操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

体操と操体の違い

操体の本を買ってみて、やってみたんだけれど、良くわからないんです』彼女は電話口でそう言った。

『まあ、分かるところもありますけど、例えば太極拳を本を読んだだけでマスターするとか、難しくありません?』

『どうやったらいいんでしょう』

操体は、【自力自療】っていうのね。それが何だか知らないうちに

【自分でできる】、つまり、自分で動かせば治る、というような解釈になってしまったわけ。つまり、体操化しているところもあるんです。操体でいう【自力自療】はね、自分で動かしてみて、気持ちよさを味わうってことなんです』 

『ただ動かしてみれば治るんだと思ってました』

『条件がいくつかあるんです。まず、色々な種類の操法が載っていると思うけれど(注:その本には『何とかに効く操体法』というような

書き方はされていない。立位で、腰掛位で、仰臥位で、など、ポジションの違いで示されているだけである)、自分のからだにききわけて、一番安楽なポジションを選ぶこと。それから、呼吸は自然呼吸でいいから、ゆっくりと動いてみること、そして、その動きに痛みや不快感があればすぐやめること。きもちよさ、ここちよさ、やってみたいな、という【からだの要求をききわけて】それがあれば、後はそのきもちよさにからだを委ねて、十分味わえばいいんです』