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操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

足関節の背屈について少し説明しましょう(その1)

最近改めて、介助補助法の詳細を残しておきたいと思うようになりました。

というのは、残っている資料などを見ると、手のかけ方とか、置く場所とか本当にアバウトなんです。

適当でもいいとおもっているかもしれませんが、それは大間違いです。人間のからだは精巧にできており、皮膚感覚という優れた感覚がありますから、触れる場所が一ミリ違っても、感覚が変わります。

 

★で、これを言うと「いろんなやり方とか先生がいるからいいじゃないか」という声を聞きますが、それは「操体の質を上げるため」にはなりません。私共は、より効果があり、健康に貢献できるよりよい手法を考えているのです。

 

 

指導者がマンツーマンで細かく、手のかけ方や方向、力の入れ具合まで指導できればいいのですが。

その前に一番の問題は、受講者が「見ていない」ことです。そしてその回避をすることが大切です。

 

以前、スポーツ関係の講習に参加して、なるほどな、と思ったことがあります。
指導者がデモンストレーションをしているときに、一緒に手足を動かしている人がいるのです。

操体の講習でも、指導者や准指導者がデモンストレーションをしている時に、一緒に手足を動かしたり、一生懸命ノートを取っている人がいたりしますが(はい、これは何度も何度も書きます)、これは、見ていないのです。

 

その昔、師匠の講習時、師匠の模範実技の直後にもかかわらず、その再現ができずに、注意を受けている受講生がいました。その理由は簡単です。

絵が得意だったので、師匠の模範実技をスケッチしていたのです。
スケッチと、模範実技を見て、介助補助を体得するのは、目的が違います。
見るということは、アタマの中にイメージを作ること。
イメージできない動きは再現できません。

 

というわけで、操体法東京研究会の講習では「見るときは見る、書く時は書く」ことに集中させます。

見るのも、診断法と勉強の一つだからです。

 

ちなみに、アタマの良い人や、デバイス使いの方は、iPadで録画してもいいかとか聞いてきますが、基本的に認めていません。というのは、撮っていると、撮ることに夢中になって満足してしまい、結局は習得できないからです。これは、何例も見ていますので、間違いありません。

 

★なお、私は記録のためなどに写真を撮ったり録画はします

 

前置きが長くなりましたが、臨床家にとっては、この「見る」(広い意味での視診)の力も必須のスキルです。見る、観る、診る、視る、など色々な漢字がありますが、それぞれの意味が微妙に違っていて面白いものです。

 

さて、操体法操法の中でも、有名といったらこれ、というのが、足関節の背屈です。

「つま先上げ」という言い方もあります。連動的には「足関節の背屈」よりも、足趾の背屈とかのほうが、連動的には正しいような気もしますが、我々は取り敢えずカルテに書いたりしますので、便宜的に「足関節の背屈」と言っています。「足趾の背屈」と言ってもいいかもしれません。

 

これ、実際には足首を背屈しているような言い方ですが、実は、足趾(あしゆびの付け根)を背屈させています。というのは、足首を反らす、背屈しただけでは、全身形態への連動が起こらないから。

 

よく「操体の足首反らしをやっても効かないことがある」という話を聞きます。
もしくは「効くときとそうでない時がある」という話も聞きます。

★私達は「足首反らし」とは言いません。念のため

 

これは何故でしょう?

 

先程も書きましたが、足首の背屈だけでは、全身形態への連動は促せないからです。

また、これももう一度イラストと写真を載せますので、よ~く視てください。

これは「万病を治せる妙療法」からです。

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これ、ホントに持ち方がアバウトすぎます。

 

そして、同書の写真です。

 

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イラストと、橋本敬三先生の介助法、違いますよね。こちらは指先を少し曲げているのがおわかりでしょうか?

なお、もっと細かいことを言いますと「操体法写真解説集」では、

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よくみてください。指が伸びています。
年代から考えると、この写真のほうが後ですね。

これは、側で実際に橋本敬三先生の臨床を見ており、なおかつ撮影現場に立ち合っていた三浦寛先生によると、当時は、中指と薬指で、ベッドに支えを作っていたのだそうです。やってみると分かりますが、確かに支えを作ったほうが、安定しますし、患者が足首を反らしすぎることを防ぐことができます。

 

★前の写真は「実際の操法の最中」っぽいですが、こちらは「スタジオで撮ったポーズをつけた写真」とみてもいいでしょう。つまり、シチュエーションが違うわけですし、
橋本先生が「よりよい介助法」を発見し実践なさっていたという可能性は大です。

★私達も、三浦先生が「もっといいやり方を見つけた」ということで、新しい介助法をやることが多々あります。日々やっていれば、よりよりやり方が見つかり、それに移行するのは当然です

 

そして、これも再掲しますが、英語版の写真とイラストがアバウトすぎて笑えます。

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WRONG position of the helper.

橋本先生は横からやってませんよね。

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これは「万病」のイラストを描き直したものでしょう。もとが大雑把すぎるので、さらに大雑把になっています。 

 

そうなんです。「万病を治せる妙療法」を読んで、口絵の白黒写真よりも、イラストを参考にする人のほうが多いのではないでしょうか。

 

あれだと、足のどこに手をかけるのか、全くわかりませんし、実際の橋本先生の写真とも違います・・・・。

 

 

というわけで、効果のある、全身形態が連動するやり方を少しご紹介したいと思います。