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操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

自分でできることと、他者に指導できることの違い。

前回の日曜は、三浦先生が結婚式の主賓に呼ばれていたので
私が午前の「東京操体フォーラム実行委員勉強会」と、
午後の定例講習を担当した。

午前中は「足趾の操法」をメインにやった。

 

午後は定例講習。

長年講習を見ていると気がつくことがある。
操体は「からだの学習」であるから、受講生のからだは
どんどん変わってくる。
最初は「連動」とか「全身が動く」と言っても
「?」という状態なのだが、
からだが学習するに従って、動けるようになってくる。

 

そして今度そうなると、
動きがダイナミックになってきて、感覚を聞き分けられるように
なってくるのだが、そうなると、

ダイナミックになりすぎることがある。
ついついレベルが上の体現をしてしまうのだ。

一人でやる場合にはそれは全く構わないのだが、
これからヒトサマに指導する立場にあるのだから、

「それをコントロールできるのがプロである」と
指導する。

 

自分ができるからっていって
相手もできるとは限らない、ましてや
相手はからだのどこかに不調を抱えたクライアントである。
自然な連動を表現できない確率のほうが高いと
考えるのが妥当である。

 

よく、身体能力の高い操体指導者(彼らは能力が高い故に
最初から動けるし、きもちよさも味わえることがある)が
「ほら、全身がつながって動いてきもちいいでしょ」
という説明をすることがあるらしい。

 

というのは、私のところに

「全身がつながって動いてきもちいい、って
言われたのですが、わかりません」という方が結構いらっしゃるから。

 

「きもちよさ」の押し売りはともかく
(っていうか感覚なので押しつけは論外)
普通のヒトは最初から動けない。

なので、私達は「言葉の誘導」と「連動」を
勉強するのだ。

 

まるっきり初めての方に
ダイナミックで自由なフリースタイルを見せて
「全身が繋がって動いてきもちいいでしょ」と言っても

「できない・・」と自身喪失させてしまう。

 

また、講習の場では「勝手知ったる」メンバーとやっているの
だから、動いてくれるしきもちよさも味わってくれる。

★私はよく講習の場で「初診のクライアントに説明するように
やれ」と言う。同じクラスの仲間同士にのみ通じるような
誘導ははっきり言って「使えない」。

それが当然だと思い、初心者に指導すると、全く通じない、
動いてくれない、わかってくれないということがわかる。

 

現場に出ると「本当に動いてくれない」ということが
わかるはずだ。まあ、これは実際に体験して汗をかくしかない。

 

というわけで、今回は
「自分が指導者である場合、初心者にデモンストレーションで見せる」
ことを想定して動きをとらせた。

 

最初に「初心者に見せるためのデモンストレーション用」をさせ、
次に「熟練者がセルフケアで行う場合(軸とか目線とか呼吸とかを
フル活用したもの)」をやってみた。

この二つは同じ動きであるが、全く違う。
前者が「スコア通り」ならば後者は「アドリブだらけ」である。


この「アドリブだらけ」を最初から被験者に見せて「動け」と
言っても「できましぇん・・」と言われるのは想像できるであろう。

 

テーマは「膝二分の一屈曲位、両手合掌・回旋」である。

 

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★こんな感じ。

 

これは、両手の小指が回旋する方向と、同方向に
膝が傾倒してくる。
そして首は膝が傾倒する方向と反対に「回旋」してくるのが
自然な連動である。

 

★正しい、正しくないではなく、自然、不自然と言う。
何故かというと、間違っているからではなく、
ボディに歪みがあるので「不自然な連動」が起こるから。

 

やってみると、ベテラン部類に入る実行委員メンバーで
数人、首が回旋せずに側屈、あるいは後屈してしまうケースがあった。
歪みがあるのだ。


これは、プロとしては失格(笑)。

歪みがあるのが悪いのではない。

誰かに見本を示すなら、例えどこか歪みがあり、
自然な連動を示すのが大変であっても、
自然な連動を示す(あるいは説明する)ことが
プロの仕事なのである。

 

というわけで、
該当するメンバーの頸椎をチェックすると
皆「逃避反応」が起こるような圧痛硬結があった。

これを「処理」した。

どうやって処理したかというと、
「古典的な第一分析」に、連動理論を加えた
もので「処理」したのである。

その後、みんな動きが「自然」になった。

 

★からだが自然な連動にならない、体現できない、という
場合、ボディの歪み(特に頸椎あたり)を考える。

 

やっぱり操体って面白い・・