操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

「どの操法を選べばいいのか?」

先日(本来、第2分析は操体法東京研究会以外では学べないハズなのですが、それはさておき)、あるところで操体を勉強なさった方が

 

「第2分析ではどの操法を選べばいいのか」という質問をなさいました。

 

この質問を分解してみましょう。

 

まず「どの操法」という言い方ですが、これ、正確には「どの動診を選べばいいのか」ということです。

第2分析においては「きもちのよさがききわけられたら」そこからが「操法」なので、第2分析で「操法」に入ったら「きもちのよさに委ね味わう」ことになりますから、タコ踊りしようがブレイクダンスしようが構わないわけです。

 

操体では、診断分析があって、その後に操法があります

★なので「きもちよく好きに動いて」とか「自由に動いて」とか「きもちよさを探してうごいて」と、最初から指導することはありません。もし最初から「きもちよさを探して」と言っているとしたら、「診断分析」をすっ飛ばして、いきなり「操法(治療)」にすすんでいることになります。つまり、操体のセオリーから外れているということです。

 

★ここで「色々な人がいるから色々なやり方があってもいい」ということを言う方がいらっしゃいますが、私が言っているのは「セオリー的に、診断分析に続き、操法(治療)があるのが操体」ということであり、橋本敬三先生の意思を無視し、操体のセオリーを無視して好き勝手にやっているわけではないことと、実際に「臨床的な実り」が得られるかどうかということです。

 

★効果がないとか実感できないとか、満足感がないとか、操者が一方的に「きもちいいでしょ」の押し売りをしているとか、そういうものではありません。

 

 

これは正確に言うと「第2分析では、どの動診を選べばいいのか」ということになります。

 

第2分析では、二者択一の比較対照分析ではありません。
逆に第1分析の場合は、対になった動きを比較対照するので、ポジションは、仰臥、伏臥、正座位、立位、腰掛け位くらいしかありません。

特に側臥位の場合などは、体幹(骨盤)の比較対照ができません。

 

しかし、第2分析は、動きを比較対照しないので、動診の数が第1分析の二倍あり、なおかつ、どんなポジションでも分析可能ということになります。

 

また、右手関節の動きだけでも考えてみると8つあります。左も8つあります。両手を使った場合も考えると右と左が同じ動きで8つ、右と左の反対の動きで8つ(例えば右手は外旋、左は内旋とか)手だけでも34通りあります。足も34通りあります。

さらに、ポジションは無限です。

もの凄い数の「診断分析法」があるのが、第2分析です。

 

 

さて、そこからどの動診を選ぶのか、というのは、操体法東京研究会の受講生からもよく出てくる質問です。

 

それを学ぶのが「操体法東京研究会」の定例講習なのです。

 

www.sotai-miura.com

 

私は「操体の勉強は99パーセントくらいは『診断分析法』の勉強」と言っています。そうすると、殆どの方は驚きます。大抵は「操法の勉強(つまりやり方)」だと思っているから。

 

その、診断分析法には「本人にしかわからない感覚を分析する」ということが含まれているので、時間がかかって当然です。

 

例えば「やり方」だけを教える操体の講習は、肝心の「診断分析法」を学ぶ事ができません。なので、短期間や単発の講習で済むのです。

 

★診断分析法には「楽(な動き)と快(適感覚)」の違いを明確にするという重要なポイントがあります。

これがキモです。

 

これを理解することによって

 

現在の操体界で流れている

「指導者が、楽と快の違いを理解しないまま、言葉の違いだけで操体を教えている」

という致命的なミスを回避することができます。

 

★この「楽と快の違いを理解していない」指導者の診断分析を「迷走分析」と言います。

例を挙げると

  • 楽なほうにきもちよく動いて
  • きもちよさを探して(色々動いて)
  • どちらがきもちいいですか

(これらは全てペケです)

 

などの問いかけです。

 

★診断分析法を知らないとどうなるかというと、

クライアント(被験者)に、知っている操法をありったけおこなって、疲れさせてしまうとか「操体ってよくわかんない」と思われてしまうのです。

 

しかし「診断分析法」を学ぶには、ある程度時間がかかります。

 

操法(やり方)」だけをいくつ習っても、「診断分析法」にはなりません。

 

なお、第3分析(渦状波®)でも「どこに触れればいいのかわからない」という声を聞きます。大抵は操体法東京研究会の受講生ではなく、本などで渦状波について知ったという方々です。

 

これも「操法だけ知っているけれど、診断分析法を知らない」ということです。

第3分析においても「どこに触れるのか」という「診断分析法」を、学ばないと、使うことはできません。

 

第3分析においては、皮膚に対して「刺激にならない接触」を用いますが、世間では「ずらす」「ねじる」「引っ張る」「絞る」などの刺激を「皮膚操体」と言っているケースがありますが、「刺激」と「接触」では雲泥の差がありますし、神経の伝達回路が違います。

★殆どは、三浦先生の「渦状波®」のパクリで、「皮膚への刺激」にとどまっています。何故なら「診断分析法」を学んでいないので、「刺激」しかやりようがないからです。

 

このあたりは、勉強していくとわかりますが、「意識関与」と「無意識への関与」の違いです。

 

第2分析、皮膚へのアプローチ(第3分析、渦状波®)の創案者は三浦寛です。

(本当は他では学べないハズなんですが・・・)

 

習い実践するならば、創案者から直接操体を学んでみませんか?

 

私がなんでこういうことを言うかというと、このブログを読んでくださっているアナタには、遠回りとか、ヘンなものをつかんで欲しくないから。

 

講習は、私も指導者として、先輩として参加します。

 

 

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