操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

「嫉妬と劣等感」

大嶋先生の本は何冊も読んでいるのですが、この本は、目からウロコというか、コンタクトレンズも落ちる!という感じ。 

 

嫉妬は発作のようなもの、劣等感は他人の嫉妬によるもの。
信じられますか?

また、親子関係は嫉妬の温床であるとか、優しいふりをして実は、という人とか。

 

この本は「嫉妬」と「劣等感」のメカニズムについて書かれています。

また、ミラーニューロンや、他人の気持ちばかり考えて、脳が帯電する話も書いてあります。

 

消したくても消せない嫉妬・劣等感を一瞬で消す方法

消したくても消せない嫉妬・劣等感を一瞬で消す方法

 

例えば、自分のパートナーにやたら近寄ってくる馴れ馴れしい女に「何考えてんのこの女〜?!」(以下もっとひどい罵倒笑)と怒りがわいてくるとか、あり得ます。こういう時は確かに「破壊的な感情」になったりします。

 

そういう事があると、自分でもいやな気持ちになりますが、

「嫉妬は動物的な『発作』だからコントロールできない」「その時、自分の中の『破壊的な人格』が暴走」と、あります。

 

これらのメカニズムと対応が書かれています。

 

自分が嫉妬して気持ちが暴走してイヤな気持ちになるのもイヤですが、嫉妬されるのもイヤなものです。

 

私はこれに関しては経験があるので、よくわかります。

「おお、書いてある通りに嫉妬されてがんじがらめにされたことがある!」

 

なるほど、と思ったのは、大嶋先生に対し「先生の仕事(カウンセラー)、うらやましい」と言う人の心理です。

この裏には「人の話を聞くくらい、自分だってできる」という気持ちが隠されているのです。

 

また「親子関係は嫉妬の温床」とも書かれています。

 

例えば、夫が娘に笑いかける。妻は「私には、そんなに優しい笑顔を向けてくれたことはない」と、無意識のうちに娘に嫉妬し、娘をいじめる。

妻が息子を「○○ちゃん、大丈夫かしら」と、心配すると、夫は無意識のうちに「あんなやつどうだっていいだろ」と嫉妬し、息子に「おい、勉強はしたのか」と怒ったりしてしまう。

 

一例では、女性の友達との関係が上手く行かないという女性の相談で、心の奥を探ってみると、自分が立っている地面から、母親が鬼のような形相で睨んでいるというイメージが沸いてきたという話です。つまり、女の子の友達がいなかった母親が、子供の頃の彼女に嫉妬していた、それが原因で今でも女性の友達との関係が上手く行かないという話です。

 

なるほど。

 

★私は長女なので、勿論両親とも愛してくれたと思っていますが、確かに、父の愛情を一人占めして、母と妹(二人とも末子)の嫉妬にやられた記憶があります。

嫉妬は意識できる嫉妬だけではなく、無意識のものもあるのです。むしろ、無意識で発作的なもののほうが、圧倒的に多いのではないでしょうか。

 

今回、思い出してみると、私は「字がキレイに書けない」というコンプレックスがあるのです。が、小学校に上がった時、万年筆を買ってもらい、日記帳やノートに色々なことを書き綴っていました。まあ、書くのが好きな子だったんですね。

 

それも誰に見せるでもなく、自分の世界を作っていました。

 

そして思い出したというか「何で私は字がキレイにかけないコンプレックスがあるんだろう」と、「心」に問いかけてみると、

小2の時、母と妹が(母と妹はとても仲がよい。ちなみに数秘でも同じ「9」)私の机を開けて、日記帳を見て「きたない字で色々くだらないことを書いている」「バカみたい」(この、バカみたい、と言われたことは、明確に思い出しました)と、笑っているシーンを思い出したのです。

★本人達は覚えていないと思います。

 

机の中にしまってある日記帳を読まれて、字が汚いとかバカなことが書いてある、と言われれば、それはショックですよね。

 

私は「そのショックで、私は字がキレイに書けなくなったのかな?」と、聞いてみると、「そうだよ」という答えが心から返ってきました(ショック〜!)。

 

たまに、母親から、何か書類(例えば病院の書類)を書く時に「キレイに書きなさい」と、言われると、一瞬ブチ切れそうになるのも、これで納得しました。

★今まで「何で『キレイに書け』と言われると腹が立つのかわかりませんでしたが、これでクリアになりました。

 

母と妹(妹は母と一心同体のようなものです)は、「大したことないクセに、いっちょ前に文章とか日記とか書きやがって」という「嫉妬」を私に投げつけており、繰り返し「字がキレイじゃない」と、私に言い続けることによって

「あ、私は字がきたないんだ」といわゆる「学習性無力感」を植え付けていったわけです。

考えてみると、本当に字が書けなくなるんです。キレイに書こうとすればするほど、書けなくなるし、一時は書痙っぽくなったりもしました。

 

というのが、今回の発見です。

 

人間、だれしも「この言葉にはプッツンする」というのがあるかと思うのですが、「何でこの言葉にこんなに反応しちゃうんだろう?」と改めて考えるのもいいチャンスです。

 

そして、もう一つ「あるある!」と思ったのが

「妻の言うことを聞かない夫」という話です。

 

奥さんやパートナーが何か用事を頼むと、3つのうち一つは忘れるというダンナ様。
または、あれほど念を押しても「そんなこと聞いてない」とか。
ねちねちイヤミを言ってくるとか。

 

これなんですが「ダンナ様」は、無意識のうちに性差別をしていて「オレが養ってやってるから、オレの方が上」だと思っているわけです。

そこで「下」の奥さんなりパートナーが「お願い」すると、「下のクセに生意気言いやがって」という「嫉妬」が生まれます。

 

これは「頼まれたことを忘れる」「聞いていないと言い張る」ということで、嫉妬をぶつけているのだそうです。

「言われたことをやらない」という夫の攻撃です。

 

あるあるある!

 

ちなみに、この本には「対処法」も書いてあります。

私は丁度「嫉妬」(下のクセに生意気言いやがって)を、ぶつけられた時に、「対処法」を試してみました。

 

「あなたは何を言ってるのか良く分からない」と、言って、人の話と聞こうとしないのです。

以前から「これは、聞く気がないのか?」と思っていたのですが、「下のクセに生意気言いやがって」という「無意識の嫉妬」だったのです。

これは「私」にターゲットが向いており、あきらかに「下のクセに生意気言いやがって」という嫉妬が働いているのがわかります。

 

おおおおおおお!

 

ちゃんと人の話を聞くじゃん!

 

 

 

伝統療法カンファレンス2018

今年も南会津へ行ってきました。

今回は、三軒茶屋からレンタカーを借りて、9人乗りで向かいました。

道中は遠足状態で愉しかったです。

途中、会津高原尾瀬口駅近く、おばちゃんが切り盛りしているお蕎麦屋で昼食をとり、
寄り道をしながらも14時過ぎには会津高原ホテルに到着しました。

伝統療法カンファレンス2018を南会津で開催するのは四回目ですが、毎年来る度に「いいところだなぁ」と思います。

会場は少し離れたところにある「スペーシア」というイベント会場です。スキーシーズン中は、リフトの待合とかスキー客の休憩所になる、大きな建物です。

 

当日は15時からセッティングを始め、17時には終了、温泉に入ってのんびりしてから、前夜祭が始まりました。

 

そして、夜更かし組は夜中まで。私はバタンキュー。

 

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朝は、朝風呂(白樺の湯)に入り、6時から朝食をとって、8時開場入り、8時半開始です。

 

今回は三浦先生のワークショップと、足趾の操法のブースと、相談役の新部健太郎先生の「易占」ブースの出展です。

 

新部先生の易占は、昨年大盛況でした。新部先生のスタイルを紹介しますと、ヘアスタイルは、お団子ポニーテール、口髭、チャイナ風のシャツに、筮竹、口調は敢えて戦略的な「オネエっぽい」やわらかい感じです。「ああ〜っ、この人に相談したらどうにかなるかも」的な感じがあります。

今年も男性の相談者(女性もいましたけど)が列をなしていました。

 

足趾の操法は、今年「プロデビュー」の人がメインです。
プロデビューとは「足趾の操法でお金を頂く」ということ。

 

たまに「そんなに上手くないからお金は貰っていない」という人もいますが(うちの身内にはいないと思います)、それは「逃げ」なんですね。

 

自分が時間とお金をかけて得たテクニックを、実際に試して、対価を頂く。
お客様と対話をする、ちゃんと請求して、ちゃんと頂く。

 

それを体験して頂くのが、目的の一つでもあります。

 

また、腱引きの皆さんは足趾を受けにきてくれるし、私達も腱引きを受けたりします。

そういう交流も愉しいものです。

 

今年は両肩甲骨とT2の両脇が痛かったので「パーツ指定」で腱引きを受けました。
今まで何回か受けていますが今までで一番痛かったです。
まあ、自分でも「スジがズレてそうだな」と思っていたので。

状況としては、次の日あたりまでは「沈んでいた腱が浮いてきた」という感じで、翌々日以降は「肩甲骨もT2横もすっきり」という感じです。「喝が入った」という感じなんでしょうか。

 

カンファレンスは15時半に無事終了し、撤収後、腱引きの皆さんと手を振って再会を誓い、帰路につきました。

 

超ダイジェストでしたが、毎年新しい発見があります。

 

 

 

 

 

 

操体施術会と定例講習@8月

お陰様でお盆の講習も無事終了し(レポートは追って)ました。
今日の午前中は「操体施術会」でした。

今回は、二度目以上というリピーターの方が来て下さいました。ありがとうございます。やはり、一度ポッキリというよりも、続けてある程度様子を見たほうがいいかもしれません。

 

さて、午後は定例講習です。新しいタームが始まり、基礎の基礎から。

やはり、第一分析もやります。

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といっても、非常に丁寧で優しい感じ?の第一分析です。

と言っても、普段あまり「可動極限まで動かす」とか「抵抗を与える」「瞬間的に抜く」というのはやっていないので(普段はからだにききわけて、やっている)汗かいたりしました。

 

また、首の運動分析をするの、首に手をかけずに、末端からの連動を用いる方法などを紹介しました。

 

 

白か黒か、ではない

15日には終戦記念日を迎えました。私の亡父は昭和10年生まれだったのですが、終戦の時は丁度10歳です。

 

今思い出すと、それまで「天皇陛下万歳」「現人神」だったのが、いきなり「人間」になり、教科書に墨を塗った。大人がいきなり言うことを180度変えたというのは、10歳の少年ヒロシ君にとって、どんな感じだったのでしょうか。

そんなことを考えたりします。

 

さて、我々は操体の臨床を行う際、骨盤を前弯曲(恥骨を基本とする。腸骨の上部を基本にすると、後傾)させ、背筋を軽く伸ばすという姿勢をとります。また、膝をちからは軽く「ゆるめ」ます。

 

以前「膝をゆるめる」という話をしたところ「膝を曲げる」と同じ意味だととられて、話が混乱したことがあります。

 

「膝をゆるめる」と「膝を曲げる」は、違うのです。

操体実践者ならば、この違い(ゆるめると曲げるの全身形態の状態)くらいは、覚えておいて欲しいものです

 

また、いくら「膝をゆるめる」が基本だといっても、万が一私が間違って(笑)、膝丈のスカートのスーツでハイヒールを履いて、どこかで講演とかするとしましょう。

その場合は、膝丈スカートでハイヒールを履いていれば、膝の裏筋は伸ばして(母趾球でからだは支えるけどね)背筋は伸ばして、腰も少し反らせますよ。

 

日本人の素晴らしいところは、からだを和風にも洋風にも使えるところです。どっちが良くてどっちが悪いとか、どっちが正しくてどっちが間違っているのではなく、臨機応変でいけ、ということなんです。

 

着物を着ている時と、洋装の時では、からだの使い方が違っても当然なのです。

 

以前、ある方(女性)が、男性の指導者から「クマのように堂々とのしのし歩け」と言われたと言っていました。困っているようでした。そりゃそうですよね。

 

私は申し訳ないけれど、笑ってしまいました。

うら若い女性に「クマみたいに歩くのが正しい歩き方だ」という指導をする可笑しさです。うら若い女性がクマみたいに歩いてたら、彼女が着ぐるみを着ているとか、キャラ的に「くまちゃん」でない限り、不自然な感じがしませんか?

 

 

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Master Hiroshi Miura Complete Course Sotai-Ho 30h.

2018年10月18日~21日、マドリッドでの操体セミナーで講義やってきます。

メインは勿論三浦寛先生ですが、私は初級及び全面アシストです。

Mater  Hiromi Hatakeyama と書いてあります。エスパニョールだと
Maestra Hiromi Hatakeyama です。

 

https://shiatsudo.com/en/sotai-en-miura/

 

スペインでは「porque?(ポルケ)」攻撃にあったことを思い出します。

これは Why? という意味で、あちらの人は本当に「Why?」が好きなんですよね。

 

「そうなってんだから、仕方ねぇ(by 操体創始者)」では納得しないし(笑)

 

私も当時はまだ若かった(笑)ので、攻撃をかわそうとか、ポルケ攻撃を発動させないようにするにはとか、色々考えましたが、最初に行った時から8年くらい経ちますので、指導法やメソッドも「ああ、こう伝えればいいんだな」と、わかったような気がします。

 

例えば、座学でしたら、多少本人よりもレベルの高いものを教えても、大丈夫なのですが、操体は「手技」でもあります。
小学生にプロ並みの運動テクニックを教えるのは危険ですし、もっと言うならば、全くの初心者に頸椎の調整を教えて「やってみろ」というくらい危険です。

 

まあ、操体の場合は危険なことは全くありませんが、かといって、物事には「順番」と「タイミング」というものがありますから。

 

というわけで、プログラムを練っています。

 

 

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易の覚え書き(断易)

「断易」ってあまり聞いたことがないかもしれません。

五行易とも言い、台湾でポピュラーです。日本に入ってきたのは江戸時代後期だそうで、周易(一般に言われている易)よりもずっと後です。
確かにあまりやっている人はいません。

私は幸いにも、日本での断易の第一人者である、東海林秀樹先生に師事しています。

 

「何か習うなら、その道のトップに習え」というのが私のポリシーです。

ちなみに、私が易を習っている学校は日本易道学校と言いますが、創立が昭和13年という歴史ある学校です。

「一日で○○を取得して翌日から人様に喜んでいただける」というような広告もよく私のPCの端っこに出てきますが、ここは、じっくり占いを学べるところです。

場所は新大久保。「当たる」ので有名な「皆中稲荷神社(かいちゅういなりじんじゃ)」の近くです。

 

www.nihon-ekidougakkou.org

さて、昨日は断易の授業でした。

受講生から例題を集めてそれを実際に占ってみる、というのをやりました。

サイコロでもコインでもなんでも構わないのですが、八面体サイコロを使うと便利です。八面体サイコロ一個を六回振るというのもありますし、断易箱(6つの部屋に分かれた箱の一つ一つに八面体サイコロを入れて振る)を使うこともあります。

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★こんな感じです。

 

 これは八面体二個と六面一個の「周易用」ですが、この八面体を使うと思って下さい。

 

まず、占的(せんてき)を決めます。

「ある会合にAさんを呼ぶべきか否か」(Aさんを呼んでトラブルが起こらないか)

2018年8月16日は

戊戌(つちのえいぬ)年 庚申(かのえさる)月、庚辰(かのえたつ)日に占筮。
「空亡」は申酉(さるとり)です。

 

八面体サイコロを六回振ります。出たものを下から書いていきますが、

乾は陽、兌は陰、離は陰、震は陽、巽は陰、坎は陽、艮は陽、坤は陰になります。

(乾兌離震巽坎艮坤は、天沢火雷風水山地を示します)

この場合、乾(老陽)か坤(老陰)が出ると、変爻して之卦が生じますが、今回は乾も坤も出なかったので「不変卦」と言います。

★こんな風にみます

右に書いてあるのが日付け、得たのが「山雷頤(さんらいい)」です。

この場合、周易の六十四卦の形を借りているだけなので、山雷頤の意味を読むことはありません。

 

得卦がわかりましたら「納甲表(なっこうひょう)」を使って、それぞれの爻に、用神と十二支をつけていきます(これを納甲、というそうです)。

右側に「寅木」とありますが、寅は五行で言うと「木」にあたるので、分かりやすく書いているのです。

「兄弟」。これは「けいてい」と読みます。左側には「用神」を振ります。

「用神」の選び方を間違えると、占いの結果もおかしくなります。

ちなみに、赤字で「世」と「応」と書いてあるのは、「世爻」「応爻」を表しており、世爻は自分、応爻は相手、のように見て行きます。

 

なお、月は月建、日は日晨(にっしん)といいますが、月建よりも日晨のほうがパワーが強いと言われています。

 

今回、先生は卦をみるなり「ダメだね。呼ばないほうがいい」とおっしゃいました。

そのココロは??

 

まず、本人を表すのは「世爻」戌土です。

そして日晨、庚辰から世爻戌土をみると(日晨十二運という表でみる)「墓」となります。「長生 帝旺 墓 絶」というランクがありますが、墓は「衰弱する、弱くなる、面白くない」などの意味があります。

更に、相手を示す「応」は子水です。これを日晨の庚辰からみると、これも「墓」になります。

どちらも墓ということで、これはAさんを呼んでも本人はつまらないし良い事はないし、相手も面白くないということです。

 

なお、性情を調べるのに「六神(りくじん)」を使いますが、応爻は初爻で、立筮したのが庚辰の日です。「六神卦爻表」でみると、Aさんは「白虎」です。勇猛、刀、武器などを表し「勇猛にして殺戮を好む神(兌の性情をとる)」。これはわりとざっくりとした見方ではありますが、兌の性情を考えると「ぶりっこ」という一面もありそうです。本当は相当強気でしたたかですが、男性の前では「ぶりっこ」をするのでしょう。

 

と、こんな感じでみていきます。

 

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