操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

日々是好日

www.nichinichimovie.jp

映画『日日是好日』(にちにちこれこうじつ)公式サイト 2018年10月13日公開。

「オマエは映画ばかり観ていて、操体の勉強をせんのか」と言われそうですが、勿論操体もしっかり勉強しています。

 

今回、密林プライムで予告編を観てピンときて観たのがこれです。

 その後、以前実行委員の半蔵さんが原作を紹介してくれたと寺本君が教えてくれました(すっかり失念)。

 

映画では、樹木希林さんが、味のあるお茶の先生を演じています。

日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)

日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)

  • 作者:森下 典子
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2008/10/28
  • メディア: 文庫
 

 

 

すぐわかるものは、一度通り過ぎればそれでいい。けれど、すぐにわからないものは、フェリーニの『道』のように、何度か行ったり来たりしているうちに、後になって少しづつじわじわとわかりだし、「別もの」に変わっていく。そして、わかるたびに、自分が見ていたのは、全体の中のほんの断片にすぎなかったことに気づく。

 

これが、お茶だというのです。

 

操体の勉強と同じではないですか。

 

私はよく「世の中の九割のことはグーグル先生に聞けばわかるけど、操体はグーグル先生に聞いてもわからない一割のことに含まれている」と言っています。

 

三浦先生は、講習の途中で、よく「何か質問は?」と聞くことがあるけれど、お茶の先生に「なぜ?」と聞くと「なぜって聞かれても私も困るのよね。とにかく意味なんてわからなくていいから、そうするの」と言うのです。

学校では「わからないことは質問することがいいことだ」と習ってきた主人公は妙な気がします。

 

私がこのことに気づいたのは、2010年、スペインのマドリッド操体セミナーをやった時でした。

 

スペインの人達は「なんで?」と、聞くことが多いのです。

 

その時は「とにかく、操体ではそうやるし、そうなってんの」というしかないと思いました。これは10年前の事なので、今はもうちょっと上手く彼らに伝えられるかなと思っています。

 

また、蛇足ではありますが、最近スペインは「生きがい」(IKIGAI)という言葉が流行っているんだそうです。

 

 

この本の副題は「お茶」が教えてくれた15のしあわせ

といいますが、目次を書き出してみましょう。

 

  1. 「自分は何も知らない」ということを知る
  2. 頭で考えようとしないこと
  3. 「今」に気持ちを集中すること
  4. 見て感じること
  5. たくさんの「本物」を見ること
  6. 季節を味わうこと
  7. 五感で自然とつながること
  8. 今、ここにいること
  9. 自然に身を任せ、時を過ごすこと
  10. このままでよい、ということ
  11. 別れは必ずやってくること
  12. 自分の内側に耳をすますこと
  13. 雨の日は、雨を聴くこと
  14. 成長を待つこと
  15. 長い目で今を生きること


どうでしょう。

操体を「健康体操」とか「治療テクニック」と捉えているとこうはいきませんが、私の中で、操体は「かなり近いセンをいっている」と思います。

 

主人公(典子さん)が、色々なことに気がつくシーンがありますが、その辺りも、操体にかなり似ています。

 

また、我々(操体法東京研究会)は、「操体の作法」もしっかり勉強します。


作法とか「型」、最初はきゅうくつに感じるものなんですが、実は「自由」になるための一歩なのです。


即興(音楽にしろ劇にしろ、パフォーマンスにしろ)は、元々の「型」ができていないと、できないのです。基礎がない即興は、即興ではなく、単なる行き当たりばったりなのです。

 

ちなみに、我々東京操体フォーラムの実行委員は、正座すると手のひらを上にして、そけい部に置くクセ(というか作法)が身についているので、集合写真を撮ると結構笑えます。

 

本も良いですが、映画もかなり原作に沿っています。

 

操体を勉強するということは、お茶と学ぶのと同じ方向にあるのだなと思います。

 

操体を勉強している方は、是非お読みになって頂きたいと思います。映画もいいですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風邪に操体でアプローチする。

本日1月5日は講習始めです。


午前中は「風邪」を引いて昨日まで咳が出ていて熱もあったという実行委員の石田さんへのアプローチを試みました。

 

今回は「操体って実際どんなことやるの?」というご質問も多いので、実際にどのようにアプローチしたのか、ご紹介しようと思います。

 

なお、これはI田さんのからだの状態を診ながら、畠山がメイン指示、実際の操者は実行委員の寺本君が行いました。

 

風邪をひくと、咳とか喉が痛いとか鼻が出るとかの「現象」ではなく、直接は関係ないけれど「反応」が出るところはどこでしょう。

 

それは、そけい部です。風邪を引くとリンパ節が腫れたりするので、反応がでるんでしょうね。また、これは鍼灸の先生から聞いたのですが、風邪を引くと、恥骨に圧痛が出ます。

 

というわけで、被験者にベッドに寝て頂き、まずは視診(いわゆる「からだの景色を見る」)、それから触診に移ります。

ひかがみ、ふくらはぎはもとより、やはり、左右のそけい部に痛みのあるしこりがあり、恥骨にも圧痛があります。

 

今日は「頓服」的な用い方として、最初に、痛みの強い左のそけい部を「狙い撃ち」します(D1')。二回目は、第五分析から行って、きもちのよさがききわけられたので、きもちのよさにゆだね、きもちのよさが消えるまで、味わっていただきました。

次に、恥骨の圧痛を除去します。これは「圧痛点除去法」を用います。

 

その次。私が石田さんの背部にまわり、大胸筋、小胸筋の辺りを触診すると、咳の後なので、痛みがあります。

 

そこをゆるめます。

 

次は「セルフケア」をやってもらうことにしました。

 

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石田さんは「快のききわけ」に慣れているので、すぐ聞き分けられました。なのでこちらも「十分味わって、快が消えるまで」味わっていただきました。

 

次は伏臥位で背中を触診します。

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T10〜12あたりに強い痛みがあります。

ここで更に脇腹を触診すると、右側がより痛むというので、右膝を曲げて足を立たせ、立たせた足を臀部にむかって倒してゆきます。

結果的には、左膝関節を左脇に引き込む形となりました。ここでも快がききわけられたので、十分味わってもらいます。

 

次は仰臥位に戻って首。触診すると、ごろりとしたしこりに触れます。

そこから、二分の一屈曲位にとった膝を左に傾倒すると、首のしこりが変化することがわかりました。

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膝を左に倒し、第五分析を用いて全身で表現しているところ。

 

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このあたりで、そけい部、恥骨、頸椎を再度触診してみると、大分やわらかさが戻って来ました。寺本君曰く「景色が変わってきた」とのこと。

 

風邪の引き始めであれば、それ以上の悪化を防ぎますし、今日のように「治りかけ」の場合は、回復を促します。

 

そけい部、恥骨、背中、大胸筋、首。今回はこの順番でやりましたが、これはパターンではありません。被験者である石田さんのからだを診て、操法を選択したわけです。

 

当然ながら、操法を選んだのには理由があります(人によって違うので、パターン化、プロトコル化はできません)。

 

終わってからは、からだが軽くなったとのことでした。

 

 

崖っぷち!メタル

ちょっと遡りますが、12月31日、新宿シネマートに行ってきました。
今年の映画納めはこれだ!

heavy-trip-movie.com

 

映画『ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!』公式サイト

 

フィンランドと聞いて「ムーミン??」と思うのは普通の人?ですが、

 

私なら、迷うことなく

 

ハノイ・ロックス」です。

 


Hanoi Rocks - Up Around the Bend (Official Video)

 

フィンランドは世界で一番人口あたりのメタルバンドの数が多い、メタル大国なのです。

まあ、北欧メタルっていうジャンルもありますし。

北欧出身と言えば、メタリカのラーズ(デンマーク)とかイングヴェイ・マルムスティーンスウェーデン)とか。私はデンマークのD.A.Dというバンドを知っていて、日本にいたデンマーク人に驚かれたこともあります。

 

これは、フィンランドの田舎(トナカイが道を横切ったりする)でメタルバンドをやっている若者達(学校の同級生で、介護施設勤務、図書館勤務、トナカイ加工工場勤務などなど)が、ふとしたことからノルウェーのフェスに出るというウソから出たまこと、みたいな話です。

 

途中、トナカイを避けようとして交通事故で亡くなったドラマーの棺を掘り起こし、施設で保護中のちょっと危ないヤツをドラマーとして、いけすかん村の男の車をかっぱらって、ノルウェーを目指すという話です。

 

 

途中、国境警備隊のお姉様や(パロディとか盛りだくさん)、バイキングのコスプレ集団とか、大爆笑です。

 

ポスターのコピーが

 

後悔するなら、クソを漏らせ! です。。

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主人公(ヴォーカル)は、ステージに立つと緊張してゲロを吐く!

 というわけで、12月はKISSに行ったし、ヘヴィ・トリップみたし、31日の夜は、普段は見ない紅白をちょっとだけ観ました。

https://www.barks.jp/news/?id=1000176871

YOSHIKISS です。

 

ドームでもアンコールでYOSHIKIが出てきて BethとRock  n' Roll All Nite  をやりましたが、紅白でもやってくれました(私は9時半から5分だけ観た)。

 

2019年12月はメタルとKISSでしめました。

 

ちなみに元旦の夜は、懲りずに

ボヘミアン・ラプソディー」を観ました。

 

何度も観てるくせに「ジョンが似すぎている〜」と騒ぐ私(アホ)。

 

特典映像のライブ・エイド フルバージョンをまた観てしまいました。

 

そうそう、Queen、今月いよいよ来ますね(ってチケット買ってないけど)。

 

 

 

ちなみに私は一昨年から「KISSがくるから髪の毛を伸ばそう」と、わけのわからない決意をして、「スカヨハ風のツートップショートにしてくれ!」とカットした後は、伸ばしました。お陰様で立派に伸びてきて、結べる長さにもなったので、引き続きカーリーヘアで続投予定です。

 

 

 

 

2020年を迎えて

皆様 明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

 

2020年は、数秘学で言えば、年数「4」の年です。
一波乱ある年ではないかと思われます。

 

オリンピックの年でもありますが、何かしっくりしないという感じは否めませんが、何だか妙な事件が多いですね。

まあ、気を取り直して行きましょう。

 

去年2019年は、方々から「インターネットに操体の情報が溢れまくっていて、どれが本当か分からない」と言われました。

 

私は以前から

「世の中の9割のことはグーグル先生に聞けばわかるけど、操体は、グーグル先生に聞いても分からない1割に含まれている」

と言っています。そりゃ、インフォメーションなどは伝える事ができますが、やることや、言葉のかけ方、手順などは人によって違います(よく、パターン化しているところもありますが、あれはお薦めしません。プロトコル化(手順化)は、簡単に伝える事ができるようになりますが、その分、誰にでも伝えようとして、誰にでもできるようにするため、中身が薄まります)。

 

はい。プロトコル化と「型」は違います。念のため。

 

メジャーになっていて、プロトコル化されているものほど、薄いのです。

そして、濃いものは、グーグル先生も教えてくれません。

 

調べれば「守破離」ってどういう意味?ってグーグル先生が教えてくれますが、操体で、「守破離」ってどんなことやるの?と聞いても、教えてもらえません。

 

というわけですが、今年は「操体で伝えることができる情報を伝えよう」「操体に関する情報が錯綜しているので、それをどうにか解決しよう」ということで、

 

操体のプロを目指しているわけではないが、やってみたい」
「プロを目指したいが、どこから行けばいいかわからない」

という人のために、サイトを立ち上げました。

 

操体.com (日本語ドメインにしちゃいました)

 

そして、Team Sotai Infinity も結成しました。

 

そのまんまですが All about SOTAI です。

 

そして

xn--tqq763c.com

も始めます。

(2020年4月開講ですが、お得なプレ講座もあります)

開講のもう一つの理由は

 

操体の臨床(治療)をやっていないのに、操体を指導している人が多すぎる」ということもあります。

 

中には、短期の講習を受けて、その後すぐ講習を始めるとか、クライアント、患者様を診ていないのに、操体法を教えているという場合もあったりして、私達、結構その尻拭いをやってきたんですよね(遠い目)。

 

操体.com

xn--tqq763c.com

 

仲間うちのジョークで「誰にもわかる操体法の医学」って、一番わかんないよね、というのがありますが(対象が一般向けではないので、内容は結構難解です)。

誰にもわかる操体法の医学 (健康双書ワイド版)

誰にもわかる操体法の医学 (健康双書ワイド版)

 

 

 

 

https://www.teizan.com

www.teizan.com

 

講習納め@塾SOTAI

12月29日、午前中は東京操体フォーラム実行委員で集合、三茶のガストで来春のフォーラムにむけての「ブレスト」。

 

その後は、講習会場に向かって、今年最後の「塾・SOTAI」。

これは、実行委員勉強会とも定例講習とも違うもの。
内容は実行委員勉強会同様オープンにはできませんが、今回も面白いテーマが出て、終わったのが18時過ぎでした。

 

午前中の打合せで、私が先日読んだ「ざんねんな努力」と黒川伊保子さんの「妻のトリセツ」「夫のトリセツ」を紹介しました。

 

うちの実行委員(男子の割合多し)をみると、ヨメさんがいる人は「伊保子本」を読んでちゃんと勉強しています(読んでない人は読むように。妻と夫両方読むとなお良し)。

 

妻のトリセツ (講談社+α新書)

妻のトリセツ (講談社+α新書)

  • 作者:黒川 伊保子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/10/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

夫のトリセツ (講談社+α新書)

夫のトリセツ (講談社+α新書)

 

 

そもそも、私の周囲の殿方は「両性的な脳」の持ち主が多いように思えます。

また、私は「夫のトリセツ」の中に出てくる「夫は妻の声がモスキート音に聞こえる」というくだりがツボにはまっています。

 

オットはある状態になると、妻の声が「ほぇ、ほぇほぇぴ~」(これは伊保子さんの表現ですが、妙にツボ)と聞こえるそうです。

 

実は、私は生物学上は「女」の部類に入りますが(最近、女装が好きなオヤジ気質ではないかと思ったりします。。。)、

 

ある女性(二人いる)の、声が「ほぇ、ほぇほぇぴ~」のように聞こえるのです。

そして、もっと驚くのは、その方々と「典型的男性脳持ち主の男性」の会話が成り立っているということです。

 

もっと言えば「典型的男性脳持ち主の男性」は、私に対しては「オマエの言ってることはよくわからん」「主語を言え主語を」と言うんですよったら!

 

これは一体どうしたことでしょう(笑)。

 

私の脳が彼女達をシャットアウトしているのか、男性脳男子がその方々の話を聞くことを最優先しているのか。

 

今度黒川さんにメールを書いてみようと思います。

 

「体育・スポーツにおける多様な性のありかた」講習会

最初に宣言しておきます。

私はAlly(アライ)です。

LGBTを理解し、支援する人のことです。
TEI-ZAN操体医科学研究所は、この立場を取ります。

 

私が取得した時は「文科省大臣公認スポーツ指導者」だったのですが、今は「日本スポーツ協会公認スポーツ指導者」になっている、いわゆる「スポーツプログラマー」を持っています。運動指導ができるというものです。

 

今回、資格更新の研修に行って来ました。それが標題の講習です。

 

私の周囲にも、結婚して子供も大きくなったけれど、離婚してから、自分がセクシャル・マイノリティであることに気づいたという方、社会的地位もあり、なおかつカミングアウトしている方など、わりと周囲にいます。また、今回下山田さんが、女子サッカー界の事情を話してくれましたが、10年間女子校にいたもので、いわゆる「メンズ」的な生徒がいるのも全くふつ〜でした(女子校あるある)。

 

また、日本は江戸時代までは男色文化が盛んでしたし、明治になってもそういうのは盛んでしたし、橋本敬三先生の若き日の小説(小さき心)にも

 

米澤と云ふ所はいやな風習のある所でその頃美少年であった自分はあすこの中学校などに入ると云ふ事はなにか恐ろしい事に出合ふ様に思はれたからでもあった。

 

 

という一節があります(一度実行委員ブログで紹介しましたっけ)。

いやな風習というのは、上級生が、かわいい下級生を「お稚児さん」にするということです。要は「自分は美少年だから、米沢の学校に行ったりしたら、イヤだなあ」と言っているということです。森鴎外ヰタ・セクスアリス』にも出てきます。

 

元祖腐女子だった(笑)私は「おっ!橋本先生ったら」と感心したものでした。

 

 

奇しくも12月21日、新国立競技場がオープンの日です(なんで外苑前がこんなに混んでるのかと思ったら、このためだったのです)。

 

会場の「オリンピックスクエア」は、新国立競技場の隣、日本青年館の隣です。

 

 

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新国立競技場を、オリンピックスクエアの14階から望む

 

基礎知識の提供や、最新の情報(組織的な良い対応の紹介など)がありましたが、講師の先生が言っていました。

確かに世の中に、LGBTの方はいるけれど、ステレオタイプというか、そういう人は、マツコ・デラックスみたいな格好をしているとか、ドラァグ・クイーンのような格好をしているとか、そんな思いこみがあるかもしれないけれど、LGBTの人達は、普通の人達で、あなたの周囲にもいる可能性があり、正しい知識を得ておかないと、迷惑をかけたりする、ということです。

 

少し前に、一橋大の学生が同級生にアウティング(暴露)され、その後自死してしまったという事件がありましたよね。

美輪昭宏さんのコンサートでは、美輪さんが体験した、知人の男性の自死の話を聞いたこともあります。

 

逆に言えば、昨年の「ボヘミアン・ラプソディー」の大ヒット、エルトン・ジョン(エルトンは男性パートナーと結婚しています)の「ロケット・マン」、映画「イブ・サンローラン」など、才能ある人達の話が語られるようになってきたというのは、時代が進んできたのかも、というか、日本が遅すぎたんだけど、オリンピック前になって、慌ててるという感じもします。

 

個人的な心配ですが、オリンピック選手って、結構タトゥ入れてますよね。

あの場合日本の「おもてなし」はどうするんでしょう。温泉なんかどうするんでしょ。
タトゥはダメ!とか言ったら、多分問題になると思うんですが。

 

一方、私が何度か書いている「アナ雪」ですが、あの「 Let it go 」は、まさに「これから大変だけど、もう自分を偽らない。これがありのままの私です」という意味(ありのままの私を愛して〜、みたいな歌ではない)なんですよね。

これは、まさに、これから大変だけど、大丈夫。私は自分を偽らないで生きると宣言する、一種のカミングアウトの歌なんですよ。

これがヒットしたということは、やはり歌に込められたメッセージ性が、多くの人の心に響いたのではないでしょうか。

 

一方、ディスカッションなどの発表を聞いていると、大変申しわけないのですが、年配の男性の方々の発言は、ちょっと違うなという感じがしました。

私の偏見だったらすいません、なのですが「ホモフォビア」(同性愛嫌悪)っぽいオジサマが結構いたように思えます。何でわかるかって?なんだかわかるんですよね〜。

 

中には「LGBTの子は特別視しない」と言った方もいましたが「えっ、そりゃそうだけど、少しは配慮しないと」と焦ったところ、私の横にいた男性は「特別視しないけど、配慮はしなきゃダメですよ」と、補足してくれて安心しました。

 

というわけで、講習は無事に終わりました。

帰り際、今回当事者として登壇してくれた下山田志帆さんに挨拶したところ、男前な挨拶が返ってきましたっけ。


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夜の新国立競技場。

 

多様性は、「からだ」にもあてはまります。

きめつけちゃいけないんだな、と思いました。

 

 

 

 

操体の「前屈」では、踵に体重はかけない。

操体の基本運動のことを「般若身経」と言います。これは、「からだの使い方、動かし方」の法則を、短いお経「般若心経」になぞらえたものです。

 

なお、関西地方では、般若身経と般若心経を混同してトラブルが起こったので「般若身経」とは言わず「基本動作」などと言っているところもあるようですが、我々(操体法東京研究会)では「般若身経」と言っています。

 

これもクラシックバージョンとか、半歩前足バージョンとか、第五分析バージョンとかありますが、共通しているのは、

 

踵(かかと)には、体重がかからない、ということです。

 

私も今まで、何度か「前屈時に踵に体重をかける」という場面を見たことがあります。

また、私自身、勘違いをしていたことがありまして、そう思っていたこともありますが、実際にやっていくと「かかとに体重がかかる」ということは、ない、ということがわかりました。

 

誰にもわかる操体法の医学 (健康双書ワイド版)

誰にもわかる操体法の医学 (健康双書ワイド版)

 

(中心集約運動が紹介されています↑)

 

さて、何故私が「前屈時に踵に体重がかかる」と勘違いしていたかという理由をお話します。

 

橋本先生が、書籍で出しているものには「足底のどこで立つ」ということは明確にされていません。「万病を治せる妙療法」などには「足心」(いわゆる湧泉)と書いてあるものもありますが、湧泉は足のやや前よりの真ん中です。

 

般若身経がまだ「中心集約運動」という名前だった頃のデータがあります。

三浦先生が橋本敬三先生から頂いたというわら半紙です。

それをみると、自然対立位のところに「足底を平均シテ踏ム」「土フマズの前端二心ヺアツメル」と、書いてあります。

 

自然体立位の際は、足の前の方に体重が乗ります。

 

そして不思議なのですが、橋本先生の本には、後屈時には、足のつま先に体重が乗る、と書いてあるのですが、前屈時にはどうなるのか、書いたものがないのです。

 

前屈時に「かかとに体重がかかる」という間違い(操体的、般若身経的な間違い)をしているのは、「後屈時につま先にかかるんだから、前屈時はかかとにかかるのだろう」という憶測から来ていると思われます(私もそう思っていたから)。

 

「般若身経においては、自然体立位も、前屈も後屈も、母趾球」です。これ、おぼえておいてください。般若身経クラシックから最新版までこれは変わりません。

 

試すとわかりますが、踵に体重をかけたまま前屈すると、膝の裏筋が伸びることになります。
自然体立位では後期に「膝のちからをホットゆるめる」(からだの設計にミスはない、より)となっています。

 

膝のちからをゆるめると、踵では立てないのです(やってみてください。かなり妙なことになります)。

 

膝のちからをホッと緩めたまま、母趾球(あるいは土踏まずの前方)に心を集めて(意識しながら)前屈するのです。

 

なお、前屈時にカカトに体重をかけるという指導者を何人かみましたが、結構共通していたのは、指導しているのが、エアロビクスのインストラクターであったり、ヨガやダンスの指導者が多かった(つまり、操体の専門家ではなかった)ということです。

某有名な全国展開しているフィットネスクラブでも見かけましたし、「全国操体バランス運動研究会」でも見かけました。

 

前屈時に、かかとに体重を乗せて(爪先が浮くこともある)、膝の裏をのばしたまま、前屈します。彼彼女達は、柔軟なので、膝の裏を伸ばしたまま前屈ができます。そして、手がゆかについたら、膝を「曲げる」のです(ゆるめるんじゃなくて)。

 

 

私は以前、エアロビクスのインストラクターや、ダンサーにリサーチしたことがありますし、ヨガのインストラクターにも聞いた事がありますが、彼らに共通しているのは「膝の裏筋は伸ばす」というクセがある、伸展系の動きが得意である、ということです。

 

確かに、エアロビクスやダンス、ヨガの指導者であれば、カカトに体重を乗せて、膝の裏を伸ばすということは、十分考えられるのです(エアロビクスやダンスやヨガでは、カカトに乗るのもアリです)。

 

また、上肢を内旋させる場合、テニスをやっている人は、肘を後ろに引くクセがあるようです。テニスをやっている人は、動きにクセがあるのでよくわかります。

 

私達は、操体を学ぶ時(操体の指導者を目指す場合)、からだの使い方、動かし方を一度リセットします。そこから、それぞれのスポーツなり何なりの、からだの使い方動かし方を再構築します。

 

しかし、特定のスポーツにのみ特化しているインストラクターが、操体的なからだの使い方、動かし方を体得せずに、単なる体操として習得し、指導する場合に「前屈時にカカトに体重がかかり、膝の裏が伸びる」(曲げきったあとで、わざとらしく膝を曲げる)ということが起こります。

 

先日も、ある方から「操体の派遣指導をしているというサイトを見たら、めちゃくちゃなことが書いてあってびっくりした」という報告がありました。

 

立位でカカトに体重がかかるとか、前屈時にカカトに体重がかかるとか、どうなってるの?

 

エアロビクスやダンサーのセオリーならばこうなるのかもしれませんが「操体の般若身経」とはベツモノです。

 

こういうことが、平気でまかり通っていても「いろんな先生がいて、いろんなやり方があるからいい」と放置しておいたので、妙なものが出てきたというのが、今の操体界の現状です。

 

 

このような情報過多の中、私のブログを読んで下さっている方には、お礼を申し上げるとともに「あなた、ラッキー」ともお伝えしたい。

 

ちなみに、操体の情報サイトを立ち上げました。

 

xn--tqq763c.com

まんまですが、○○操体とか、○○操体法ではない、操体のサイトです。