操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

マドリッドでの操体セミナーの動画です

2018年10月18日から21日までの四日間、三浦寛先生、畠山でマドリッド操体法セミナーをやってきました。その時の模様をコンパクトにまとめた動画が出来ました。

 

今回は、日本でもそんなにおおっぴらに公表していない「第五分析」も登場したり、「からだの無意識の動き」が発動したり、「自分の動きとからだの動きは違う」ということを伝えたり。

 

 


Sotai-Ho® Seminar, Master Miura | Escuela Japonesa de Shiatsu

お祓いと信心とネガティブなエネルギー

私はプロの易者もしておりますので、よく「仕事運」について聞かれます。

書いたことがあるかもしれませんが、

一家で不動産業をやっている方からのご相談を聞いていて、占筮すると「神仏を祀るとよい」と、出るのです。

 

普通と言ったらヘンですが、土地関係は、何か建物を建てる場合もちゃんとお祓いをしますし、風水や九星気学を勉強している方は、不動産関係の方が多かったりします(方位とかありますから)。

 

「祀るとよい??ってことは、今、祀ってない??」

 

というわけで、聞いてみました。すると、オフィスに神棚も仏壇も、それに相当するものもない、とのこと。

 

「易によると、やはり商売柄、神棚なり仏壇なり、何か仕事運関係をお祀りしてもよいのではないでしょうか」と、伝えると

 

「神棚とか置いたら、絶対儲かるようになるんですか」

 

という答えが返ってきました(汗)

 

いやそうじゃなくて(汗)

 

普通、とっても普通だけど、建物を建てる時って、地鎮祭とかしません?

 

ちなみに、三井グループ関係の三囲(みめぐり)神社は有名です。
私は船会社にいたのですが、虎ノ門商船三井の隣には金比羅様があります。
金比羅様は、海運関係の神様なので、なるほどです)

 

>「神棚とか置いたら、絶対儲かるようになるんですか」

っていうのは、順番が逆ではないかと思うんですよ。

 

何故、今回こんなことを書いているかというと、マドリッドでのセミナーで「患者さん、クライアントのネガティブなエネルギーを貰わないためにはどうしたらいいか」という質問を受けたからです。

 

これは、日本に限らず、セラピスト系の皆さんの共通の問題なのでしょう。

 

特に、スペインでいつも感じるのですが「感情」のエネルギーが凄いので、セラピストが諸々の意味で弱いと、やられます。

 

何と言うか、エネルギー的に無防備というか、感情は自由に出している反面、無防備なので、貰っちゃうこともあるようです。

 

 

私はいくつか方法を知っていますが、今回「伝授します」と言いつつ、時間がありませんでした。

 

今度是非。

 

「お祓いなんて、効くんですか」という人がいましたが、なんて答えましょうか。

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Madrid操体セミナー (サマリー)

10月18日(木)、 Hotel Weare Chamartin の Room Madridで操体セミナーが始まりました。四日間合計30時間。

スペイン、イタリア、オランダ、チェコなど遠方からの参加者も。

 

今回、実際に聞いた話ですが、イタリアでは操体が治療家の中で操体がちょっとしたブームのようです(現地リサーチ)。

 

 この辺りはかなり詳しく聞きました。

 

初日は「操体って何だ」ということをスライドを使って説明しましたが、一番のポイントは、操体と他力的手技療法の違いの説明です。

 

操体は、治療者と患者の二対一ではなく、操者と患者と患者のからだの三位一体」ここと、楽な動きと快適感覚の違い。

 

快を英語でpleasure と訳していますが、これをスペイン語にすると、多少セクシュアルなニュアンスになるそうで、快というのは「そこら辺の色んな快」というよりも、操法のプロセスにおける快なのだという説明です。

 

このあたは、日本に操体を勉強しに来ており、ニュアンスがよくわかっている大悟君(スペイン生まれの日本男子)が明確な通訳をしてくれました。

 

やはり、通訳の存在は重要で、日本で三浦先生の元で、日本の若手と一緒に操体を勉強した経験は重要だったようです。南会津の伝統療法カンファレンスも一緒に行ったし、
三浦先生、フォーラムの仲間とは、それこそ「ハダカの付き合い」の仲ですから。

 

 

また、第一分析時代の「首」へのアプローチは、大凡首の運動分析をして、楽な方へ動かして脱力に導くものです。
(しかし、橋本敬三先生は「万病」で「四十肩五十肩は足首の操作で治る」と書いています。橋本敬三先生の時代から、遠隔的操作という考え方はあったのです)

 

しかし、症状疾患があるところを直接動かすのは、はっきり言って「素人」です。

 

私が受講生に「左足首を捻挫したクライアントに対し、どうやってアプローチするか」という方法を伝えたところ「なるほど」と、皆頷いていました。

(みんな、情報は知っているのですが、どうやって使うか、あるいは、想定外の場合どうするか、という「創造」に慣れていないのかもしれません)

 

操体は「症状疾患にとらわれない」、つまり「肩こりに効く」とか「腰痛に効く」とか「膝の痛みに効く」操法という考え方はありません。

★これが、操体のもう一つの特徴と言えます。

 

★我々は常に「想定外」を考えています。
伏臥位での腋窩挙上の動診をしたいのに、被験者が伏臥位をとれなかったら?
膝の左右傾倒をしたいのに、左右どちらも痛みがあり、動かせなかったら?
全身に痛みがあり、からだを動かせなかったら?

(このあたりは、このブログにヒントをたくさん書いているので、読んで下さっている方ならば「あ!わかった」と閃くかもしれませんね)

 

★ボディの歪みを正し、バランスを整えることによって、二次的に愁訴を解消する、というのが、操体の臨床です。

 

さて、実践です。

 

首が痛いからと言って、首を左右捻転させて楽な方に動かして瞬間急速脱力させるよりも、遠方(四肢末端)から首の動きを導く方法などを紹介、そして、限りなく第二分析に近い「D1'」を指導しました。

 

「抵抗」ではなく「介助・補助」であること。
運動分析に加え、感覚分析も行うこと、などなど。

  

そして、三日目は「頸部へのアプローチ」をやりました。

 

今回、やはり「頸部」と「肩」へのアプローチの希望が多かったようです。
操体は「症状疾患にとらわれない」という基本がありますが、長年やっていると、
およそ「頸部にはアレがいいかな」とか「肩だったらアレかな」というのがあります。(三浦先生と私は、それぞれ違うネタだったりします)

 

例えば、足趾の操法®ですが「四十肩五十肩ならこれだよね」というのがあります。
長年やっていて、色々試してみましたが、やはりあるんです。

 

 

まず、私が「肩の部位を狙い撃ちする操法」のデモンストレーションを。

これも速効性がありますが、やはり部分だけではなく、全身を整えてからという条件がはいります。

「痛くない〜!」と、これだけ喜んでやっていても、すぐ戻るということです。
「すぐ戻る」ということを如何に防ぐか。それも大事です。

 

さて、三浦先生の実技指導です。

四肢末端の動きから、全身の連動を導誘し、「首」に手をかけずに頸椎の調整を行いました。

まず、三浦先生が、被験者の足元方に立ち、アシスタントを務めるマドリード在住のPTであるTさんが頭方に座ります。

 

三浦先生が「C3の横突起」という箇所にTさんが触れると、確かに圧痛硬結があります。

 

参加者は「何故、触れないのに分かるの?」と、頭を捻りますが、頚椎及び肩近辺のアンバランスは、触れなくとも、分かります。

 

被験者の中に、交通事故によるむち打ちで、数年来の不調を抱えているメンバーが数名いました。

 

こちら、行ったのはD1‘ でしたが、途中から、からだの無意識の動きと快適感覚がききわけられ、長年の悩みが解消しました。

 

会場の参加者は一様にショックを受けたようです。

会場内には、マンガの吹き出しではないですが「ショック」「どうして??」という単語が溢れていました。

 

こちらの方は、感情の解放もストレートです。

私などは「感情を解放しているんだな」と「傍観」の立場を取りますが、うっかり「可哀想だな」とか「怒りを解放、つまり、怒りというネガティブな感情を解放しているんだな」というように、可哀想だとか、ネガティブな感情=悪い というように捉えると、操者が「被り」ます。

 

私自身は、操体にせよ易にせよ「”被る”のはプロじゃない」というのがポリシーなので、「被らない方法を伝授します」と言いましたが、今回は時間がありませんでした。

 

からだの無意識の動きについては、参加者は相当驚いた(ショックを受けた)ようです。

 

私が「頭蓋仙骨療法の、体性感情解放(ソマト・エモーショナル・リリース)とは違うし、野口整体の活元とも違う」と説明すると、頭蓋仙骨療法をやっているという参加者が「確かに違う」と言っていました。

 

そこで、三浦先生が「僕にしか出来ないことは教えない」「みんなにも出来ることだ」と、受講生を激励。

私も「できるようになった」一人なので「クライアントと対話するのではなく、からだと対話、からだと仲良くすることができれば、できるようになります」と、受講生に伝えました。

 

これには皆驚いたようでした。

 

翌日、前日に操法を受けた受講生一人一人に現在の状況を確認し、感想を聞きましたが、昨日よりもさらにすっきりしたとのこと。

 

「終わった瞬間よりも、翌日、翌々日に変化がわかるのが、操体なんです」

 

最後は、「足趾の操法®」。横足根洞、足底、指骨間筋を練習しました。

この場合も、デモンストレーションの最中に、快適感覚が聞き分けられて、無意識の動きが発動する人が続出しました。

 

四日間、長いようで短かったです。

 

小野田先生はじめ、スタッフの皆様、本当にありがとうございました。

「やはりヨーロッパではホンモノの操体を紹介したい」という小野田茂先生(日西指圧学院、浪越ヨーロッパ代表)の熱意により、素晴らしいセミナーを開催することができました。

 

合掌

 

 

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Madridでのセミナーの打ち合わせ

マドリードの空港に着いてから、まず、浪越ヨーロッパ代表の小野田茂先生の 「日西指圧学院」(Japan Shiatsu College)にお邪魔しました。

 

小野田先生は日本指圧専門学校の学生の頃に、三浦寛先生の操体の講習を受けられており、操体の考え方に共鳴して下さっています。

 

そのご縁で、何度かスペインで操体セミナーを開催させて頂いていますが、途中からスペイン操体協会(スペイン人のみで結成)の運営になりました。

 

スペインのスタッフは我々とは運営方針などが大分違ったので(講師料を払えないとか、プロ向けの講習を無償でやれとか)、別のルートで「操体の講師達」を呼びました。

 

この中には、前年我々がスペインに行った際に日本から同行した輩がいました。

 

なまじっかスペイン語ができるため、スペイン人スタッフをたらし込んだのです。

手っ取り早く言えば『三浦と畠山を呼ぶよりも、金がかからない』という話でしょう。

 

現在「スペイン操体協会」は、分裂してほぼ個人個人が細々とやっているようです。

こちらは、現在操体法東京研究会とも(社)日本操体指導者協会とは全く関係ありません。

 

 

そして、今回は「スペイン操体協会」ではなく、小野田先生の「Japan  Shiatsu College」での主催となりました。

 

小野田先生ご自身が、現状に危機感を感じ、「やはり三浦先生に来て頂きたい」ということになったからです。

 

操体に興味を持つヨーロッパの治療家が増えてきたこと、また先に書いたように、三浦先生に破門された輩(私も足趾の操法などは指導していましたし、足趾の操法®や、渦状波®という言葉は使えないので、別の名称でやっているようです)がイタリアでセミナーをやっていたり、「へんな日本人が操体セミナーをヨーロッパでやっていて、それを受けたヨーロッパ人がまたセミナーをやっている」という状態になっているようです。それは操体の陳腐化にも繋がります。

 

★ Sotai Practitioner® も、我々が商標を持っています。

 

 

というわけで、日本を出る前に、三浦先生と私はじっくりと時間をかけて案を練りました。伊達に16年も一緒に操体の講習をやっているわけではありません。

 

このあたりは「阿吽の呼吸で行こう」ということになりました。

 

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日本にも何度か勉強に来ているDaigo君の指圧を受ける三浦先生。彼は最近鍼も勉強しているそうです。

 

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★指圧学校に貼られたポスター(笑)

 

日本でも、二年間かかる三浦先生の講習よりも、短期間でテクニックのみを教えるセミナー に群がる人は結構いるものです。

 

しかし、この辺りは「選ばれた人が、選ばれたセミナーに来る」と思うしかありません。人にはそれぞれ相性があるので、仕方ないことなのです。

 

安くて短期間の手っ取り早いセミナーを選ぶのか、じっくり時間をかけて本当に臨床に活かせる勉強をするのか。それを選ぶのは運と相性だからです。

 

今回の操体セミナーにいらっしゃる方々と良いご縁が結べますように。

 

Madridに着きました。

10月16日に日本を出てアブダビ経由で17日朝(先程)マドリードに着きました。

 

こちらは少し寒いです。

明日から4日間操体セミナーをやりますが、

こちら、海賊というか、エセの操体も出回っているようです。

 

★ヨーロッパで、三浦先生から破門された輩(破門されたということは、ただ事ならぬことをしたということは、想像していただけるかと思います)が、操体セミナーをやったりしていると聞きました(その方々は、私も教えていた輩なのでねぇ)。

 

海外なら出自がバレずにできることもあるのでしょうが、 

 

美術品でもそうですが、偽物ばかり見ていると、本物がわからなくなります。

 

今回は、本物の、臨床に活かせる、結果がばっちり出せる、筋の通った操体を伝えたいと思います。

ここ数年で、三浦先生の日本国内での講習も、全く様変わりしました。

また「第五分析」という新しい分析法の登場で色々変化がありました。

「楽」から「快」に変わったことよりも凄い変化かもしれません。

 

 

気合いを入れて行きます。

 

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操体定例講習2018年10月

今日の午前中は「足趾の操法集中講座」の応用編。
脛骨の際や内果周辺の対応をやりました。この辺りがケアできると、施術の幅がぐんと広がります。

 

午後は「定例講習」。

この写真ですが「第一分析」の際によく起こる「あること」に対する効果的な施策です。

「使用前」「使用後」の違いが明確に分かります。

 

これは、臨床中の些細なポイントですが、これが結構生きてきたりします。

 

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操体施術会@10月

2018年10月21日(第三日曜)、9時〜12時まで、施術会を開催いたします。

 

場所は三軒茶屋(参加者に通知)

施術 東京操体フォーラム実行委員(操体歴6年以上の経験者)によります。

施術料 一律4000円

 

お申込みは sotai@teizan.com まで

(電話では受け付けませんのでよろしくお願いします)

人数が埋まり次第締め切ります。

 

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