
というような方。
「文句なし」にお勧めです。
三浦寛幸 東京操体フォーラム実行委員 操体プラクティショナー
「足趾の講習を受講した感想」
操体を学び始めた当初の私に臨床とは何かを教えてくれたのが足趾の操法であった。この講習で学ばせて頂けることが操体の学びの入り口だといっても良いと思う。それだけ足趾の操法には操体の哲学が凝縮されているのである。それはどういうことかというと、操体の哲学にカラダに聞き分けたきもちのよさを味わうというのが中心にある。この感覚を口ではなかなか表現出来るものではない。操体を学ぶ上で、まず最初にカラダが要求してくるきもちのよさとは一体どんな感覚なのか?を知らなければならない。これを体感する一番良い手段になるのが足趾の操法になる。この感覚を体感すると橋本先生の哲学や三浦先生が説かれていることが少しずつ理解出来るようになる。つまり理屈よりも感覚で体感することがとても大切なのである。こういったことを踏まえ、操体に必要な作法や細かな技術を教えて頂けるので身に付く速さや確かな技術が確実に身につけることが出来る。
またこの講習では操体に繋がる様々な情報を提供して頂ける。本や文学のことであったり、文化的なはなしであったり、一見操体とは関係のなさそうな話に聞こえそうなことなのだが、実は大いに関係があることを話して頂けるのだ。私が思うに操体の臨床家は臨床の技術だけが長けていても一流にはなれない。様々な分野の知識を得て、センスを磨いていくことも大切な要素となる。例えばファッション一つ取ってみても定期的に操体を学びに来ている人達の中に服装がだらしない人はまずいない。それは臨床の技術だけでなく、常に自分を磨いている表れなのだと思う。このセンスを磨くことは操体の学びに大切な「感覚」に繋がってくる。この講習では自分磨きのきっかけも与えて頂ける場なのだと思う。
私が操体を学び始めた頃、こういったことを畠山先生から解かり易く教えて頂いた。
この講習で得られたことは現在の私の大きな糧となり、掛けがえのない無形なる財産となっている。