操体法大辞典

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「きもちよく動く」の本当の意味

18日『秘伝』の対談取材に同席させていただいて、『秘伝』誌を読ませていただいた。

武術や格闘技に興味のある人はその道すがら、操体に興味を持つ方が多い。



そのような方がよく勘違いしていることがある。



「きもちよく動く」の意味を取り違えているのである。



きもちよく動くというのは文字通りきもちよく動くことなのだが、

この場合、ある動きを試してみて、きもちよさがからだで聞き分けられたら、という

意味である。つまり、操者がいて(受け手、仰向け膝伸展位の場合)

『それでは、私が左足をあらかじめ支えていますから、左足全体を、私のほうに向かって

ゆっくりと押し込んでいただけますか?からだの中心腰を使って、左側の体側が伸びてきて

左肩が耳のほうに、右の体側は縮んできて構いません。よく感覚を聞き分けて』



と、ある程度、自然な連動に叶った動きを、操者の介助抵抗と共に試し、気持ちよさが

あったらそのきもちよさに委ねて動くということだ。



一人で操体を行う場合には、自然な連動に叶ったある動きを試してみて、きもちよさ

があったらそれを味わう。



しかし、これを「きもちいい方を探して色々動いてみる」と、いうように勘違いしている

方が多い。



気持ちよさを味わい、きもちよさに委ねていると、からだに無意識の動きがついてくる

場合がある。無意識の動きは『快』だから。



しかし、きもちいい方を探して、色々動かしてみるというのは、有意識の動きである。



大体、からだが壊れている、あるいは不調であるという時に

『きもちよく自由に勝手に動いてください』とか

『きもちいい方向を探して色々動いてみてください』というのは、アンバランスな

からだでは表現が難しい。

というか、いきなり気持ちよく動いて、と、無責任な指導者に言われると、受け手は、

よくわからずに勝手にごにょごにょ動きを試し、結果『きもちよくも何ともない』という

結果に終わるのだ。