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私は専門が「操体」「操体法」ですが、スポーツプログラマー(運動指導ができる。元気な人に運動指導できる。文科省系)と、健康運動指導士(メタボ指導ができる。病後やトラブルのある人にも運動指導やアドバイスができる。厚労省系)の資格も持っております♪
最近のネット広告は、その人の嗜好や検索の傾向履歴などから自動的に出てくるそうです(このブログもそうなんですが)、最近「膝の痛み」に関する広告をよく見ます。実際、膝が痛いという人は多いですよね。
膝というと「コンドロイチン」とですね。テレビでも元力士のあの方がCMしてたりします。
ちなみに、サプリメントというのは、薬品ではなくて、栄養食品です。
つまり効果があっては困るし、医学的に証明されているわけではないのです(その昔、サプリメントの輸入販売をする会社にいた)。
しかしながら、漢方や古い医学では「同じ部位を食べる」ことによって何らかの効果がある、と言われてきたのも事実です。
これは、栄養のバランスを整えて、全身によい影響があり、結果的に痛みなどがおさまる、というような気長な話です。
気長な話なんですよ。コンドロイチン1回飲んで膝が治った!なんてことはありません。
しかし、病院や接骨院に行くのは面倒だし、行けば行ったで「もっと体重減らせ」とか「もっと運動しろ」と言われる。それは分かっているので言われたくない。
わかっていることを言われることほど、イヤなことはないですよね。
それが正論だと、尚更ですよね。
25年くらい前は、昭和の香りがするクライアントも多く「体重は減らすのが面倒だけど膝の痛みは治して欲しい」というような方や「操体を一度受けたらそれから二度と症状疾患は起こらない」(そんなのあるわけない)という方もいました。
なんなら「O脚が一度で治る」(一度では難しいです)とか。
操体は、近所にやっているところ(操体の専門)は、ほとんどないし、自分でやってみようと思って本を買ったけど、よくわからないので、放置。動画を見てもさっぱりわからない。
と、ネット広告で「膝の痛みに効く」というサプリが初回限定1000円。
となったら、サプリをポチってしまいますよね。
先年の紅麹を使ったサプリメントでの健康被害問題ですが、考えてみると、コレステロールの値改善ならば、多分医療機関で血液検査をして、値の異常がわかったから改善にトライしたのだと思います。
このような場合、本来は医療機関に行って、薬なり生活習慣の改善をすべきだったのですが、近所のドラッグストアに売っているし、小林製薬だから安心だし、お手軽でいいじゃん、ということで購入したのだと思います。
ごくごく普通の購買行動です。
病院に行った方がいいと分かっているけれど、やっぱり面倒だし(待つし、多分食生活を叱られるし、お酒止めろって言われるかもしれないし、運動不足って言われそうだし)、サプリ試そう!ってなりますよ。
さて、操体では膝の痛みをどのように考えるかご紹介しますね。
膝の痛みって
・筋肉量が少ない
・運動量が少ない
からですよね、という方もいらっしゃいますが、例えば太極拳をやっている方々のかなりのお悩みは、膝の痛みです。
太極拳の大会などがあると「膝の痛みにはどんな治療がいいか」「お勧め接骨院」などの話で盛り上がるそうです。
なので、運動している場合も膝の痛みは起こります。
男子中学生高校生で多いのは、膝関係のトラブルです。大抵はスポーツ障害ですね。
操体ではどう考えるかというと、
日常的なからだの使い方、動かし方の間違いから、ボディに歪みが生じ、その結果、一番症状が出やすいところ(膝の場合は膝、腰の場合は腰)に現象(痛みなど)が起こります。
私の場合ですが、まず立位で足底のどのあたりに体重がかかるのかチェックしますし、その他日常的な動作を確認します。
スポーツをやっている場合は、動作のチェックも行います。
今の季節、暑いので大人の男性でも半ズボンにビーサンというスタイルを見かけますが、ガニ股になっていなくても、足先が開いており、動作を見ても体重が足底の小指側にかかっているケースをかなり見ます。
ビーサンを履いて、歩行時にもつま先が合計90度以上の開きという状態が続くと、これは、かなりの確率でゆくゆく膝の痛みが発生します。
私の知りあいで親子(母と娘2人)の3人の立ち姿を見た時、ギョッとしたことがあります。親子なので姿形が似ているのですが、3人ともフラットな履きやすそうな靴をはいているのですが、普通に立っている時も、歩いている時もつま先が90度以上開いているんです。
揃ってスラリとしてスタイルのいい皆さんなんですが、足底のどこに体重がかかるか注視すると、やはり足底の小指側や外側にかかっています。
このまま行くと、数十年後には、間違いなく膝痛さん誕生です。
ただ、一言多いとかうるさいとか言われそうなのと、多分私の話は聞かないだろうと思い、黙っています(以前経験あり)。
なぜ、足底の小指側に体重が乗ると膝に故障が起こるのかというのは、全身のバランスの問題です。
立って、踵を付けてつま先を90度くらいに開いてみてください。
足底の小指側や、足の外側に体重がかかりませんか?
一方、大腿骨は一本の太い骨ですが、膝から下は、脛骨(けいこつ)と腓骨(ひこつ)という二本の骨に分かれます。脛骨は、真ん中にある太い骨で、腓骨は外側にある細めの骨です。膝から下の骨が二本になっているお陰で、人間は膝から下の細かい動きが可能になっています。
そして足首に繋がるわけですね。足首から下の骨はとっても複雑です。
簡単に言うと、足底の小指側、外側に体重が乗るというのは、人体にとっては不自然な使い方になります。
本来は、内側(母趾球側に)体重が乗るのが、自然な使い方なのです。
不自然な使い方をすると、どういうわけか、足首に歪みが生じ、頸骨と腓骨に微細なネジレが生じます。頸骨と腓骨は膝蓋骨や、膝近辺の軟骨や筋肉や腱とも繋がっていますので、膝に負荷がかかり、結果的に痛みが起こります。
こうなるには、少なからず時間がかかっています。
また、スピリチュアル業界では、女性の場合は右膝が自分、左が配偶者や恋人。男性の場合は、自分が左膝で右膝が配偶者や恋人への不満?が現れると言われています。
女性で右膝が痛む→自分に対する不満
女性で左膝が痛む→夫や恋人に対する不満
当てはまるかな?というところもありますが、やはりからだの使い方、動かし方が影響するのが一番です。
但し、私の様に、数年に一度、朝起きるといきなり膝が腫れ上がっていた、などというような、妙なことが起こった場合は、そっちの筋を考えることもあります。
そして、からだに傷をつけずに、優しく安全に元に戻すには、
悪くするのにかかった時間<治療施術に要する時間
と考えて間違いありませんが、その時間をなるべく短くするというのも臨床家の腕次第です。
からだを傷つける(例えば外科的な手術)場合は、もう少し早いかもしれませんが、傷つけるリスクと、傷が治るまでの時間、リハビリも考える必要があります。手術の時間は一日かもしれませんが、結局は傷が治るまでとか、リハビリも必要なのです。
それならば、多少時間がかかっても、からだにやさしいやり方を選ぶという手もあるのです。それが操体です。
一方、転んで膝を捻ったとか、突発的に腫れて痛む、と言う場合は、わりとすぐ改善したりします。
ブログにも何回か書いた記憶がありますが、私はもともと膝の半月板が半月じゃなくてもう少し太った月の形をしています。そのせいもあるのか、子供の頃はよく膝がガクッとなりました。転んだりもしました(今はない)。
そのせいかどうか全く謎ですが、数年に一度、朝起きると膝が腫れていて曲げられない、ということが起こります。
これは、私自身対処法を知っているので、わりと簡単に解決できたりします(自分で治せる操体法。ただし、ワザが必要)。
治る時間は、悪くするのにかかった時間とおなじくらい。
これ、法則です。
結構多いのは、色々な治療を試して、操体もやってみよう、といらっしゃるのですが、1回で終わりにしてしまうというケースです。
確かに操体を専門でやっているところは少ないですし、操体は保険治療が効きません(接骨院など、保険が使えるところでも、操体は自費治療でやっているケースが殆ど)。
私も「あと3回くらいは診せてほしい」と思っても、遠いとか面倒くさいとか、一番は「驚くような変化が起こらない」(じわじわと変わり、気がついたら治っていた?ということが多いのが操体です。
また、操体の「ワザ」の中で、膝の痛みに奏功するのが、足趾の操法®です。
これは、何故なのかよくわからないのですが、ある人曰く、膝の軟骨や腱などが緩むから、あるいは、あるべき位置に自然に戻るからでは?とのことでした。
実際ですが、
足趾の操法で、膝を緩める
操体の診断分析と実際の操法
日常的な動作のチェック
からだの法則に沿った、使い方、動かし方の実行
日常生活の中でのチェック
こんなことを何度か繰り返していきます。
からだの法則に沿った使い方、ですが、指導直後は皆さん
覚えていらっしゃるのです。
ただ、その動作が「カラダにしみ込む」(小脳パッケージ化@黒川伊保子さん曰く)がくらいやらないとダメです。
一度や二度「般若身経(心経ではない。操体独自のメソッド)」をやったからといって、治ったりはしません。
やはり、多少の継続は必要です。
また、放置しておいても治るモノもあります。ただ、長いこと痛んだりするのはイヤだと思うので、早く良くなるお手伝いをします。
そして、応急処置でなんとかなっても、からだの使い方、動かし方のクセやで、また元に戻ることもあります。その場合は、からだの使い方、動かし方や、その他諸々を覚えて体得していただく必要があります。
これ、面倒くさそうですが、一度体得してしまえば、一生涯使えるのですから、長い目でみてください。
ちなみに、8月19日~21日までは坐禅合宿に行っておりお休みしますが、それ以外はお盆もやっております。
完全予約制です。