操体では
・重心安定の法則
・重心移動の法則
・連動の法則
という、重要な法則がある。
最初の重心安定の法則は(からだの使い方)で、重心移動の法則は(からだの動かし方)を示す。これを、『般若身経』と、言っている。
橋本先生が示されていたのは、立位で行うもので、歩行については、殆どのべられていない。
操体独自の腹式呼吸については、いくつか触れられているものの、歩行についての記述は見かけなかったような気がする(昔の忍者は、一晩で江戸から京都まで移動したというが、きっと身体の使い方の極意を知っていたのであろう、という一文は読んだことがある)
去年は「ナンバ歩き」が流行ったが、ナンバ歩きにしても、聞いてみると『同手同足の、南蛮人みたいな変な歩き方』説や、戦で荒れた戦国時代の難波辺りを、腰を使って歩いた、という説や、様々な説があるようだ。帯刀するにしても、刀を押さえないと歩けないので、お侍さんは、腰を使って歩いていたのだ。
だから、単に「同手同足」で歩くことを「ナンバ歩き」と、限定するのはちょっと早急かもしれない。
まあ、日本人はもともと、腕の推進力を使って歩行する民族ではない。以前小林完治先生に教えていただいた話だが、明治になって、はじめて日本で近代的運動会が開催された時、当時の日本人は、腕を振って推進力として走る習慣がなかったので、「手持ちぶさた」
だったのか、上肢を挙上して走ったらしい。
(想像するとおかしいが)で、これがまた早かったらしい。
たまたま先日、同門のT氏にその話をしたところ、彼は何と、小学生の低学年の時、両手を挙げて走っていたらしい。
(ちなみに、彼は元プロの格闘家。今は引退して後輩の指導に当たっている)
幼児期に、そのような走り方を自然にしていたとは・・。
さすが(?)である。
話が飛んだが、今日、所用(原稿の校正です『月刊手技療法』11月号、買って下さい)で師匠のところに伺った際、丁度T氏が操体の個人レッスンに来ていたので、三人で操体的な歩行について、
色々検証してみた。
最近のポスチャー・ウォーキングも楽しそうだし、私は普段、
中川と荒川沿いの『健康の道』(葛西臨海公園へ向かう、ウォーキング用の道)を歩いたりする。目的は両方とも微妙に違うが、
操体的な歩き方とは一体何なのだろう?
外で、怪しいオトナが3人、歩いてみたり、後ろ向きに歩いてみたり、前屈、後屈をしていたり、格闘技的に構えていたりするのを見て、幼稚園帰りの子供が不思議な顔をしていたが・・。
橋本敬三先生の、ライブでの歩行を見ている師匠によれば
『操体的な歩き方』をされていたという。
・背筋は伸ばし
・膝の力をゆるめて
・体重は足の親趾の付け根あたりに
・腰で
というのがポイントだったそうだ。
これに関しては、今、細かいことは検証中なのだが、近いうちに
報告したいと思っている。