何年かに一度、政治家の男性が
「子どもを産まない女性には価値なし」とか、
そういう暴言を発しては撤回している。
「またかい」と思う。
年配の方が多いが、やはり戦前の教育が残っているのだろうか。
私は10年程ヨメに行っていたが、義母に
「腹を切って死んでもいいから孫を産め」と言われた。
(これって、すごい発言。まあ、本心なんだろうけど)
こういう発言は腹立たしいが、中には「子どもが欲しくても産めない人もいる」などもいる。確かにそうだし、世の中には不妊治療などで辛い思いをしている人もいる。
そして、私のように「子どもを持たない」という選択をしている人間もいる。
世の中は多様化しているのに、それに追いついていないのだ。
そんな時に思い出すのが、マーガレット・アトウッドの「侍女の物語」である。
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これは、近未来の中央アメリカの話だ。
多分、設定としては、1990年代のような気がする。
何らかの病気で女性の生殖能力が低下する。
その際、キリスト教系の過激組織がアメリカ政府を制圧し、
女性は財産(銀行口座を凍結される)没収され、
聖書の時代のように、夫のモノとなる。
例えば名前はなく、ジョージの妻(ジョージの所有物)ならば
オブジョージと呼ばれるのだ。
そして、一度出産経験のある女性は「侍女」として、
軍の有力者の家に入る。
上の本の表紙のように、
赤いドレスに白い帽子というのが「侍女」に
決められた格好だ。
聖書によると、妻に子ができなかった場合、
侍女に子を生ませても良いということが書いてあるので、
「儀式」の時、侍女は妻の恥骨の上に頭を乗せるという
ポジジョンで「ご主人」と交わるのである。
この世界では、閉経後の女性は「用無し」として
どこか見えない世界(処分場)へ送られる。
という話だ。