操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

白か黒か、ではない

15日には終戦記念日を迎えました。私の亡父は昭和10年生まれだったのですが、終戦の時は丁度10歳です。

 

今思い出すと、それまで「天皇陛下万歳」「現人神」だったのが、いきなり「人間」になり、教科書に墨を塗った。大人がいきなり言うことを180度変えたというのは、10歳の少年ヒロシ君にとって、どんな感じだったのでしょうか。

そんなことを考えたりします。

 

さて、我々は操体の臨床を行う際、骨盤を前弯曲(恥骨を基本とする。腸骨の上部を基本にすると、後傾)させ、背筋を軽く伸ばすという姿勢をとります。また、膝をちからは軽く「ゆるめ」ます。

 

以前「膝をゆるめる」という話をしたところ「膝を曲げる」と同じ意味だととられて、話が混乱したことがあります。

 

「膝をゆるめる」と「膝を曲げる」は、違うのです。

操体実践者ならば、この違い(ゆるめると曲げるの全身形態の状態)くらいは、覚えておいて欲しいものです

 

また、いくら「膝をゆるめる」が基本だといっても、万が一私が間違って(笑)、膝丈のスカートのスーツでハイヒールを履いて、どこかで講演とかするとしましょう。

その場合は、膝丈スカートでハイヒールを履いていれば、膝の裏筋は伸ばして(母趾球でからだは支えるけどね)背筋は伸ばして、腰も少し反らせますよ。

 

日本人の素晴らしいところは、からだを和風にも洋風にも使えるところです。どっちが良くてどっちが悪いとか、どっちが正しくてどっちが間違っているのではなく、臨機応変でいけ、ということなんです。

 

着物を着ている時と、洋装の時では、からだの使い方が違っても当然なのです。

 

以前、ある方(女性)が、男性の指導者から「クマのように堂々とのしのし歩け」と言われたと言っていました。困っているようでした。そりゃそうですよね。

 

私は申し訳ないけれど、笑ってしまいました。

うら若い女性に「クマみたいに歩くのが正しい歩き方だ」という指導をする可笑しさです。うら若い女性がクマみたいに歩いてたら、彼女が着ぐるみを着ているとか、キャラ的に「くまちゃん」でない限り、不自然な感じがしませんか?

 

 

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Master Hiroshi Miura Complete Course Sotai-Ho 30h.

2018年10月18日~21日、マドリッドでの操体セミナーで講義やってきます。

メインは勿論三浦寛先生ですが、私は初級及び全面アシストです。

Mater  Hiromi Hatakeyama と書いてあります。エスパニョールだと
Maestra Hiromi Hatakeyama です。

 

https://shiatsudo.com/en/sotai-en-miura/

 

スペインでは「porque?(ポルケ)」攻撃にあったことを思い出します。

これは Why? という意味で、あちらの人は本当に「Why?」が好きなんですよね。

 

「そうなってんだから、仕方ねぇ(by 操体創始者)」では納得しないし(笑)

 

私も当時はまだ若かった(笑)ので、攻撃をかわそうとか、ポルケ攻撃を発動させないようにするにはとか、色々考えましたが、最初に行った時から8年くらい経ちますので、指導法やメソッドも「ああ、こう伝えればいいんだな」と、わかったような気がします。

 

例えば、座学でしたら、多少本人よりもレベルの高いものを教えても、大丈夫なのですが、操体は「手技」でもあります。
小学生にプロ並みの運動テクニックを教えるのは危険ですし、もっと言うならば、全くの初心者に頸椎の調整を教えて「やってみろ」というくらい危険です。

 

まあ、操体の場合は危険なことは全くありませんが、かといって、物事には「順番」と「タイミング」というものがありますから。

 

というわけで、プログラムを練っています。

 

 

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易の覚え書き(断易)

「断易」ってあまり聞いたことがないかもしれません。

五行易とも言い、台湾でポピュラーです。日本に入ってきたのは江戸時代後期だそうで、周易(一般に言われている易)よりもずっと後です。
確かにあまりやっている人はいません。

私は幸いにも、日本での断易の第一人者である、東海林秀樹先生に師事しています。

 

「何か習うなら、その道のトップに習え」というのが私のポリシーです。

ちなみに、私が易を習っている学校は日本易道学校と言いますが、創立が昭和13年という歴史ある学校です。

「一日で○○を取得して翌日から人様に喜んでいただける」というような広告もよく私のPCの端っこに出てきますが、ここは、じっくり占いを学べるところです。

場所は新大久保。「当たる」ので有名な「皆中稲荷神社(かいちゅういなりじんじゃ)」の近くです。

 

www.nihon-ekidougakkou.org

さて、昨日は断易の授業でした。

受講生から例題を集めてそれを実際に占ってみる、というのをやりました。

サイコロでもコインでもなんでも構わないのですが、八面体サイコロを使うと便利です。八面体サイコロ一個を六回振るというのもありますし、断易箱(6つの部屋に分かれた箱の一つ一つに八面体サイコロを入れて振る)を使うこともあります。

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★こんな感じです。

 

 これは八面体二個と六面一個の「周易用」ですが、この八面体を使うと思って下さい。

 

まず、占的(せんてき)を決めます。

「ある会合にAさんを呼ぶべきか否か」(Aさんを呼んでトラブルが起こらないか)

2018年8月16日は

戊戌(つちのえいぬ)年 庚申(かのえさる)月、庚辰(かのえたつ)日に占筮。
「空亡」は申酉(さるとり)です。

 

八面体サイコロを六回振ります。出たものを下から書いていきますが、

乾は陽、兌は陰、離は陰、震は陽、巽は陰、坎は陽、艮は陽、坤は陰になります。

(乾兌離震巽坎艮坤は、天沢火雷風水山地を示します)

この場合、乾(老陽)か坤(老陰)が出ると、変爻して之卦が生じますが、今回は乾も坤も出なかったので「不変卦」と言います。

★こんな風にみます

右に書いてあるのが日付け、得たのが「山雷頤(さんらいい)」です。

この場合、周易の六十四卦の形を借りているだけなので、山雷頤の意味を読むことはありません。

 

得卦がわかりましたら「納甲表(なっこうひょう)」を使って、それぞれの爻に、用神と十二支をつけていきます(これを納甲、というそうです)。

右側に「寅木」とありますが、寅は五行で言うと「木」にあたるので、分かりやすく書いているのです。

「兄弟」。これは「けいてい」と読みます。左側には「用神」を振ります。

「用神」の選び方を間違えると、占いの結果もおかしくなります。

ちなみに、赤字で「世」と「応」と書いてあるのは、「世爻」「応爻」を表しており、世爻は自分、応爻は相手、のように見て行きます。

 

なお、月は月建、日は日晨(にっしん)といいますが、月建よりも日晨のほうがパワーが強いと言われています。

 

今回、先生は卦をみるなり「ダメだね。呼ばないほうがいい」とおっしゃいました。

そのココロは??

 

まず、本人を表すのは「世爻」戌土です。

そして日晨、庚辰から世爻戌土をみると(日晨十二運という表でみる)「墓」となります。「長生 帝旺 墓 絶」というランクがありますが、墓は「衰弱する、弱くなる、面白くない」などの意味があります。

更に、相手を示す「応」は子水です。これを日晨の庚辰からみると、これも「墓」になります。

どちらも墓ということで、これはAさんを呼んでも本人はつまらないし良い事はないし、相手も面白くないということです。

 

なお、性情を調べるのに「六神(りくじん)」を使いますが、応爻は初爻で、立筮したのが庚辰の日です。「六神卦爻表」でみると、Aさんは「白虎」です。勇猛、刀、武器などを表し「勇猛にして殺戮を好む神(兌の性情をとる)」。これはわりとざっくりとした見方ではありますが、兌の性情を考えると「ぶりっこ」という一面もありそうです。本当は相当強気でしたたかですが、男性の前では「ぶりっこ」をするのでしょう。

 

と、こんな感じでみていきます。

 

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伝統療法カンファレンス2018 南会津

今年も南会津で開催です。

 

伝統療法カンファレンスは、腱引き、筋整流法の小口昭宣先生とのご縁で、数年前から参加させて頂いています。


ご存知の方も多いと思いますが、橋本敬三先生は、福島市に生まれました。小学校の前半は会津若松小(後半は黒磯や米沢に転居)で、明治43年(13歳)で、会津中学に入学されています。

 

今年は「維新150年」と言われていますが、会津の人にとっては「戊辰150周年」です。

★私は日本史が好きな割には「明治維新」あたりに全く興味が持てず、不思議だなと思っていたのですが「八重の桜」あたりで、何故、自分が「明治維新」に興味が持てないのか、何となくわかりました(これはまた別の日に)。



先年、同カンファレンスで三浦先生が挨拶をなさったとき、

橋本敬三先生は、福島市生まれで、会津中学の出身です。南会津操体をご紹介できるのも、何かのご縁です」と仰っていました。

 

 

今年も「一般社団法人日本操体指導者協会」として参加します。

「セルフケア」といえば操体が得意とするところ。

 

kenbiki.jp

 

また、三浦寛先生によるワークショップもありますし、足趾の操法®のブースもあります。そして、去年は大盛況だった、占い(易占@私と三浦先生も占いブースで占いやりました)ブースもあります。

 

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こちらは会場ではありませんが、いつも泊まるところです。去年の写真です。

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こちらも去年の写真です。前日のセッティング時です。ホテル近くの「スペーシア」でカンファレンスを開催します。すごく良い眺めなんです。

 

皆様のお越しをお待ちしております。

 

易の教室(実例編その2)

さて、今回の占的ですが「相方に近寄ってくる女性の真意と今後」です。

 

相方に、ある女性が近寄ってきています。その女性は実業家です。
その女性は、彼女の相方にプレゼントや手紙やメールを頻繁に送ってくるのですが、その女性の真意は何でしょう。また、今後はどうなりますか。

その女性と相方が知り合ったのは、あるお店で、その時は相談者さんも同席していたそうです。女性のほうが興味を持ち、接近してきたといいます。

 

 

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八面体サイコロを振ると、黒いサイコロが「坤(こん)」赤いサイコロが「坎(かん)」、六面体は「四」。

 

坤は地、坎は水なので、地水師(ちすいし)四爻となります。

これを得卦(とくか)と言います。

現在の状況を示しています。

そして、之卦(しか)未来を表す卦を導き出します。

地水師の四爻ですから、四爻を変えます。四爻は陰ですから、これが陽に変わりますので、之卦は雷水解(らいすいかい)になります。

この場合は、爻は関係ありません。雷水解そのものの意味を捉えます。

 

★復習です。地水師は「地水師四爻」から読み取り、之卦雷水解は地水師四爻から変わったものですから、「雷水解」から読み取るのです。

 

さて、地水師四爻ですが、ここから過去を導くと地風升(ちふうしょう)になります。これは私が習っている流派独特のものなので、ここでは触れません。

 

地風升から「過去の、この女性の意図」を読むと、相方の方に、何か相談できそうであるとか、ビジネスに繋がるとか、人間的にも面白そうだと思って近づいてきたようです。

 

現在を示す「地水師四爻」。

これは、プレゼント攻撃??)がおさまる方向に行く事、思ったよりも相方さんから得られる利は少ないと気がついてくることを示しています。

また、その方は、相方さんをいわゆる「子分」にしようとしているのですが、そうはいかないことに、うすうすは気がついているようです。

 

未来を表す「之卦」は「雷水解(らいすいかい)」

これは「撤退」を示しています。得られる利が少ないと分かれば、その方は徐々に去って行きますし、単なる知りあいの一人に戻ります。

また、之卦の裏卦に「風火家人(ふうかかじん)が出ていますので、この方は、言葉遣いには注意すべきであるし、そこから問題が起こる可能性があるという暗示があります。

 

まとめると、その女性は、そのうちに、相方から得られる利益や情報は、期待していたよりも少ないと気がつき、これ以上は利がないと気がつくと同時に、世界が違うことに気づくようです。「雷水解」は「撤退」を示しています。

 

なお、相談者の方から「自分は何か気をつけることはあるでしょうか」と聞かれたので、易を立ててみますと「巽為風(そんいふう)の●爻」を得ました(爻と内容はここでは書きませんが、アドバイスをしました)。

 

★裏卦(りか)卦の陰陽を入れ替えること
★★互卦(ごか)外卦を得卦の三爻から五爻、内卦を得卦の二爻から四爻から得ること

 

 

 

易の教室(実例編その1)

易占ってどうやるの?と、いうリクエストにお応えして、実際に占ってみようかと思います。周易(いわゆる、日本でポピュラーな易)は、何ににているかと言えば、タロットです。周易もタロットも「命占」と言って、その時のタイミングなどを占うものです。

私自身、命占(タロットとか易とかオラクルカード、ジオマンシーなど)は、潜在意識にアクセスし、その情報を写し出しているのだと思っています。

 

何故、当たるのか(易は本当に当たります)ということを考えると、やはり潜在意識(あるいはアカシック・レコード)にアクセスし、情報を得ているのです。

 

というわけで、易はどうやってやるか。

筮竹(ぜいちく)を使う、コインを使う、八面体サイコロを使うなどの方法があります。

 

私は八面体サイコロを使っています。

 乾兌離震巽坎艮坤(けんだりしんそんかんごんこん)と書いてある、赤いサイコロと、黒いサイコロ、初二三四五上 と書かれている「爻」を出すサイコロです。
筮竹も持っていますが、出先などでは便利です。

 易で大事なのは「占的を絞る」ということです。

何を知りたいのか、ということが絞られていないと明確な答えは出ません。

「何でもいいから占ってくれや」ではダメなのです。

 

 

というわけで、実際に占ってみたいと思います。

 

 

Not resistance , an assistance(抵抗ではなく介助)

私達は「抵抗をかける」とは言いません。

というのは、操者が抵抗をかけると、被験者も力んでしまうから。

 

操者が「ぎゅーっと動いて」「ぐーっと頑張って」「ドスンと抜いて」というと、被験者には「りきみ」が入ってしまいます。

 

抵抗から「介助」に移行することによって、優しい感じになります。

 

どこかに不調を抱えている方に接するのですから、力技のような「抵抗」ではなく、「介助補助」のほうが優しい感じがします。

とはいっても、運動充実感(受け手が満足して納得するような加減)は大切です。

「筋力腕力ではないけれど、運動充実感がある」

 

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