操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

Madridでのセミナーの打ち合わせ

マドリードの空港に着いてから、まず、浪越ヨーロッパ代表の小野田茂先生の 「日西指圧学院」(Japan Shiatsu College)にお邪魔しました。

 

小野田先生は日本指圧専門学校の学生の頃に、三浦寛先生の操体の講習を受けられており、操体の考え方に共鳴して下さっています。

 

そのご縁で、何度かスペインで操体セミナーを開催させて頂いていますが、途中からスペイン操体協会(スペイン人のみで結成)の運営になりました。

 

スペインのスタッフは我々とは運営方針などが大分違ったので(講師料を払えないとか、プロ向けの講習を無償でやれとか)、別のルートで「操体の講師達」を呼びました。

 

この中には、前年我々がスペインに行った際に日本から同行した輩がいました。

 

なまじっかスペイン語ができるため、スペイン人スタッフをたらし込んだのです。

手っ取り早く言えば『三浦と畠山を呼ぶよりも、金がかからない』という話でしょう。

 

現在「スペイン操体協会」は、分裂してほぼ個人個人が細々とやっているようです。

こちらは、現在操体法東京研究会とも(社)日本操体指導者協会とは全く関係ありません。

 

 

そして、今回は「スペイン操体協会」ではなく、小野田先生の「Japan  Shiatsu College」での主催となりました。

 

小野田先生ご自身が、現状に危機感を感じ、「やはり三浦先生に来て頂きたい」ということになったからです。

 

操体に興味を持つヨーロッパの治療家が増えてきたこと、また先に書いたように、三浦先生に破門された輩(私も足趾の操法などは指導していましたし、足趾の操法®や、渦状波®という言葉は使えないので、別の名称でやっているようです)がイタリアでセミナーをやっていたり、「へんな日本人が操体セミナーをヨーロッパでやっていて、それを受けたヨーロッパ人がまたセミナーをやっている」という状態になっているようです。それは操体の陳腐化にも繋がります。

 

★ Sotai Practitioner® も、我々が商標を持っています。

 

 

というわけで、日本を出る前に、三浦先生と私はじっくりと時間をかけて案を練りました。伊達に16年も一緒に操体の講習をやっているわけではありません。

 

このあたりは「阿吽の呼吸で行こう」ということになりました。

 

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日本にも何度か勉強に来ているDaigo君の指圧を受ける三浦先生。彼は最近鍼も勉強しているそうです。

 

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★指圧学校に貼られたポスター(笑)

 

日本でも、二年間かかる三浦先生の講習よりも、短期間でテクニックのみを教えるセミナー に群がる人は結構いるものです。

 

しかし、この辺りは「選ばれた人が、選ばれたセミナーに来る」と思うしかありません。人にはそれぞれ相性があるので、仕方ないことなのです。

 

安くて短期間の手っ取り早いセミナーを選ぶのか、じっくり時間をかけて本当に臨床に活かせる勉強をするのか。それを選ぶのは運と相性だからです。

 

今回の操体セミナーにいらっしゃる方々と良いご縁が結べますように。

 

Madridに着きました。

10月16日に日本を出てアブダビ経由で17日朝(先程)マドリードに着きました。

 

こちらは少し寒いです。

明日から4日間操体セミナーをやりますが、

こちら、海賊というか、エセの操体も出回っているようです。

 

★ヨーロッパで、三浦先生から破門された輩(破門されたということは、ただ事ならぬことをしたということは、想像していただけるかと思います)が、操体セミナーをやったりしていると聞きました(その方々は、私も教えていた輩なのでねぇ)。

 

海外なら出自がバレずにできることもあるのでしょうが、 

 

美術品でもそうですが、偽物ばかり見ていると、本物がわからなくなります。

 

今回は、本物の、臨床に活かせる、結果がばっちり出せる、筋の通った操体を伝えたいと思います。

ここ数年で、三浦先生の日本国内での講習も、全く様変わりしました。

また「第五分析」という新しい分析法の登場で色々変化がありました。

「楽」から「快」に変わったことよりも凄い変化かもしれません。

 

 

気合いを入れて行きます。

 

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操体定例講習2018年10月

今日の午前中は「足趾の操法集中講座」の応用編。
脛骨の際や内果周辺の対応をやりました。この辺りがケアできると、施術の幅がぐんと広がります。

 

午後は「定例講習」。

この写真ですが「第一分析」の際によく起こる「あること」に対する効果的な施策です。

「使用前」「使用後」の違いが明確に分かります。

 

これは、臨床中の些細なポイントですが、これが結構生きてきたりします。

 

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操体施術会@10月

2018年10月21日(第三日曜)、9時〜12時まで、施術会を開催いたします。

 

場所は三軒茶屋(参加者に通知)

施術 東京操体フォーラム実行委員(操体歴6年以上の経験者)によります。

施術料 一律4000円

 

お申込みは sotai@teizan.com まで

(電話では受け付けませんのでよろしくお願いします)

人数が埋まり次第締め切ります。

 

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D1'(ディー・ワン・ダッシュ)

D1と言えば第一分析、D2と言えば第二分析です。D3と言えば第三分析です。

 

世の中には、勘違いをしている人がいて「操体の臨床では、第一分析をやってから、第二分析をやって、その次に第三分析をする」という方がたまにいますが、

 

それは、間違いです。

 

この3つ(他にもありますが)は、番号順に順番にやるものでありません。
便宜上、古い順に1から番号を振っているのです。

 

第一分析 対になった動きを比較対照(運動分析)し、楽な方に動かして瞬間急速脱力

第二分析 一つ一つの動きに快適感覚をききわけ(これが分析@感覚分析)、そのきもちよさを味わう(味わうのが操法

第三分析 皮膚に「快不快」あるいは「予備感覚(快でも不快でもない前駆感覚)」を聞き分けさせる

第四分析 息診

第五分析 これから公表されます

 

ということで、特に「第一分析」と「第二分析」は全く違います。

第一分析は「運動分析」ですが、第二分析は「感覚分析」です。

 

さて、我々も第一分析をやりますが、いわゆる「古典的第一分析とはやっぱり違う」のです。

どこが違うかというと「運動分析もやるけれど、感覚分析も加えており、瞬間急速脱力ではない」ということです。

これだけでも、古典的第一分析とは全く様相が違って来ます。

 

実際に見て頂くと「全く違うモノに見える」と言われます。

まず、第二分析は「動きが螺旋」です。
D1'も動きは螺旋です。

 

古典的なD1は、介助補助と言わず「抵抗」と言っていますが、D1'では、D2同様「介助、補助」と言います。

 

古典的D1は、例えば抵抗を与えるにしても「直線的」です。

D1'は、螺旋的で、ベクトルを細かく考慮します。

 

というわけでこれをD1'(ディー・ワン・ダッシュ)と名づけました。

今度一覧表も改訂します。

 

さて、私が得意なのは、実はD1'だったりするのですが、今まで過去に「ミドル講習」として、希望者に伝授していましたが、いかんせん、操体の基礎が必要ということがわかりました。

 

操体の基礎とは「般若身経」を理解しており、ある程度「操体的なからだ」であることです。

 

★だいたい「操者自身のからだの使い方、動かし方を体得してから臨床に臨むため、操者が疲弊しない。被験者がきもちのよさを味わっていたら、操者もきもちよさを味わうことができ、逆に元気になる」なんていう手技療法は他にないのでは。

 

今の時点では、操体法東京研究会で、ある程度の基礎を身につけた受講生向けに、クローズドな講習をやっています。

 

さて、D1'とは。

運動分析と感覚分析の違いが分かっていて、なおかつそれを、被験者の状態に合わせて微妙な配分で使い分けることが必要になってきます。

 

今月、スペインのマドリッドへ行って来ますが、今度はD1'をもう少し深めたものを紹介したいなと思っています。

 

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2018年秋季東京操体フォーラム 発表者よりひとこと

 

2018年11月23日開催の東京操体フォーラム発表者からの「ひとこと」です。

三浦寛東京操体フォーラム 理事長 人体構造運動力学研究所

【身体芸術と操体

人間とういうものは、大人になるほど感覚を無視してしまう。
失われた感覚を復活させるのが、身体芸術だ。
この身体芸術は、魂の躍動、つまり全身体性である。
つまり、思考では表現できないものである。

 

石田哲也東京操体フォーラム実行委員 巧者組)

【身体芸術として操体の出会い】

私が初めてそれが操体だと知った時、それはアートだった。
私が最初に出会った操体はただ触れるだけ。
そんなことでからだ状態が改善すると普通の人は思うだろうか?
しかし悲しいかな、嬉しいかな結果が出てしまった。
当日は操体との出会いについてお話ししたいと思います。

 

三浦寛幸東京操体フォーラム 実行委員長 タスクフォース)

【「美」から「動」を捉えていく】

長年、人々を惹きつけてきた美しいと評されてきたものには必ず「動き」が関与し様々な形で表現されてきた。

絵画、彫刻、芸能、スポーツ。

いかなるジャンルにおいても人々は感覚を通してからだを使い美しさを表現してきたが、その美しさには決まった法則がある。

その法則を今回はアスリートのからだの使い方、動かし方から紐解いていきたい。

 

香(こう)東京操体フォーラム実行委員 タスクフォース)

【美】
からだをみる方法は、問診・視診・触診・聴診・打診などが一般的です。
操体法では、からだを動かしてみる動診(どうしん)という方法があります。
「からだからのメッセージを動診で受け取る」身体が導く世界にご案内いたします。

 

寺本雅一東京操体フォーラム実行委員 タスクフォース)

【発声」という動きについて考える】

名著「快からのメッセージ」のある頁に、『発声も動きであり、連動し快に継がる』と書かれている。初めてこの一文に触れたときから、この問い掛けの中には臨床の可能性がぎっしりつまっているような、予感を抱き続けてきた。演奏活動を通して「発声」という営みについて模索してきた身として、この壮大なテーマに、微力ながらまずは半歩でも臨んでみたい。

 

瀧澤一寛東京操体フォーラム副実行委員長 タスクフォース てまり堂)

【身体運動から身体芸術へ】

 操体には、「からだがききわける感覚によってからだは変化する」という世界観があります。一人で行うセルフケアにせよ、操者が関与する臨床にせよ、そこでは操者と被検者、また両者のからだが「感覚」を通して互いにひびき合いながら、「操体的なからだ」へと変化していきます。健康維持増進に欠かせない「操体的なからだ」がどのように生み出されていくのか、そのプロセスに迫ってみたいと思います。

 

岡村郁生(東京操体フォーラム 賢人組 操快堂)

【生きるために死ぬ】

肉体に美しさを見出す意味とはなんだろう・・・。
男性である、女性である、ということはどういうことなのだろうか。

人種や年齢を推測するのに必要なのは、皮膚である。
からだを包み保護する覆いと、繊維製の付属(髪と爪)さえあれば、
お互いに求めるなら私たちは欲求の対象とみなすことができる。

そこにあり、目に見える表皮細胞はすべて死んでいるのに、
生きているとみなし、その存在を私たちは認識している。

古今東西、美の対象とされてきた本質へ問いかけてみたい。

 

畠山裕美東京操体フォーラム 理事・事務局  TEI-ZAN操体医科学研究所

【スペインのセミナーレポートと、操体の作法と仏教の作法について】


10月18日から21日まで、スペインのマドリードにて操体セミナーを開催予定である。
前半はマドリードセミナーをレポートする。
後半は「操体的なからだの使い方、動かし方の作法と仏教の作法」。
昨年四月から今年の三月まで、東京国際仏教塾で、前期に仏教全般、後期に専門クラスで曹洞宗の寺院での修行に参加した。その体験を踏まえて、操体の作法を考察してみたい。

 

半蔵東京操体フォーラム 実行委員 賢人組)

「人間の表現には、大別して3つあるという。言語表現、美術表現、音楽表現であり、それぞれの分野に芸術作品を残して来た。それらは、形を有する。
それとは別枠で身体表現というものがある。これは無形である。空間の中に消え去る。
操体は、身体表現そのものが臨床となっている芸術である。
身体芸術の観点から、時間の許すかぎり「操体」を論じてみたい。」

 

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視診触診&定例講習@9月

今日の午前中は「視診触診&外気功基礎」です。

 

下準備が(色々あるのです)が終わり、ついに本格的な鍛錬に入ります。

 

blog.teizan.com

 

そして、今日は、大阪在住のA女史を被験者に

  1. 操体的な遠隔「臨床飛ばし」
  2. 外気功的な遠隔「遠隔」

 

を試してみました。

これ、ちゃんと区別をつけてやります。

後でどんな感じだったか感想を聞く予定です。

 

そして午後は三浦先生の「定例講習」。

 

 

 

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我々は「末端関節のきめ」をじっくりやりますが、末端関節を片手できめることができるようになれば、末端関節を自在に操ることができるようになります(文字通り操体)。

 

私は「足関節の内外転」が最初できなくて、べそかき状態でしたが、特訓練習の結果、得意科目になりました。