先日、日経ヘルス掲載の「操体ストレッチ」について書いたが、
もう少し詳しく。
確かに「楽な方に動かして瞬間脱力」というのは、操体法のやり方の一つだが、「楽な方、動きやすい方に動かして瞬間脱力する」ということだけだったら、類似しているものはたくさんある。
例えば、操体法の源流である正体術(整体とは違う。高橋迪雄氏によるもの)もそうだし、PNFも「うごきやすいほう」を「可動域が大きいほう」と解釈すれば同様だ。
操体には「身体運動の法則」というものがある。
重心安定の法則と重心移動の法則
この法則を無視したものは操体ではないと思う
重心安定の法則はここでは省くとして、重心移動の法則というものがある。
例えばからだを前屈する場合、腰の重心は後ろに移動する。
後屈する場合は前に移動する。
捻転する場合、(立位)捻転するほうの足に体重がかかる。
側屈する場合、(立位)倒れる方と反対の足に体重がかかる。
これが基本の大前提だ。立位と書いたが、腰掛けた場合も
同様だ。
日経ヘルス誌2月号28ページには、操体法の操法に似たものが載っている。
1.いすにゆったり腰かけて、胸の前で指先だけを重ね合わせて組む。そのまま、組んだ両手を後ろに回し、後頭部に添える。
(なぜ、指先だけを重ね合わせるのか?)
2.ひじが胸と水平になるようにしっかり開き、ゆっくりと左右にねじる。ねじってみて心地良い(ねじりやすく痛みがない)のはどちらか確かめる。
(ねじりやすく痛みがないほうが心地良いとは限らない)
3.ねじりやすかった方向にゆっくりとねじる。アンダーバストから上だけを回す意識で。ぎりぎりまでねじってそめ、そのまま5秒〜10秒呼吸
(2で「心地良い」と言っているが3では「ねじりやすかった方」になっている)
★今回、一番ひっかかったのは、次の
『アンダーバストから上だけを』というところ。
この場合、捻転であるから、腰も動くわけで、「操体」であったら
百歩譲ってねじりやすい方の臀部に体重をのせてねじるべきだ。
ここで、ちゃんと「重心移動の法則」が書かれていれば私ももう少しは納得したと思う。
その後に記載されている「挙手」に関しては重心移動が書かれているが、何故捻転の場合だけはアンダーバストから上だけなのか。
そこが疑問だ。
機会があったら何故なのか渡部先生に聞いてみたい。
また、操体法は脱力することでほぐれる、なんていうことは
橋本敬三先生はおっしゃっていないと思うのだが。
「いろいろなやり方があってもいいじゃないか」という声も聞こえそうだが、やはり疑問だ。