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操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

「健康維持増進」と「加療・治療」の壁(2)

続きです。

 

そういえば、東京オリンピックの「ボランティア」の募集要項が「ブラックすぎる」というのが話題になりました。

 

私が反応したのは「通訳ボランティア」なんですが、何故、一番大事な「コミュニケーション」にボランティアを募集するのかという不思議です。

 

海外にお金をばらまくのに、国内の貧困児童の救済には寄付を募るというのも「バカじゃね~か??」と思いましたが、

 

語学を習得するのは、大変なんですよ。
時間とお金がかかるんですよ。

国際会議の同時通訳さんとか、すごくお金が高いし、実際に聞くとわかりますが、すごい集中力が必要なので、10分位で交代するんですよ。

まあ、そこまでの能力は求められないでしょうが、不思議です。

 

それから、外国人向けの「医療通訳ボランティア」。

何でボランティアなんでしょう。

技能はタダじゃないし、技能を習得するには、お金と時間がかかっているんです。

 

★あ、話を元に戻しましょうね(笑)

 

考えていただきたいのが「健康維持増進エリア」と「加療・治療」エリアの違いです。

 

他の手技療法では、割と違いがはっきりしています。

鍼などはそうですよね。自分で打つことはできますが、免許がなければ、他者に打って商売とすることはできません。

 

操体には、健康維持増進・健康体操としての、未病医学(健康な人が病気にならないためのもの)の分野と、

 

健康の度合いが低く、サポートが必要な場合(自分でなんとかできる度合いまで健康の度合いをアップさせる。つまり、専門家のサポートが必要)があります。

 

つまり、「健康維持増進」と「加療・治療」と、対象目的が二つあるわけです。

この二つの間には、大きな壁があるのです。

 

どういう壁かというと、専門的な勉強という壁です。

 

それは当然です。

健康維持増進と、間に合っていない人を間に合うレベルまで引き上げるには「専門知識」が必要なのです。

 

それには、時間もお金もかかります。

 

★「操体は安い」と言った方がいましたが、それは、橋本敬三先生に対して「超失礼」です。それで生計を立てていらっしゃったのですから。

 

★ また、これもしつこく書きますが「操体をやってもお金をもらってはいけない」と言った方がいました(ある大学の教授とか諸々)。

これも、橋本敬三先生に対して「失礼」であり、操体で生業を立てている専門家に対しても「失礼」です。大学の先生なら、大学から給料を貰っているので、操体でお金を戴かなくてもいいでしょうし、趣味でなさっているなら、他者からお金はいただけないですよね。

 

ちなみに、先の大学の教授が「操体でお金をもらってはいけません」という話をした時、会場の操体臨床家が皆ブーイングをしたのを思い出します。この方は、その瞬間、操体で生業を立てているプロを敵に回したわけです。

 

操体の専門的な勉強に、何故時間がかかるかというと、「感覚の勉強」と「診断分析法」がメインであるのと、操者自身のからだの使い方、動かし方の修練が必要であるのと、言葉の誘導(非常に大事なところですが、意外と気にされていません)、視診触診など、治療家、臨床家としての基礎の部分も勉強するからです。

そして、操体の基本をしっかり習得すれば、橋本敬三先生のおっしゃる通り「他の治療法を観ても、何をやっているかわかるようになる」のです。

 

★私は、健康維持増進などが悪いと言っているわけではありません。それが必要な人もいますし、私自身もそのような指導は行います。

 

操体は簡単です。一日で臨床ができるようになります」というようなところもありますが、それは

「元々十分な素養とベースと臨床経験があって、医学的知識も十分あり、何か他の手技療法などを修めている」

という条件つきのことだと思って下さい。

 

  • 健康維持増進が目的ならば、操体はたのしく、覚えられます。セルフケアもできます
  • しかし、誰かに操体を行いたい(それでお金を得たいなら尚更です)という場合は、専門的な勉強が必要です

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