操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

大脳・小脳・脳幹。

 お暑うございます。皆さんお元気にお過ごしでしょうか。

 久しぶりにこの本を読み返してみた。

 

大脳は、情動、感覚、知覚、意志、感情、理性、知性、創造力、判断力、コミュニケーション能力など「人間的はたらき」の、中枢。

小脳は、運動だけでなく、楽器演奏や習い覚えた反応の記憶をたくわえる、手続き記憶、という「体で覚えた記憶」の、中枢。

脳幹は、秒速約500mで1日1回転する地球にあわせ、睡眠、呼吸、代謝、循環、体温調節など「生きる」ことを調整する中枢。

 

 

例えば講習の際、何十人かいると、必ず反復練習をしない参加者がいる。
大脳は「反復練習なんてつまらない」と思うかららしいのだ。

大脳は、「くり返し」をバカらしいと思う。
「それ知ってる」と、くり返しの練習をきらう。
同じ事をくり返すのは「意味がない」、と大脳は思うからです。

けれども、車の運転、語学やダンス、スポーツや楽器演奏、書道など
習い事を身につけるには、
くり返しの反復練習が必要です。

大脳が知っているだけでは、
思うように、体が動いてくれない。

「体で覚える」といわれているのは、
小脳が、手順や手続きを記憶しているのです。

くり返しの反復練習によって、
習い覚えた反応の記憶は、小脳にあります

 

 

しかし、反復練習をしないと、手続き記憶にはならない。

大脳に「反復練習もいいもんだよ」と、納得させて練習するとモノになる。

「50の手習い」ということが書いてあった。
確かに50歳を越えてから、ピアノの練習を始めたとか、楽器の練習を始め、弾けるようになったという話はよく聞く。
ブラインド・タッチを習得した人もいる。

大脳に「反復練習もいいもんだよ」と、納得させたのだ。

 

さて、操体も同じである。

考えてみると、50歳を越しても、単にがむしゃらにやるのではなく、
丁寧な反復練習をこなしていると、上達するのである。

さらに「模範を見る」ということで、大脳がヴィジュアル的に学習する。
★手足を動かさずに、見るだけ、というのがポイント。

 

ちなみに、脳幹は「快」が好きで「不快」がきらいな、イノチの根源である。