運動系:
「生体の歪みを正す」の中には、運動系という言葉がよく出てくる。付箋を貼っていたところ、付箋だらけになってしまった。
操体の一番の特徴は視診(形態観察)、触診(手による、皮膚、骨格の評価)に加え、動かして診る(動診)という診断・評価法があることだ。動かして診るからには、この運動系というものに対してもっと興味を持って勉強すべきだろう。
運動系の定義は、「硬組織なる骨格を基盤として、これに付着する筋肉を主体とし、これが緊張弛緩する時に同調する皮膚までを含めた軟部組織とか成り立ち、主作用はもちろん身体運動であるが、身体の支持作用と、運動系が形造る体腔内に、内臓および中枢神経体を支持保護する作用を営む。正確に言うならば横紋筋系運動系と称えられよう。そして、その内部に興奮伝達の末梢神経系と、栄養代謝の末梢循環系とを包含している。(176ページ)
運動系全体として観察するに、運動系は連動装置になっており、横に断節的に神経反射が表れるだけではなしに、縦に力学的に連動協調して変化を表すことを見のがしてはならない。(179ページ)